2002/8/26
箱根駅伝出場校枠が「15」から「20」へ
関東学連発表のプレスリリース全文を掲載

 10年ほど前から懸案となっている箱根駅伝出場校枠の増大が、去る8月23日、警視庁、神奈川県警より正式に認められ、明年1月2日、3日開催の第79回大会から5校増えて20校の出場となります。
 本連盟では、7月9日付けで警視庁、神奈川県警に出場校枠増大の嘆願書を提出いたししました。その最大の理由は「今日の箱根駅伝の隆盛が、本連盟の目指す我が国学生陸上界全般(トラック&フィールド)の強化・発展に対してマイナスに作用する傾向が出始めていること、その対策として、同駅伝の出場校枠を増大し、その増大分の配分によって本来あるべき姿に近づける方法を考える必要性が出てきたこと」であります。
 具体的に申しますと、箱根駅伝の社会的関心の高まりにつれて、本戦出場権をかけた予選会の闘いは年々熾烈の度を増しています。その結果として、駅伝強化だけに関心を持ち、駅伝強化のみに専念する大学が増加傾向にある一方、トラック&フィールド全般の強化を目指す大学の箱根駅伝出場はいよいよ狭き門となり、やむなくトラック&フィールド全般の強化から駅伝一本に強化を絞り込む傾向が現れ始めています。
 こうした傾向は、箱根駅伝創設の主旨に反するものであり、本連盟が目指す「学生陸上界」全般の強化・発展にも逆行するものであって、本来あるべき方向に近づけるべく軌道修正することが肝要と考え、このたびの出場校枠増大分の5校の選定については、本連盟主催の関東学生陸上競技対校選手権大会(関東インカレ)との何らかの連係を持たせることを検討しているところであります。
 決定までに何度も会議を重ね、大多数の納得の得られる形でまとめたいと考えています。
 ちなみに、関東インカレは箱根駅伝創設の前年、大正8年に創設された本連盟最重要イベントで、戦前では、織田幹雄、南部忠平、西田修平、大江季雄、村社講平等々世界的名選手を多数輩出し、戦後においても、小掛照二、川島義明、菅原武男、飯島秀雄、森本葵、澤木啓祐、瀬古利彦、谷口浩美、高野進、為末大等々、世界に名を馳せた名選手を次々に生み出してきました。今日においても、日本学生陸上競技対校選手権(日本インカレ)と共に、我が国学生陸上界を支える最も権威ある大会として高く評価されています。
 皆様方の特段のご理解、ご指導をお願い申し上げます。


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