2002/8/26
東京国際女子マラソン出場に関する高橋尚子&小出監督コメント
「私は今年、自分を“チャレンジャー”として位置付けしました」(高橋)
「無謀な挑戦と言う人もいるかもしれないが、ベルリン、東京共に最良の結果が出せると踏んでの決断」(小出監督)

 以下は8月26日にIMG東京(高橋のマネジメントを行う会社)が発表したプレスリリース全文。「現在、主催者である朝日新聞社を含む関係各社と最終調整を行っておりますが、小出監督・高橋尚子の意向として11月17日の同レース出場への意志を固めております。正式決定前ではございますが、以下、小出義雄監督、高橋尚子のコメントをご査収下さい。」との説明文のあとに、以下のコメントが記載されている。

小出義雄監督コメント
ボルダーで練習を開始して2ケ月半が経過し、高橋は予想していた以上の素晴らしい仕上がりを見せている。練習メニューも順調にこなし、体が本当に絞れてきた。昨年より1ケ月短い練習の中で、ベルリンマラソンでどういったレース展開が望め、どのくらいのタイムで走りきれるのか、が楽しみになってきた。
東京国際女子マラソンは、思った以上に良い状態になったので、高橋と色々と話し合いをした上で出場を薦めた。ベルリンマラソンから東京国際までは約1ケ月半の間しかなく、無謀な挑戦と言う人もいるかもしれないが、これまで長年陸上の指導をしてきた経験から、ベルリン、東京共に最良の結果が出せると踏んでの決断。高橋も今年30歳。短期間のうちに2つのレースを走る最後のチャンスだろうし、彼女はいつでも最高の結果を求められるので大変だと思うが、このチャレンジは必ず将来の大きな糧になる。
東京国際は高橋にとっては初めてのコースなので、この先コース・レース戦略などを色々考えなければならないし、ベルリンで最高の走りを見せるのが先決なので、最近ずっと夜も眠れないぐらい頭を悩ませているよ。高橋はいつでも全力で頑張るので、俺も全力で頑張らないと。2レースとも皆さんのご期待を裏切るようなレースだけはしない自信があるので、キューちゃんへのご声援をよろしくお願いしますね。

高橋尚子コメント
現在、ボルダーで順調に練習を消化しています。
このまま行けば、思ったよりも良い状態で9月29日のベルリンマラソンを迎えられそうなので、監督と相談した結果11月17日の東京国際女子マラソンに出場することを決めました。日本の陸上界の常識からすると、フルマラソンに出場してから約50日後にもう1レースを走る、ということは尋常ではないと思います。ただ私は今年、自分を「チャレンジャー」として位置付けしましたので、この2つのレースをどちらも全力で走ることと、2つのレースに向けての厳しい練習を消化することによって、自分の体にどんな影響が出るのか、体力的にどの程度つらいのか等々、自分自身を試す良い機会にしたいと考えました。
日本国内のマラソンは2000年3月の名古屋国際以来なので、日本の皆さんの目の前で走れるのをとても楽しみにしています。まずは、「ベルリンマラソン」でベストを尽くし、日本に帰って東京国際女子マラソンに挑みたいと思います。応援を宜しくお願いいたします。

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