続・寺田的陸上日記     昔の日記はこちらから
2002年8月 オーガストは楽じゃない
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■9月2日(月)
 本当に、ぶっ通しで仕事。末續選手にならって「苦しく辛いという思考回路を麻痺させよう」としていますが、皆さんの予想に違わず、寺田なんぞができるこっちゃありません。天才と凡人の違いかな、と感じています。
 資料がたくさん必要な仕事なので、ファミレスにも行けません……という、常識は寺田には通用しません。膨大な資料をファミレスまで持っていって、明け方まで仕事。自分のデスクが資料の山に埋もれているので、広いテーブルが快適です。あらためて、日本のファミレス文化に感謝。
 それにしても、日記も書いていなかったし、北海道マラソンで取材したネタも記事にしてない。もう1つ、海外の話題なんかもあるんですが…。M岡さんがいろいろと各サイトの更新情報を教えてくださるので、それを紹介してごまかしています。9月2日だけに苦肉の策……。


■9月1日(日)
 この土日は、取材する試合はなし。そういうときこそ、普段は行けないような試合、例えば関東選手権(千葉)にふらっと行けたら面白いかな、と考えていました。以下は、寺田がある人に出したメールからの抜粋です。
地区選手権のみどことろは、日記でも九州選手権と中国選手権のことに触れましたが、日本選手権入賞レベルの選手が「おっ、強くなったな」と思わせる記録を出すのに出くわすこと。ただ、あまりそういう機会は多くありません。
むしろ、2〜4位くらいの高校生・大学生が自己記録を伸ばす点でしょうか。特にフィールド種目にその傾向があるかな・・。三段跳の稲葉広幸選手なんかは、一昨年(高3)、昨年と関東選手権で自己記録を出していたと思います。
あとはリレーで3位以内に入ると日本選手権リレーに出られます。アンビバレンスや栃木TFC(名前、違っていたらすいません)といったクラブチームが、それを目標に頑張るものと思います。有名大学チームが、関東の出身者だけでチームを編成して出てくるかもしれません。

 もちろん、これだけでなく、いろいろな楽しみ方があるように思います。地区選手権まで見に行っている人は、陸上競技の楽しみ方を知っている人だと思いますね。
 でも、仕事優先。ひたすら頑張っています。
 まあ、仕事があるから、余暇がある。日常があるから、非日常が楽しいんです。でも、寺田の日常は陸上競技……この辺を詳しく書くと長くなるので、それはまたの機会に。


■8月31日(土)
 昨日のスーパー陸上会見後。為末選手と「為末續パーティー」(2人が主催して、チームの垣根を越えて選手たちが集まる)について話をしていました。なんで、その話になったのかよく覚えていないのですが(なんか嘘っぽいですね。何かを隠しているような……って、自分のことだろ)。
為末「(為末續パーティーを)町田でやったんですよね」
寺田「駅前のデニーズで?」
為末「……違いますけど……」
N記者「そんなわけないでしょ。寺田さんじゃないんだから」
寺田「だって、末續をデニーズで見かけたことあるよ」(8月25日の日記参照)
 などという、たわいもない(?)雑談でした。それにしても、なんでこの話になったんだろう?
 さて、今日からは自宅兼事務所に缶詰です。ひたすら、仕事をします。昼夜を通してやります。他人が見たら「仕事中毒」(ワーカホリックって言いましたっけ)じゃないかと思うくらい、やります。末續選手の冬期トレーニングは「苦しく辛いという思考回路を麻痺させよう」というテーマだったとか。寺田も見習いたいと思います。


■8月30日(金)
 今日は15時からスーパー陸上の記者発表……ですが、その前に締め切りが1本。忘れてたわけじゃないんですけど、いったん提出した原稿のちょっとした手直しで、そんなに時間がかかる仕事ではなかったので、出かける直前に書きました。決して手抜きじゃありません。高橋尚子選手も今度のベルリンのレースについて言っています。「練習期間が1カ月短いので、去年と比べたら80%までにしか仕上げられないかもしれませんが、絶対に手抜きじゃありません」
 普段は記事の内容については書かないのですが、今回に限り言っちゃいましょう。原稿は「オリンピアン」のシカゴ・マラソン展望記事で、書き加えたのは高橋尚子選手のことです。シカゴ・マラソンというくくりにするのはおかしいかもしれませんが、まあ、同時期のマラソンですから。
 そういえば、オスロGLでロルーペ選手に会った際、「タカハシはベルリンに出るの?」と聞かれて、「彼女は来年の世界選手権を目標にしているから、たぶん、国内の選考会に出るよ」と答えました。日記にもそのことは書きましたよね。結果的に高橋選手はベルリンと東京国際女子マラソンの両方に出場するのですが、ロルーペ選手には間違った情報を教えてしまったことになります。北海道マラソンでKテレビのI田さん(大阪国際女子マラソン関係の人)に「ロルーペと接触する機会があったら謝っておいて」と頼んでおきましたが…罪は重いかも。それもこれも、高橋選手の“常識破り”の考え方を、見通せなかったせいです。記事ではさんざん“高橋・小出弟師の常識破り”ということは書いているんですけどね。普通なら“小出・高橋師弟”と書くところを“高橋・小出弟師”と書くあたりは、寺田も常識破りなのかもしれません。単なる馬鹿、という見方もあるのでしょうが、大南姉妹美方高校出身です。しまいにゃ怒るぞ、とメールが来そうなのでこの辺で。
 それにしても、Qちゃんのことをあれこれ考えるのは、本当に楽しいです。彼女の戦績や考え方が、いろんなメディアを通じて公にされているから、寺田なんかがあれこれ考える材料があるのでしょうけど。
 スーパー陸上記者会見のネタもあるのですが、それはまた明日にでも。そんなん、日記じゃないって? まあ、硬いこと言わないでください。硬いこと……。


■8月29日(木)
 夕方から都心で打ち合わせ。


■8月28日(水)
 ポールの狼――なんのことか(誰のことか)おわかりでしょうか。日曜日の北海道マラソン取材中、北の大地の自然に触れたことで寺田が思いついた、ある選手のニックネームです。ポール(棒高跳)の選手で北の大地で思いついたのだから、沢野大地のことだろうと考えるのは、安易すぎます。実は棒高跳アジア大会代表・安田覚選手のことなのです。
 話すと長くなるのですが、と言いつつ書いていたりするんですが、安田選手は2年前の日本選手権で2位になった際、肛門にポールが刺さってしまうアクシデントに見舞われました。そこから立ち直って(その恐怖感を克服して)今年の日本選手権に優勝。某専門誌では、自らのお尻を手で押さえ、教え子たちに囲まれている写真が載っています。
 元々、明るい性格の選手のようですが、アクシデントをギャグのネタに使えるようなら、もう大丈夫でしょう(何が大丈夫なんだ?)。寺田が「ポールの狼」と命名したのは、以下の諺からです。
「前門の虎、後門の狼」(※)
 陸上記者の皆さんに話したところ、かなり好評でした。教員選手ですから、一匹狼的に頑張っている、という意味も込められています。ポールの狼。安田選手に相応しいニックネームだと思うのですが…。
※表門から侵入しようとする虎を防いだが、裏門からすでに狼が進入してきた。一つのわざわいをのがれても、さらにまた他のわざわいにあうことのたとえ。<Koji Kotowaza Proverb Dictionary, ゥ Shogakukan 1986.故事ことわざの辞典 ゥ小学館 1986.>


■8月27日(火)
 昨日書いた系列について補足です。考えてみたら主催新聞社は、主催者なのです。変な日本語ですが、こういう意味です。つまり、主催者が自ら、正式発表よりも前に情報を漏らすわけにはいかない、ということ。今回の高橋尚子選手の東京国際女子マラソン出場について、主催の朝日新聞の記者がそのことを知っていても、自紙には正式発表前に書けないということです。
 さて、やはり昨日のことですが、朝帰りで帰宅すると、クリールという雑誌が届いていました。ベースボール・マガジン社から創刊された市民ランナー向け情報誌です。「クリール」とはフランス語で「走る」という意味とのこと。寺田的にはハヌーシ&サンドラ夫人へのインタビューを面白く読ませていただきました。有森裕子さんのエッセイ「animo日記」も味があります。朝練習をしなくなった日常生活を、(なぜか)ドライヤーとうまく結びつけて紹介しています。どう関連しているのか、知りたい方はご一読いただくのが早いですね。
 実はその雑誌の中で、寺田のこのWEBサイトを「走るためのWEB」として紹介してくれています。「内容はマラソンに限っていませんが、国内外の有名大会に関する報道記事へのリンク、独自取材によるリポートは圧倒的な情報量を誇ります。(中略)ところどころに垣間見える遊び心も楽しいサイトです。陸上の表も裏も、このサイトで知り尽くせます!」という、身に余る褒め言葉までいただいていたりして。
 でも最近“遊び心”の部分が今ひとつかな、と自分では感じています。気持ちに余裕がなくなってきちゃう時期でしょうか。


■8月26日(月)
 昨晩は、町田のデニーズで原稿を書きながら夜を明かして朝帰り。帰宅して読売新聞を見ると、高橋尚子選手、2か月でマラソン2回挑戦(03:04)(東京国際女子マラソン出場)の記事が。昨日の北海道では、まったく話題になっていませんでしたから、たぶん、スクープ記事だなと思いました。そういえば、読売新聞のK記者の姿が北海道になかったな。
 ファミレスでは(手持ちの資料では)調べられなかった点を2〜3調べて原稿を完成させ、メールで送信。インターネットでも高橋選手の記事を出しているのは読売新聞のサイトだけ。スクープというのは間違いないでしょう。約4時間の睡眠をとり、その後もひたすら仕事。珍しく忙しい寺田です。そうこうしているうちに、箱根駅伝の出場校枠拡大と、高橋尚子選手の東京国際女子マラソン出場のプレスリリースを入手できました。
 箱根駅伝の方は以前、産経新聞に記事が出ましたが、なるほど、と思いました。拡大した分を、そういう目的に使おうという意図だったとは。主催者の関東学連が箱根駅伝の現状をここまで「マイナス」と言い切っている点(実際には「マイナスに作用する傾向が出始めている」との表現ですが)が、ちょっと新鮮でした。その傾向が出始めた原因については、触れていませんが。
 高橋選手の方ですが、新聞記事のあとにこの手のリリースが出るということはやはり、読売新聞のスクープだったということ。面白いのは箱根駅伝の方が主催(後援かな)の読売ではなく産経が、東京国際女子マラソンが朝日ではなく読売が、スクープしている点。世の中、なんでも“系列”で動いていると考えがちですが、そうでもありません。報道する価値があれば、記者は頑張るわけですね。


■8月25日(日)
 北海道マラソン取材。今回、記事に関しては「どこの媒体にこれを書かないといけない」という仕事はありません。つまりこのホームページだけ。3月のびわ湖もそうでしたが、そういうときの方が幅広い取材が可能になります(……先週の富士北麓取材、専門誌の仕事ですけど幅広い取材ができたかな、K記者とS記者の協力もあって)。21:30のJAS便に乗る前に、すでに掲載した堀江知佳&山本佑樹選手のコメント記事の他、堀江選手の「体重とインターハイ」も書き上げました。でも2〜3、資料を調べないといけないので、サイトへのアップは後日。「体重」と「インターハイ」は、2つのネタを強引にくっつけたわけではなくて、堀江選手の特徴というか現在に至る経緯を、うまく説明できているかなと、自分でも思っています。締めがイマイチですけど。
 この他にも、女子2位の吉松選手がどんな練習で出場したのか、男子2位の山本選手の手術から今回のマラソンまでの経緯、男子3位の松永伸彦選手の略歴などを記事にできる取材がしてあります。が、実際に記事にできるかどうかは不詳。なんせ、不肖のライターなもので…。
 「どこの媒体にこれを書かないといけない」という仕事がないということは、つまり大赤字の取材(数年単位で見れば、有効な投資となるかもしれませんが)。そのあたりの事情で、フライトは21:30と遅い時間に。羽田着は23:00の予定が23時を3〜4分過ぎてしまいました。不安が的中して、この3〜4分の違いで京王線に間に合わないことに。新宿から小田急で新百合ヶ丘まで行って、あとはタクシーにしようかと考えましたが、タクシー代の3500円は馬鹿にならない額。町田まで行って、駅前のデニーズで始発まで仕事をしました。締め切りも抱えていましたので。
 町田のデニーズは、あの末續慎吾選手も利用したことのある、陸上界とはゆかりの深いファミレス。某女子選手と一緒のところを、今年の2月に目撃したことがあります。その女子選手とは、同じ小田急沿線に活動拠点を置く選手で、すでに既婚……………の坂上香織選手。奥迫政之選手と宮崎久選手も一緒でした。日中対抗室内横浜大会の日の夜のことです。


■8月24日(土)その2
 15時から明日の北海道マラソンの記者会見。シドニー五輪以来2年ぶりのマラソンとなる山口衛里選手の会見模様は、すでに記事にしてアップしました。外国人選手の受け答えは型どおりのもので、これといって興味を引くコメントはありませんでしたが、間野敏男、佐々勤、堀江知佳の日本人3選手のコメントは、ぜひ紹介したいものもあるのですが……。
 その他にも、いろいろと情報を仕入れられました。砂田貴裕選手のこと、一般参加で注目の山本佑樹選手のことなど。マラソン・レース前日の大会本部ホテルは、いろんな情報があふれています。実業団チームの監督やコーチ、報道関係者、メーカー関係者etc. 山口選手の記事を書き終えたあたりで、北海道文化放送の近田誉アナ(明日の実況はこの顔に注目。明大競走部で競歩の園原健弘選手の1つ後輩。渡辺重治・現三井住友海上コーチの5つ先輩)とも情報交換。東京ランナーズ倶楽部“第三の女”、吉松久恵選手の情報も、ちょっと聞かせてもらいました。いろんな情報を総合すると、男子の山本選手と女子の吉松選手は、明日のレースで絶対に目を離してはいけない初マラソン・コンビとなりそうです。
 詳しい情報も記事にして、あるいはコメントだけでも紹介したいのですが、それは明日のレース開始までに時間があれば。例のごとく、今大会とは関係のない原稿を抱えて札幌入りしてしまいました。このあとはそちらを優先して、時間があったら今日入手した情報を記事にします。明日のレース観戦にかかわる情報ですから、本来そちらを優先した方がいいに決まっていますが、なにぶん、ねえ(なんのこっちゃ)。睡眠もどこかでとらないと、昨晩は2時間しか寝ていませんし。
 招待選手の名前は北海道マラソンサイトで見られるのでそちらを参照願うとして、一般参加の注目は以下の選手たちでしょうか。
・山本佑樹(旭化成)・白石真(大塚製薬)・水口紀幸(同)・小松直人(同)。ニッポンランナーズの齊藤太郎コーチの名前もあります。女子では、以前にも紹介した気もするのですが寺沢佳恵選手(滋賀陸協)の名前も。かつてのインターハイ2位(か3位)の選手で、大阪大に進学した選手。ナンバー1007の北澤麻依子選手は、スケートの五輪メダリストの妹さん。
 そしてそして、元陸マガ編集部(現在もベースボール・マガジン社で編集者)のM田Y子の名前もプログラムにありました。彼女は関学大出身で、学生時代は中距離選手。関西インカレで高橋尚子選手とも一緒に走った経験があります。社会人となって編集者となった後も、時間をみつけては走り続けてきました。忙しさにかまけて、身体の手入れをしない寺田とは大違いです。明日の楽しみが増えました。


■8月24日(土)
 札幌に着きました。5時10分に起きて、5時50分に自宅を出まして、8時のフライト。9時35分には千歳空港着。今、空港のロビーでキーボードを叩いています。今月買ったCFカード型PHSが威力を発揮してますね。
 北海道マラソンの記者会見は15時から。なんでこんなに朝早く来たのか……それは聞かないでください(誰も聞いてないって?)。まあ、8月は楽じゃないってことで。


■8月23日(金)
 仕事の遅い寺田は、「最低でもここまでは今日中に進めておきたい」という仕事すら、終えられないことも多くて、いつも自己嫌悪に陥っています。が、今日はなんとか最低ラインだけはクリアしました。
 午前中に釜山往復(アジア大会取材です、もちろん)の航空券をやっと確保。何日かかったでしょう。昼のデータ調べはややペースが鈍かったのですが、夜のデータ調べは快ペース。午前1時に終わりました。その後、明日からの北海道マラソン取材の下調べ。すでに午前3時が近いです。もう寝ないときつくなりそうなので、ネットにアップするのは明日にします。


■8月22日(木)
 早起きして、今日も富士北麓に。実は18日のコニカ2002スプリントチャレンジカップ取材の際にに取材ノートを忘れてしまい、取りに行くはめに……というのは冗談で、短距離合宿の公開練習日です。7時20分に自宅を出て、9時16分には富士吉田着。
 競技場に着き、福島大・川本和久先生にお会いするなり、「先生、師匠と呼ばせてください」と挨拶。昨日のおやじの時々日記の「なんのそのマリ、天地真理」という記述を読んで、さすがと思ったからです。「うむ、支障ない」と切り返していただければよかったのですが、いたく感激されたご様子。どうやら、寺田の反応を楽しみに書かれたようです。
 念のために記しますが、寺田は「そのマリ」は名前は知っていますが、どんな人だったかまでは知りません。天地真理はさすがに知っていますが…。
 なんで川本先生に弟子入りする必要があるのか――どうも最近、不調なのです。ロンドン・マラソンの際の「土佐日記」、兵庫リレーカーニバル取材の際の「パクリン」に匹敵するようなユーモアが、なかなか浮かんできません。1つ2つ、それに匹敵するネタも思い浮かびましたが、文字にするのははばかられるようなネタです。それは、ネタとは言わないかもしれませんが。
 取材中、中国選手権男子100 mで10秒24を出した石倉一希選手の話題を、石倉選手と同じ島根県出身の土江寛裕選手としていました。末續慎吾選手も興味があったようで、「風はいくつだったんですか」と、質問してきます。「追い風1.7か1.8だったと思うよ」と寺田。これは正しかった(実際は追い風1.7)のですが、次を失敗してしまいました。
末續「2位は野田(大社高)ですか」
寺田「どうだったかな。でも、野田くらい有名な選手なら覚えていると思うけど」
 すいません、大間違いです。2位は野田浩之選手で10秒46です。末續選手、いい加減な答えをしてしまい、申し訳ありません。だれかこの日記を見ている方、末續選手に知らせてあげてください。


■8月21日(水)
 ATFS(世界陸上競技統計者協会)のある会員の方からメールをもらいました。「アジア大会代表に杉林が選ばれなかったことで 再度考えさせられた“派遣枠”の存在」の感想です。「アジア大会用の基準記録を設け、突破し、且つ日本選手権で優勝した場合、自動的に代表とすべき」というのが、ご意見の一部です。
 確かに、今の“先に枠ありき”の選考方法では、“選ばれるかもしれないし、選ばれないかもしれない選手”がどうしても生じてしまいます。寺田は、それではファンをガッカリさせてしまい、陸上人気の低落につながるという視点で書きましたが、“枠ありき”選考は選手にとってもつらいシステムです。“こういう成績(記録)を出したら代表になれる”というシステムの確率が望まれます。何度も言いますが、“枠ありき”ではそのシステムはできません。


■8月20日(火)
 明るい話題(?)を1つ。トップページでも紹介しましたが、長崎陸協サイトが九州選手権を、広島陸協サイトが中国五県対抗の成績を掲載してくれています。地区選手権はなかなか大きく報道されない大会ですが、ここで好記録を出す選手もいます。優勝選手だけに限らず、2〜4位あたりの学生選手や高校生選手に注目すると面白いかもしれません。
 中国の男子100 mで10秒24を出した石倉一希(近大)選手は、島根県出身の土江寛裕選手のベスト記録を0.01秒上回りました。昨年10秒35とかなりの記録をマークし、今年で4年生。卒業後も頑張ろう、という気持ちになってきたのではないかと想像されますが、個人の進路のことをあれこれ取り沙汰するのはやめましょう。
 そこで思い出したのが、九州選手権女子100 m優勝の瀬戸口渚(徳洲会)選手。向かい風1.4mで11秒79は、自己記録11秒71(+1.8)を上回る価値がありそうです。インターハイ優勝の長島夏子(壱岐高)選手を0.34秒もぶっちぎったのですから、強いと思います。
 彼女は高校時代から全国で4〜5番に入賞していた選手でしたが、全国タイトルは昨年の日本インカレくらいではないでしょうか。学生手種目別選手権で11秒71で2位。二瓶秀子選手が11秒36の日本新で優勝したレースです。
 彼女には一度、いつ(どの段階で)実業団入りして陸上競技を続けようと決心したか、取材する機会があると嬉しいのですが。学生時代は、予備軍であったとは思いますが、日本代表までにはなっていない選手。一般種目では近年、学生のうちに日本代表になれるレベルでないと、卒業後に実業団入りするのは難しい状況です。瀬戸口選手のように、微妙な位置で実業団入りした選手が、日本を代表できるレベルに成長するのは明るい話題だと思うのですが。


■8月19日(月)
 昨日、大月から八王子、八王子から橋本と移動して、橋本から京王線に乗る前に、駅の近くのケンタッキーで本サイト用の記事を書いていました。末續慎吾選手もどうやらこのサイトを見ているようで「また、ホームページに書くんですか?」とか「400 m出ますから、ホームページに書いてくださいよ」などと声をかけられる始末。そこまで言われたら、書かないわけにはいきません。
 でも、昨日書こうとした「100 m・200 m・400 m合計タイム」の記事は、高野コーチの100 mのベスト記録がわからず苦戦。89年の日本選手権100 mで青戸慎司選手が10秒28の日本タイを出したとき、同じレースで10秒40で走ったと思ったのですが、ちょっと自信がありません(10秒41でした)。記録集計号の歴代50傑は10秒37まで。
 ということで、記事の途中でサイトにアップ。確か、20:45くらいでした。公衆電話を使ってもよかったんですが、せっかく買ったのでCFカード型PHSでネットに接続……したら、なんとISHIRO記者のサイトに、すでにこーんなにたくさんの文章が。大月までは一緒の富士急に乗っていました。いったい、いつ書いたんだろう。
 なぜか、昨日のことを書いてしまいました。今日は、台風の影響で雨。それが理由じゃありませんが、終日、自宅兼オフィスで仕事。


■8月18日(日)
 午前中、河口湖駅でネット接続に成功。コニカのサイトで午前中に、同社選手全員が参加するイベントがあることを知りました。大会自体コニカがスポンサーで、「コニカ2002スプリントチャレンジカップIN山梨」という名称。地元テレビ局も主催に名を連ね、録画ですがテレビ放映もするとのこと。午前中のイベントは「42.195km日本記録挑戦マラソンリレー大会」のタイトルで、小学生がリレーして男女マラソンの日本最高記録を破ろうという企画です。
 午前中に何かイベントがあることは知っていましたが、そこまで詳しい内容は知らなかったのです。会場に着いたのは、午後の「スプリントチャレンジカップ」が始まる20分ほど前。さっそく、コニカのO島コーチから「なんで午前中はコニカったんですか」とは、言われませんでした。
 そういえば、毎日新聞・石井朗生記者から「あんまりレベルの低いことを書かないでくださいよ。陸上記者がみんなそうだと思われるじゃないですか」と、苦言を呈されました。誰かが陸上記者を代表しているから、という褒め言葉と一緒だったわけですが…。
 まさかとは思いますが、念のため書いておきます。小出義雄監督が「100人の指導者がいたら100通りの指導法がある」と言っているように、100人の陸上記者がいたら100の個性があります。寺田のレベルが低い(たぶん、ギャグのレベルのことでしょう。本人はそう思っていませんが)からといって、他の陸上記者もそうだとは限りません。その辺は、ちゃんと認識しておいてください。
 話は戻りますが、報道受付の際にさっそく「この競技場の標高は何mですか」と質問。受付の陸協の方が親切に、競技場の職員の方に確認してくれました。1100mだそうです。いうことは、俗に言う準高地。ATFS(世界陸上競技統計者協会)などの慣例では、1000m以上だと記録に「Aマーク」が付いて、高地だということを示すことになります。もちろん、公認対象ではあります。
 最初の種目が終わった後、ちょっと用足しに行ったら、末續慎吾選手とばったり。「携帯電話落とすなよ」(陸マガ8月号参照)とは言わないで、「400 mホントに出るの? 目標タイムは?」と、ごくごく当たり前の質問。「45秒8か9くらいですかね」という便器1つを間にはさんでの会話。その1時間37分後には、その言葉が現実になりました。将来、このエピソードは「末續慎吾、便器の誓い」として語り継がれるかもしれません(フランス革命で「テニスコートの誓い」ってのがありましたよね。確か、パリ市民がテニスコートに集まって、議会ができるまでは一歩も引かないぞ、って誓い合った)。
 高野進コーチの大学4年目の記録が45秒8台だという記憶があったので、レース後にその話を高野コーチにすると「そんな記録は破ろうと思えば、いつだった破れますよ」とのこと。ただ、今後の日本インカレ、スーパー陸上、アジア大会と続くスケジュールを考えると、学生のうちはちょっと厳しいかもしれません。
 おまけの話ですが、高野コーチによれば例のフライデーの件、末續選手は特に意に介している様子はないとのこと。考えてみたら、そうなんですよね。報道されたからといって、何かを変えないといけないという類のことではありません。


■8月17日(土)
 13:55に自宅を出て、15:17に中央線の大月着。富士急・河口湖駅に16:21着。富士急車内では陸上競技関係者ともお会いしました。いよいよ明日は、陸上界(そこそこ)注目の短距離・ハードル記録会です。ところで、富士急に乗るのは3回目、河口湖駅に行ったのは2回目です。1回目は昨年3月だったでしょうか、西湖畔で合宿する富士通・高橋健一選手と藤田敦史選手を取材。佐藤信春コーチ(現監督)が、駅まで迎えに来てくださいました。
 もう1回は昨年の7月に短距離合宿取材のため、明日の記録会会場でもある富士北麓公園に行きました。このとき朝原宣治選手から聞いた話が、6月に取材をしたときに役立ちました。その記事は陸マガ8月号に掲載されましたが、記事自体を書いたのは以前にも紹介したように7月1〜2日、ローザンヌのホテルでした。そして今日、泊まっているプチペンションの2軒隣のペンションの名前が、なぜかローザンヌ。なんともいえない因縁を感じました(ホントか?)。
 その宿泊中のペンションですが、部屋に電話はないのはわかっていたことですが、残念なことに携帯電話もPHSも通じません。せっかく昨晩セッティングしたCFカード型PHSによるインターネット接続もダメ。宝の持ち腐れに。グレーの公衆電話もなく、インターネット接続ができません。もしも、携帯やメールに連絡をいただいていたら、申し訳ありません。明日の朝、河口湖駅か富士吉田駅でチェックします。
 それはともかく、さすが避暑地というか、とにかく涼しいです。富士五湖周辺の標高って、1000mくらいでしたっけ……っていうことは、もしかして明日、記録が出ても「A」マーク付き?


■8月16日(金)
 13時から近くのファミレスで打ち合わせ。ビールも飲みながらの、リラックスモード。そこで、夏はビールとカレーが合うことを発見しました。それはさておき、有意義な打ち合わせでした。やっぱり、ファミレスは仕事に適しているといえるでしょう。先月(7月25日の日記参照)、福士選手の取材で“やや失敗”がありましたが、あれは例外だったということで。そういえば、今日の打ち合わせの相手の方も、名前に“ロウ”がつきます。
 ヨーロッパ取材の報告なんかもしましたが、そこで意見の一致をみたのが表彰はレース直後にやったほうがいいということ。8月3日の日記にも書きましたが、そのほうが会場の雰囲気も盛り上がるし、その後の取材もスムーズにいきますし、選手の拘束時間も短くてすみます。いいこと言ってると思うんですけどね、ファミレスの片隅で。
 打ち合わせ後、取引先に入金(振り込み)するために銀行に。ファミレスにいる間に雨が降り出していました。
 銀行から事務所(兼自宅)に戻ると、アジア大会代表追加5名が決定したとの知らせが。残念に感じた部分もあったので、明日にでも文章にします。
 明後日の富士北麓での記録会ですが、100 mと400 mだけと昨日書きましたが、200 mと100 mH・110 mHもあるとのこと。メンバー的にもかなりいいようです。というわけで、明日、泊まる河口湖畔のペンションを予約しようと、「るるぶ・山中湖 河口湖 富士山麓」を見て片っ端から電話。しかし、この時期、どのペンションも満室です。6軒目(電話がつながらなかったものも数えると9軒目)でやっと、空室がありました。
 ペンションの確保にとまどったせいもあり、新宿に買い物に出かけるのが19時50分と遅くなってしまいました。20時40分頃にお馴染み、ヨドバシカメラ新宿西口店に。ここは、弘山晴美選手のみならず、陸上専門誌のT野カメラマンもたまに出没することで有名です。で、何を買ったのかといえば、CFカード型のPHS。データ通信専用で通話もできないし、発信先も3カ所に限定されたやつで、月々の基本料が980円と安価(安心だフォンと似てますが、ちょっと違う)。通信先をその場で決めて、クレジットカードの資格審査なんぞに約30分。店内をうろついている間に手続き完了。時刻は21:20。22:10ころ自宅に戻ってパソコンの設定をして、23:00には無事にセッティング終了。
 これで、DDIのPHSが通じる場所なら、インターネットが1分10円(17時〜3時は1分13円)でできます。以前にも書いたような気がしますが、これはあくまで保険的な意味合いで、この方法を確保することで、出張先のホテル代を安く抑えるのが目的です。今秋は福島、高知と、宿でネットができるかどうかわからない出張が続きます。それよりも明日、河口湖畔でさっそく使うことになるかもしれませんが。


■8月15日(木)
 ということで、やっと劉翔サインを掲載。このサインを書いてもらったのが、7月2日のローザンヌGPの試合後。12時近かったと思います。陸マガ9月号の為末選手の手記を読むと、寺田がサインをもらう前に、朝原&為末大阪ガス・コンビも、ホテルで劉選手と接触していたようです。世界を股にかけて活躍している2人にとっても、劉の13秒12は衝撃的だったようです。
 しかし、朝原選手が97年に同じローザンヌで10秒08のアジア新記録を出したとき、中国関係者には劉の13秒12なみの衝撃だったのではないでしょうか。当時の中国記録は10秒20ですから。100 mの0.12秒差と110 mHの0.38秒差(日本記録は13秒50)。どちらが大きいかといえば110 mHの方でしょうが、100 mには種目の特殊性があります。“足の速い人”なら誰でもトライし、それが理由で競技人口の多い種目でもある100 mでの0.12秒差は、実際の差以上に心理的な差を感じさせるはずです。
 あれから1カ月半ですか。その間にいろいろあって、遠い昔のような気もしますが、昨日のように思い出せる感じもします。“昨日のように”というのは、日本語の慣用的な表現であって、実際に昨日のように思い出せるわけではありません。“1〜2週間前のように”というのが、正確なところです。昨日、日記をまとめて書いていて、1週間前なのに何をやったか思い出せない日がありました。たぶん、1日中事務所(兼自宅)に閉じこもって仕事をしていると、そうなるんでしょう。
 ということで、週末は富士北麓に行くことにしました。100 mと400 mの記録会があるのです。日帰りではなくて、夏休みも兼ねて河口湖畔のペンションにでも泊まろうか、などと画策中です。


■8月14日(水)
 昨日まで、この日記コーナーは1週間の“休み”をいただきました。というのも、インターハイに行ったのが理由です。子選手(壱岐高)の快走を見ましたから……というのは冗談で、福島大・川本和久先生の「おやじの時々日記」も8月5日を最後に更新されていませんでしたから、だったら寺田の日記も書かなくていいかな、なんて。
 これは福士加代子選手(ワコール)の影響かも? 陸マガ9月号掲載の、福士選手が日本人初の14分台を出した記事には、次のような福士選手のコメントが紹介されています。
「1000mを過ぎてペースが上がったとき、オサリバンさんが離れたんです。一瞬、“だったら私も”って、何を血迷ったのか下がりそうになって…。雨も降っていたし、“しゃあないなあ”って、自分で逃げ道を作っていたんだと思います」
 記事を書いたのは、他ならぬ寺田です。この、ちょっと変わった福士選手の感性に惹かれたのでしょう。福士選手にとってのオサリバンが、寺田にとっての川本先生だったわけです。まあ、福士選手は実際には、オサリバン選手と一緒に遅れたわけではなく、一方の寺田は実際に書かなかった、というのが違いです。日本記録保持者と、無位無官のライターとの違いでしょうか。
 ところが今日、「おやじの時々日記」が8月6日から13日分までアップされています。どうやら、アジア選手権遠征中にも書いていらしたようで、写真もふんだんに使って一気にドーンです(この感覚的な表現、陸上業界的だと思いません?)。これは、寺田も1週間分、書かないといけないのかな、と感じたところに、本サイトのよき理解者であるOさんから電話があり「日記を楽しみにしているんですが」のひと言。これは、いつまでも夏休みをしているわけにはいきません。ということで、この1週間を振り返って紹介しましょう。
□8月7日(水)
 上野駅に行きました。実は前日、生まれて初めて取材ノートをなくしたんです。勝田から上野駅に移動中の特急スーパーひたち車中で気づき、最後はずっとブルーな気分で過ごしました。せっかく、女性の方(某新聞記者)と一緒だったのですが…。
 ホテル、インターハイ会場(陸上競技場)、そしてひたちなか市のインターハイ本部と電話をしましたが、見つかりません。最後に、上野駅の遺失物預かり所に電話をしたら、ありました。前日の朝、いわきから勝田に向かう列車の中に忘れたようです。メデタシ、メデタシ。
 上野に行く途中、新宿のヨドバシカメラに。PHSでのモバイル・インターネットを計画しています。携帯電話の遅い速度でネットをするとものすごい金額がかかるので、この1年半くらい、携帯電話によるネット接続は封印してきました。しかし、出張の際にネット接続のことばかり気にしてホテルを取ると、一番安い値段のホテルを敬遠してしまうことにもなります。毎月3000円くらいの出費でモバイルができるのなら、かえって安くつくかな、と思い当たりました。ということで、いろいろ検討しています。たぶん、エッジの一番安いコース(接続先3カ所限定で1カ月980円)にすると思います。
□8月8日(木)
 何をしていたのか、思い出せません。
□8月9日(金)
 14時から都内某所で、アジア大会関連の打ち合わせ。その後、陸マガによって9月号を入手。12日発売なので、実際に出来上がるのも通常の月よりも早くなります。
 寺田が書いた記事は福士選手と小林史明選手の記事。小林史明選手の記事の前のページは、小林史和選手の記事。外国人が読んだら、兄弟と誤解してしまうかもしれません。そういえば、7月号のインターハイ青森県予選の成績一覧を見ていたら、女子400 mで福士吉子という選手が5位に入っています。学校は五所川原工高。姉妹なんだろうか?
 為末大選手もたくさん書いています。ネタはヨーロッパ遠征のことですが、やっぱり記者が書くものと選手本人が書くものでは、見方が違いますね、当たり前ですが。
 ただ、ローザンヌで110 mHの世界ジュニア記録を出した劉翔選手については、ダブってしまいました。これも、選手が重なっただけで、ネタ的には重なっているわけではありません。寺田の書いたものは、表面的な事象の説明だけですが、為末選手の方はエピソード込みで、内容的にも深く突っ込んでいます。さすが、大先生。
 そういえば、劉翔のサインを掲載するのを忘れていました。明日(15日)、載せます。
□8月10日(土)
 昨日から、アジア選手権関連で多くの時間を割いています。
□8月11日(日)
 一昨日から、アジア選手権関連で多くの時間を割いています。
□8月12日(月)
 アジア選手権女子800 mで杉森美保選手(京セラ)が金メダル。ライブでアジア選手権を放映しているサイトがあって、なかなか上手く見ることができなかったのですが、この種目だけ、粗い映像ですが見ることができました。フィニッシュ前でキルギスタンの選手に競り勝ったときは、ものすごく嬉しかったです。というのも、あるエピソードがあるんです。具体的には“企業秘密”(川本先生の日記によく出てくる言葉です)。
 ともかく、この種目はアジアでも“勝てない種目”の1つでした。アジア選手権で優勝した日本選手は過去、73年大会(1回大会)の河野信子選手1人だけ。アジア大会でも74年の河野選手が最後です。それだけ、日本の女子800 mにとって価値のある金メダルなのです。
 それにしても、日本はアジアでも勝てなくなりました。これは最近のことではなく、86年のソウル・アジア大会あたりから顕著になり、90年の北京大会あたりから決定的になりました。中国の躍進がその主な理由ですが、近年はカタール、サウジアラビアに代表されるアラブ諸国の台頭、カザフスタンやキルギスタンの旧ソ連の中央アジア諸国の加入が、日本の凋落傾向に拍車をかけています。
 それまで陸上競技が盛んでなかった国に、陸上競技が普及すれば、強い選手が増えるのは当たり前で、メダルも分散傾向になるのは自明のことです。誤解を恐れずに書くのなら、アジアにおける日本のように昔から強かった国は、“いかに弱くなるか”が肝心になると思います。具体的に言うと、毎回金メダルは取れなくとも、素質のある選手が出現したときには金メダルを取れるノウハウを、常に持っていることだと思います。金メダルを取れなくとも、トップクラスはそれなりのレベルを維持していること、と言い換えることも可能です。
 それに該当する例が、男子ショートスプリントではないでしょうか。日本は必ずしも、毎回金メダルを取っていませんが、伊東浩司選手などの人材を得た時期には、勝つことができています。4年前は伊東選手だけが際だっていた印象がありますが、4年後の今年、100 mでは朝原宣治選手と末續慎吾選手が、金メダル最有力といえる力をつけています。その点、男子ハンマー投は突出した1人の選手が頼りですから、明らかに該当しません。
 なんか、真面目な話しになってきいたので、この辺でやめておきます。
□8月13日(火)
 昨日、今日と自宅兼事務所に閉じこもったままなので、明日はファミレスにでも行きたいです。グラス・ビールの無料券もあることだし。
 1週間分、まとめて書きましたが、どう見てもいい加減です。川本先生の足元にも及びません。そこは、日本のトップ選手を何人も育てている指導者と、無位無官のライターとの違いでしょう。


■8月6日(火)
 インターハイ最終日。3000mSC2位の吉岡選手(カネボウ瀬戸智弘選手の後輩。こちらに記事)に続き、“後輩”ネタです。
 男子円盤投は棟方秀治選手が優勝しました。そのインタビュールームでのこと。某記者から「彼は福士選手の後輩ですよ、五所川原工高ですから。何か、そのあたりのネタを寺田的で紹介してくださいよ」という注文がありました。ということで、他の記者の方たちの質問が途切れたところで、福士選手と会ったことがあるか質問しました。3学年上になりますから、福士選手の在学期間と、棟方選手の在学期間は重なっていません。
「去年、練習に一度、来られたことがあります。普通に話をしましたし、普通の人のように感じました。競技のことでは、“先生を困らせないでね、私がめごこ1号で、あなたが2号なんだから”という話をしてくれたと思います」
 陸奥地方で“めごこ”とは、「かわいがっている子」という意味だそうです。五所川原工高の置かれている状況を、非常によく表しているコメントのように感じました。
 同高は青森県インターハイ予選で今年は男子が総合5位、女子が総合4位という高校。近年、躍進著しい青森県勢ですが、毎年、全国大会で活躍する選手がいるわけではありません。福士選手もインターハイ12位、日本ジュニア選手権7位というのが高3時の成績でした。推測ですが、中学時代に強かった選手をそんなに多く入学させることもできないのでしょう(間違っていたらすいません)。
 そういった環境でインターハイに優勝した棟方選手。「県内で就職するつもりで、陸上競技は実業団で続けられる環境があるのなら」と、話していました。事情はあるのでしょうが、数年後に“大化け”するかもしれません、福士先輩のように。もったいないな、と感じました。


■8月5日(月)
 本日締め切りの原稿が2本ありました。どちらもインターハイとは関係ないもので、昨日中に仕上げたかったのですが、いろいろ事情があってできず。どちらも、だいたいは(ってよくわからない表現だと思いますが、まあ、だいたいってことです。関西の名門は大体大。箱根駅伝の名門は大東大。昔、陸上部があったのは大京だ)書き上げてあったのですが、提出する段階までは仕上げられていなかったんです。
 そのうち1本仕上げてホテルから送信。もう1本は、いわきから佐和まで電車に乗っている1時間半の間で仕上げ、佐和駅の公衆電話でネットに接続して送信。そこでちょっと手間取りまして、シャトルバスを2本も目の前で見送る羽目に。それでも、10分くらいの間隔でシャトルバスがあるのですから、助かりました。
 会場到着が遅れましたが、公式の仕事は昨日で終了しているので、気持ち的には楽です。
 最初に、小サイトの記事にしようと思ったのは女子200 m。栗本佳世子選手の後半に注目しました。しかし、インタビュールームに行くと10分後の男子200 mが見られません(モニターがあるとよかったんですが)。どうしようか迷った末、男子200 mはあきらめました。しかし、その男子の方で好記録が出ました。一通り取材が終わった後に過去の記録を調べると、20秒台はインターハイ歴代2位。ということで、こちらを先に記事にしました。知り合いのカメラマンにコーナーの写真を見せてもらったりして、レース展開も把握しました。
 対照的に、よくなかったが男子走高跳。優勝記録の2m07を過去22年間で最低記録。コンディションが悪かったわけではない(微妙な風の吹き方が助走に影響したとかはあるかもしれませんが)ので、この結果はいただけないですね。しかし、23年前に2m07で優勝した山本寿徳選手は、その年でインターハイに3連勝、2m21の高校新もマークした選手です。口で言うほど簡単じゃないと思いますが、今年の選手にもその可能性はあるってことで……。男子走高跳の大会記録2m20は、1987年に吉田孝久選手、1989年に海鋒佳輝選手がマークしたもの(90年北京アジア大会代表の筑波大コンビ)。もしかして最古の大会記録かと思って全種目を調べたら、男子800 mと女子400 mがそれより古かったです。偶然にも両種目とも84年。もうちょっとで20年頑張ったことになります。
 最終種目の男子5000mが終わったのが18:45くらい。この種目は、昨日の予選が終わった段階で記事にすると決めています。選手のコメントを取らなくとも書ける種類の記事ですが、できれば一言ほしいところでした。ですが19:15のバスに乗らないと、佐和で乗る電車が1時間以上も後ろにずれてしまいます。綱渡り的にある選手の一言を聞いて、バスに駆け込みました。
 夜は、ある場所に行きたいと考えていましたが、長くなったので省略。明日、書くかもしれません。


■8月4日(日)その2
 充実した一日だったように思います。
 朝は9時からあるメダリスト(Bメダリストではない)を取材。まず写真を撮らせてもらいましたが、笑顔が絵になる選手。そしてインタビュー。いい話が聞けました。内容が濃いというか、面白いというか……具体的に書けないので陳腐な表現になってしまいますが、いい話ばかりなので予定時間を50分もオーバー。もっとも、これは取材する側の問題かもしれません。場合によっては相手に迷惑をかけることもありますから。反省材料です。
 インターハイ会場に移動するために最寄り駅までバスで出ようとしたら、日曜日のバスの運行はないとのことで、やむなくタクシーを使用。それほど時間もかからずに到着。途中、銀行でお金をおろすこともできました。会場に着くと、競技場の外で福島大の川本監督&二瓶コーチにお会いしました。最近、よく見かけるコンビです。驚くことに、お2人も宿が取れず、いわきの、しかも寺田と同じホテルに泊まっていたとか。
 肝心の競技の方ですが、今日行われた種目の中では男子走幅跳に一番、興味を持ちました。今朝の取材で今回の出張の目的は果たせましたし、インターハイ自体の取材はそんなにしないつもりでしたが、目の前に興味あるネタがあると、どうしても取材してしまいます。ということで記事にしました。
 その他では、女子400 mHで敗れた優勝候補筆頭で敗れてしまった安楽選手にも、ちょっと興味を覚えました。記事にできるほどではありませんが、他の記者の皆さんと一緒に少し話を聞きました。ときおり涙ぐむ姿を見ると、こちらもつらくなります。故障があったと聞いていますが、そのことを言い訳にしようとは決してしません。総合優勝候補の大本命・埼玉栄キャプテンという立場もあります。そういえば、前回のインターハイ取材が8年前の富山インターハイ。そのとき、栄のキャプテンだった森本明子選手も、よく泣いていたような記憶があります。
 その森本明子選手は現在、同校のコーチ的な役回り(もしかしたら肩書き的にもコーチ)。残念ながら会うことはできませんでしたが、今日を最後に、明日からはアジア選手権(スリランカ)に出発するそうです。そういえば、川本監督も明日からアジア選手権と話していましたし、ジャンパーO選手からもメールが来ていました。
 茨城からスリランカへ。もしも2012年のオリンピックがスリランカで開催されたら、茨城インターハイ経験選手が日本の代表の多くを占めているでしょう。土江寛裕、室伏広治、田端健児、小坂田淳、太田陽子、坂上香織、柿沼和恵……。現在の代表選手で10年前の宮崎インターハイ経験者はたくさんいます。


■8月4日(日)
 愛と青春のインターハイ by サンドラなっち

■8月3日(土)
 8年ぶりのインターハイ取材。朝7:57いわき発の電車に乗って、佐和に9:24着。9:30発のシャトルバスに乗って9:45には会場に着いていました。帰りのバス発着の時間と場所もわかりやすくて、すぐに理解できました。ゴールデンリーグとか威張っていても、ローマはこういったところがなっていませんでした。ついでに言うなら、海外のグランプリはどこも、一覧表が出ない……って、以前にも書きましたっけ。
 そしてそして、今大会の画期的なところは、JAAF STATISTICS INFORMATIONというタイトルで、試合結果に即応した各種データがすぐに提供されたことです。混成種目だったら、過去の新記録の時と内訳を比較した表を最後2種目を残した段階で、中長距離・競歩種目ならスプリットタイムを、優勝者は今季主要大会成績を、即座にメディアに配っていました。海外のグランプリを取材するとこの手のデータ提供が充実していて、日本でもやってもらえないかと、できる人材はいるのだからそこにお金をかけてもらいたいと、かねがね感じていました。しかし、それを高校生レベルの試合でやってしまうなんて、海外では絶対に真似できません。高校生の大会では世界の最先端をいっているかも。
 もちろん、運営全部じゃありません。南部記念で廃止されていた1次コールはきっちりありますし…。表彰の方法も旧態依然。フィールド種目の表彰など、終わったその場でできないんでしょうか。海外のグランプリを見習って。一度選手を集めて、表彰待機場所で待たせることに何の意味があるんでしょうか。上位選手への海外派遣試合などに関する連絡だったら、他にいくらでも方法はあると思います。表彰する偉い人が本部から出て、フィールドに行っても誰も文句は言わないと思うんですが。その方がフレンドリーでいいような気がします。本部で待っていると、呼びつけているような印象さえするんですけどね。
 大会スローガンは「競え友よ 熱き力を 茨城で」です。インターハイらしいものですが、そろそろこのパターンはやめたらどうでしょう。今の時代に合わないというか、誰の心に響くんだろうと思ってしまいます。今の時代、この手の“古くからある純日本的教育的”なものより、英語の方が若い選手には受けるんじゃないでしょうか。
 そのうち、英語のスローガンが「またか」と思われるようになったり、流行が“古くからある純日本的教育的”なものになることもあるでしょう。そうしたら、この手のを復活させようとなるんじゃないでしょうか。時代って、そんなものでしょう。いかに、その時代に合わせられるかがポイントです。
 陸上競技がどうしたら楽しくなるか、を考えていたら、こういったことって感じてしまうものです。偉そうに言うつもりはありません。大会運営に全身全霊、誠心誠意、頑張って携わってらっしゃる方は、すごいと思っています。お気に障られたら、謝ります。


■8月2日(金)
 いわきのホテルに着きました。が、危うく南部記念の二の舞になるところでした。
 上野発21:00のいわき行き最終のスーパーひたちを予定していました。駅すぱあと(乗り継ぎ検索ソフト)で時間を調べ、余裕で京王線に乗ったのまではよかったのですが、山手線と埼京線のダイヤが乱れているというアナウンス。新宿から外回りの山手線に乗って20:53上野着の予定でしたから、ちょっとの遅れも許されません(早めの電車に乗れよ、との声あり)。
 中央線で新宿→御茶ノ水→秋葉原→上野という経路に変更することも考えながら、山手線のホームに。すぐに電車が来たのでこれ幸いと乗り込みました。「これで予定通りだな」とひとりつぶやいた寺田でした……が、それが甘かった。「後続の電車との時間が空いているので1分停車します」というアナウンスが、各駅で入ります。つまり、通常なら24分で着く新宿・上野間で1駅毎に、1分ずつ遅れていく……上野のホテルに泊まることを覚悟しました。羽田空港のベンチよりはいいだろうと。
 上野駅に着いたのが20:57。思ったより遅れなかったのですが、思い切りダッシュしました。駅で弁当を買えなかったので、車内販売で買おうとしたら売り切れ。610円のカツサンド(これも南部の時と似てるな)。昼食も粗末だったので、いわきに着いてから思わず、ねぎみそラーメンを食べてしまいました。
 当初から予定していた取材の他に、明日(か明後日)、電話取材を1本することに。原稿は2本締め切りがあります。電話取材と締め切りの1本は、出かける間際に入ってきた仕事です。もう1本は東京で片づけたかったのですが…。
 8月はやっぱ、楽じゃありません。
 とにもかくにも、明日からインターハイ(に、集中できるのか)。


■8月1日(木)
 すべてが期待外れに終わった1日だった気がします。
 まずは韓国の携帯電話(アジア大会期間中に使用)。auの第三世代携帯が韓国でもそのまま使えるし、国内では144kか64kの速度でネット接続ができるというので期待しました。が、auのサイトを見ると海外ではデータ通信ができない、とあります。144kや64kでの接続ができないけど、従来の9.6kの接続はできるという意味だろうと思い、新宿のauショップで確認したところ「海外ローミングではデータ通信はいっさいできません」とのこと。
 auショップに行く前に、レンタルの携帯も調べました。ネットに、詳しく日本語で書かれているサイトが2つほどありましたが、片方はデータ通信については触れていなくて、片方はできないと明記されています。どうやら、あきらめるしかなさそう。現地に行って、現地で使われている携帯を買う手はありますけど、事前に“絶対に大丈夫”という状況にはできそうにありません。ということは、ホテルを一番安いカテゴリーで申請するのは危険ってことか…。
 次は、明日からのインターハイ出張用のJR切符。ホテルがいわき(福島県)になってしまったので、8月3・4・5日と3日間いわき←→佐和または勝田を往復しないといけません。この部分は自費負担(ホテル代3泊分も)。少しでも安くしようと、JRの周遊切符を買おうとしました。水戸からいわき、郡山周辺の周遊券があるのです。これだと、プラス3000円台で指定地域内が乗り放題。いわき←→佐和を3往復分の乗車賃より安く上がります。
 が、なんと、この周遊券は、そのゾーンまでが200km以上ないと購入できなません。つまり、東京からではダメ、ということ。小田原あたりから乗ることにしないとダメなのです。
 貧乏ライターに厳しい8月になりそう。エアコン、止めよう。



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