寺田的陸上日記      
毎日の陸上競技関連ニュースを紹介しつつ…        
昔の日記はこちらから
2001年10月。君に解けるか!? 「オクトーバーの謎」

●10月31日(水)
 午前中に電話取材を1本こなし、午後の遅めに出かけて岸記念体育館の記者クラブへ。東京国際女子マラソンの記者発表資料を入手し、打ち合わせを1つ、その後お金を払いにある会社へ。19時から20時の間に、もう1本電話取材をする予定でした。
 ちょっと遅くなったので、事務所(兼自宅)に戻っていたら約束の時間に間に合いません。新宿駅に近い某ホテルのロビーから電話をしました。が、どうやらまだ取り込み中だったようで、「21時過ぎに」ということに。
 ということで、ちょっと新宿で時間ができたので、「未来少年コナン」のDVDの後半発売分(5〜7巻)をヨドバシカメラで購入。いつ、見ることができるんだろう。
 自宅にもどってメールをチェックすると、あるリンク依頼が。早速そのサイトJump Dictionary(N.i.F.S iN KANOYA)を見てみたら……すごかったです。寺田もAB型ですから、多少は人と変わったことをするのが好きです。でも、このページを見たら、自分が個性的だなんて、まったく思えません…と、結論づけるのも早計かな。何をもって個性というかは、見る人によって違いますしね。もしかしてもしかすると、100人に1人くらいは、寺田のサイトを見て「こんな個性的なWEBサイトはない」と言ってくれるかもしれません。100人に1人は無理でも、1000人に1人くらいは…。
 それにしても、ここまでミーハー的な視点に徹するのは、逆に清々しい感じがします。内輪のネタも、明るく公開して嫌みがありません。「いいねえ、面白い」という感想です。こういったファンの方がいるというのは、陸上界もメジャーだという証ではないでしょうか。いろんな人たちが、それぞれの考え方で陸上競技と接する。いろんな考えの人が集まってくる。その方が業界として発展するような気がします。


●10月30日(火)
 なんだかんだ忙しくて、今日もメルマガの原稿を書いたりしていて、なかなか「未来少年コナン」のDVDが見られません。でも、やっと1巻(1〜2話)を見ることができました。十数年前に見たときは気づきませんでしたが、絵はかなり粗いですね、今のアニメと比べると。あと1つ気づいたことがあります。
 かつて見たときは、主要キャストの1人であるラナという女の子が、異様に暗いキャラで好きになれませんでしたが、十数年の時を経て見てみると、彼女の劇中での役割がよくわかります。
 キャスティングボードを握るラオ博士という人物の孫で、彼女の動向が敵味方ともに重要になってくるので、ストーリーを展開させる役目を担っているのです。で、ストーリー自体、最終戦争後に生き残った人たちを描いているので、社会背景そのものに暗い部分があるのです。そういった社会を象徴する人物でないと、ストーリーを展開させ得ない。自然と社会の暗さが、ラナという女の子に反映されてしまったわけです。
 まあ、コナン、ジムシー、ダイスといった面々だけでは、単なる脳天気トリオになってしまいかねませんし……って、こんな話、誰がわかるんでしょうか。
 陸上競技の現場でも、指導スタッフが複数いるチームは、自然と役回りができているようです。あるスタッフが選手を怒ったら、別のスタッフが慰めるとかして、フォローをするという話はよく聞きます。しかし、このスタッフ間で、ちゃんと意見というか方針の統一がなされていないと、こっちのスタッフに付く選手と、別のスタッフに付く選手とに別れてしまい、チームが分裂しかねないそうなのです。人から聞いた話なのですが。
 話が面白いアニメは、そのへんの役割分担と意思統一が、上手くできている……かもしれません。今度、注意して見てみてください。


●10月29日(月)
 WEBサイトにテレビ放映予定」を新設しました。新設した動機はいたって簡単です。自分が陸上関連の番組を見逃すことが多々あり、その都度、残念な思いをしているから。
 ビッグゲーム(マラソンや駅伝、トラック&フィールドでは日本選手権やスーパー陸上など)は、試合当日に放映があるので見落とすことはないのですが、数日経ってからの録画放映や特集番組、ニュース番組中の特集などは、ついつい見落としてしまいます。
 昨日は夕方の1週間前の箱根駅伝予選会を録画し、TBSの「ZONE」で為末大選手の特集を見て、22時30分からのフジテレビのニュース番組中に高橋尚子選手とヌデレバ選手の特集があるというので、ずっと見ていました(結局24時頃)。これで完璧と思っていたら、さらに深夜、テレビ朝日のスポーツ番組中で徳本一善選手の特集があったというのです。これには気づかず、見逃してしまいました。
 完璧、と思っていただけに、ショックは大きかったです。ましてや、将来性が買われている徳本選手ですから、なおさらでした。ということで、テレビ番組コーナーを設けて、皆さんからも情報を提供していただき、寺田の陸上番組見落としがなくなるように、よろしくお願いしたいと思います。テレビ局が協力してくれないかな。


●10月28日(日)
 ジュニアオリンピック&日本選手権リレーに顔を出しました。あいにくの雨で、時期が時期ですから、気温もかなり低かったです。本WEBサイト以外に記事を書く予定はなかったので、それほど拘束されることがなく、ラップを計測し、興味のある選手は話を聞きに行きました。
 プレゼンター(表彰者)を、エドモントン世界選手権代表選手が交替で務めていました。そのうちのある短距離選手と、「今年の陸上界MVPは誰だと思う」と、話をしていたら、面白いことに気づきました。「なるほどな」と思ったのですが、これまではまったく気づきませんでした。この日記で常に指摘していることですが、人間の思考は置かれている立場によって当然のことながら変わってきます。だから、いろいろな意見・考え方が存在するわけです。うん、面白い。近いうちに企画にしよう。


●10月27日(土)
 本当は昨日中に書き終える予定だった原稿が、今日までずれ込んでしまいました。確かに、300行という分量の多さもその理由ですが、昨日の“メモリー起こし”に時間が思いの外かかってしまったからです。
 30分の録音内容でしたから、長くかかっても2時間かなと予想していましたが、これがなんと4時間。作業をしている途中で「1時間経ったのにまだ、最初の方じゃないか」と思って、ちょっと滅入りましたが、話自体は面白かったので、なんとか乗り切れました。それにしても、午後の3時に某ファミレスで食事をして、3時半から作業を始めて7時半まで。ほとんど休憩なしでやりました。
 ここまで時間を要した理由は明白です。取材した選手がものすごい早口で、たくさん話してくれたからです。インタビューを録音することは、あまりありません。選手によっては嫌がりますし、こちらも“テープ起こし”“MD起こし”“メモリー起こし”をするよりも、メモを見た方がその後の作業が速く進みますから、極力メモを取ることにしています。もちろん、これまでも“○○起こし”は何度となくやったことがありますが、実際の時間の8倍かかったのは初めてです。この早口とテンションは、世界最高レベルかもしれません。同席したISHIRO記者も、自身のWEBサイトISHIRO!にそう書いています。
 これまで陸上界で早口と言えば、○田さん(長距離の指導者)が有名でしたが、そこに○橋選手が加わりました。


●10月26日(金)
 先日取材したインタビューの、テープ起こしをしました。取材を録音したものを聞き直して、文字にする作業のことです。実際にはテープレコーダーではなく、最近普及してきたスティック型のメモリー・レコーダー(呼称はメーカーによってバラバラ)に録音したので“メモリー起こし”なのですが、“テープ起こし”という言葉が一般的に定着しています。
 これと同じ現象が、ちょっと前に本日記でも書いた“筆が進む”という表現です。文字を書く手段は筆からペン、ペンからキーボードと進化しているわけですが、表現としては“筆が進む”という言葉が残り続けています。
 つまり、道具を表現に組み込んだ場合に起きるのです。その時点ではまさか、筆やテープににとって代わるものが表れるとは想像できなかったのでしょう。できれば、道具を言葉の表現に組み込まない方が無難と言えば無難です。
 陸上界では、現役を引退することを“スパイクを脱いだ”と、ときどき表現します。現代に生きる我々の感覚としては、陸上競技からスパイクがなくなるとは考えられません。でも、50年後はもしかしたらスパイクに代わって、粘着性の材質を靴底に使用したシューズが全盛になっているかもしれません。100年後の選手は、靴底に金具をつけていたことなど、想像もできないかもしれないのです。
 でも、引退するという行為は永遠に繰り返されるわけで、もしかしたら“スパイクを脱ぐ”という言葉は、“筆が進む”と同様、残り続けるのかもしれません。


●10月25日(木)
 今日は全日本大学駅伝の関係資料が記者クラブに配られるということなので、久しぶりに都心方面に出かけました。夕方、体協内の記者クラブに。そのあと、新宿で打ち合わせ。打ち合わせ終了が20時頃で、その足でヨドバシカメラに。注文していた未来少年コナンのDVDが入荷しているという連絡があったのです。
 しかし、ヨドバシカメラのゲーム&ビデオソフト館の2階フロアに行くと、会計カウンターに長蛇の列ができています。人数を数えたら33人。これはさっさと帰れ、ということかと思って、いったん周囲の店でウインドーショッピングをし、20時30分頃戻ってきたら行列の人数が20人弱に減っていたので、並んで購入しました。
 今回購入できたのは1巻から4巻まで。カウンターの奥には5巻から7巻までもずらりと置いてあるので店員さんに「後半もください」と言ったら、「これはダメなんです。27日にまた入荷しますから」とのこと。各巻10本ずつ以上あるのにダメなんて…。
 それにしても、この不景気のご時世にこれだけの行列ができるとは、すごい業界です。消費者のニーズがあって、大規模な製造・流通システムが構築できれば、儲かるものだなあと変に感心してしまいました。それに比べて自分のやっている事業は、小規模で儲からないなあと。それは覚悟で始めたことなのですが…。このWEBサイトとメルマガ・バージョンも広告主を探しているのですが、なかなか見つかりません。


●10月24日(水)
 高知のトップアスリート選手たちが運営するkat-netと、福田真吾選手が所属するワール・ドワイド・アスリーツをリンク集に加えさせていただきました。
 ワール・ドワイド・アスリーツのようなスポーツ関連の会社が増えてくるということは、スポーツが盛んになっている、そこに価値が生じるということです。頑張ってもらいたいです。
 kat(高知アスリート・チーム)はトップが三段跳の小松隆志選手で、企画・WEB運営が棒高跳の鈴木秀司選手だそうです。2人とも、昔から競技会で会えばなんだかんだと話をさせてもらっている選手です。小松選手とは、3〜4年くらい前に「16m50以上の記録で大きな大会に優勝したら○○してあげる」などと、密約もしました。
 詳しくはWEBサイトを見ていただいた方が早いのですが、トップアスリートが読者の相談に答える「オンライン陸上教室」というコーナーがあります。そこで寺田が、乏しいながらもWEBサイト運営の先輩としてアドバイスをしました。「高知だけにコーチが上手い、なんてキャッチはつけない方がいいよ」と。つけるつけないは、katの自由なわけですし、意外と受けるかもしれません。さて、Katの選択は……?


●10月23日(火)
 明日発行のメルマガ・バージョンの【次回イベント情報】で日本選手権リレーについて触れています。そこで、1978年に水戸工高が男子4×100 mRで優勝していること、都筑政則選手というスーパー高校生がいたことについて言及しました。都筑選手は100 m&200 mでインターハイ2連勝。確か、100 mは2年とも高校新だったと思います。
 記憶に間違いがなければ10秒68と10秒57だったように思うのですが、ちゃんと正確に調べようと思って記録集計号の高校歴代欄を見たら、載っていないんですね。電気計時は10秒50まで。不破弘樹選手が1984年に出した10秒34は今でも高校歴代7位に残っていますが、これも当時は日本新だったんです。90年代に入って以降の記録が歴代上位記録のほとんどを占めています。
 これを他の種目ではどうなのでしょう。1979年末時点の高校記録、あるいは日本記録が現在歴代で何位になるのかを調べたら面白いかもしれません。いや、もしも90年以降に普及したファストトラックの記録に対する影響を調べるのなら、歴代50位の記録のうち90年以降の記録が占める割合を調べた方がいいかもしれません
 ただ、こういうのって、技術や練習方法の進歩という部分が、定数化っていうんですか、正確に考慮できないんですよね。


●10月22日(月)
 NHK朝の連ドラ「ほんまもん」を、久しぶりに見ました。先週、国体もあったし、金土曜と見るのを忘れていたのです(確か国体期間中に1回だけ見たような記憶があるのですが)。主人公の女の子が、いつの間にかホテルの厨房に就職していて、ビックリしました。短大は卒業したのでしょうか、それとも中退したのでしょうか? お父さんの店も、なんとか出店にこぎつけていました。
 10月16日の日記で「ほんまもん」のことを取り上げました。そのことを福島大・川本先生に話したら「そんなドラマ、陸上関係者はみんな見てないよ。朝の8時15分でしょ。みんな出勤してるし、授業をやってる人だっているよ。見てるのは一部の人だけ」との、鋭いご指摘を受けました。
 いいーんです、この日記は一部の人だけにわかれば……と開き直るしかない。「ブルガリ」(9月23日・29日の日記参照)と「ほんまもん」では、陸上界でどちらが認識されているでしょうか?


●10月21日(日)
 昨日の箱根駅伝予選会で気づいたことの1つに、ギャラリー数の多さ(写真はスタート地点から昭和記念公園に移動する観客)があります。日本選手権3日間の観客数より多いかどうかはわかりませんが、日本選手権1日と比べたら明らかに多いでしょう。観客がレースを見られるのは、スタートとあと3カ所だけだというのにです。確かに生の選手が手近に見られますし、テレビではわからないスピード感もあります。何より、選手と同じ場所にいる一体感を味わえるからでしょうか。
 ですが、日本選手権の観客数と比較するのはよくないですね。日本選手権は観客が入場料を支払うシステムですし、テレビが全国放映する大会ですから……と思ったのですが、昭和記念公園は入場料(800円)が必要ですね。うーん、難しい問題です。ただ1つ言えることは、世間の知名度は箱根駅伝で目立った選手の方が上だということです。
 一般メディアの仕事をしていると、「○○選手と◇◇選手だったら、○○選手を取り上げましょう。箱根駅伝を走っていて読者も知っていると思いますから」という会話に出くわすことがあります。◇◇選手が日本インカレで優勝していようが、日本選手権の1万mで3位に入っていようが関係ありません。極端な話、前回のオリンピック代表(入賞していれば別)でも、「箱根で目立った選手」の方が扱いは上になります。これが現実です。
 来年の日本選手権のキャッチコピーを「箱根よりもハイレベル!!」とか「箱根選手が新たなステージに挑戦!」とするのはどうでしょうか。「比較するのはよくない」とか、「日本選手権は長距離種目だけじゃない」とか、「他団体の大会を引き合いに出すのはよくない」などと言う前に、「せっかく箱根駅伝が人気があるのだから、それを利用して陸上界全体を活性化させよう」という考えも、悪くないと思います。悪くないと思っても、「ちょっと……」と二の足を踏む人がほとんどだと思います。寺田も7年前だったら、二の足を踏む派だったでしょう。
 言うはやすし行うは難し、でしょうか。


●10月20日(土)
 今日は箱根駅伝予選会の取材に行きました。昨年のレースが暑くて記録がやや低調だったことの反省からか、朝の8時30分のスタート。スタート場所が去年は公園内だったのですが、今年は東側公園外、立川警察署前だったので、モノレールの立川北駅から歩いていくことができました。
 駅を降りたところで、ファミレスの「ジョナサンズ」を発見。取材後、ファミレスで原稿を書く予定だったからです。ということで、取材終了後の午後12時。ファミレスを愛するイチロー記者とともに、ジョナサンズに。だが、そこで2人を待っていたのは、寺田の人生を覆しかねないショッキングなものでした。
「長時間の勉強とパソコンの使用を禁止します」
 100%正確な表現ではありませんが、こんな文面だったと思います。つまり、最近その手の客が増えて、ファミレス側が困っているということでしょう。しかし、今後、もしも他のファミレスも“右にならえ”をしたら、ファミレスで仕事効率が上がる寺田にとって死活問題。
「お前もその原因を作っている」という意見が出そうなので、先に反論しておきます。寺田は混雑時に行くことを避けていますし、店内が混んできたな、と感じたら店から出るようにしています。そのくらいのモラルは持ち合わせています。嘘だと思うのなら、CASA永山店の店員さんに聞いてください。国体取材期間中にサイゼリヤ仙台中央通り大町店に行ったのは夜の10時過ぎですし、別大マラソン前日に行ったファミレス(…店の名前なんだったかな)では、昼食時になったら退出しました。
 どうやら、「ファミレスで仕事(勉強)効率が上がる」と考える人間は多いが、その人たちのモラルは低かった、ということが実証されてしまったようです。しかし、ファミレス側のこの措置は、テロリストを駆除するために罪のない民間人も巻き添えにするどこかの国のやり方と、似ている気がします。せめて「混雑時の長時間の勉強とパソコンの使用を禁止します」と、条件をつけてもらいたいです。禁止時間帯を指定するとか。


●10月19日(金)
 えー、競歩界の福山雅治ことH選手から、ファミレス論メールが届きました。ちょっと長いのですが、長居は日本記録もたくさん誕生していることですし、全文掲載したいと思います。
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国体取材お疲れ様です.仙台のファミレスはいかがでしょうか?

さて,公共の場に出た自分の意見を読み返してみると,いくつか「なんと偏狭な意見なんだ」と思わざるを得ない点がありました.この点大変恥じ入っています.たとえ自分の名前が明らかになっていなくても公共の場に出てしまった自分の意見には責任をもつべきですが,今回はその点を踏まえて私の意見を陳述させていただきたいと思います.

 まず,10/10付けメール(10月12日の日記参照)の「こういった方々が店内においでの場合があるので,いくつかの用途を果たすためにはファミレスは向かないと考えられる.」という私の意見ですが,これでは「こういった方々」のファミレス店内での存在そのものを否定しているような言い方になってしまいます.あくまでファミレスは公共の場ですのでほかのお客様の存在を否定していいわけがありません.従業員でなくとも,すべてのお客さまを快く受け入れ,共存するという心の広さが利用する者にも必要です.その点では,私はファミレスを他人がどのような用途に利用しようとも否定はしません.
 ところがです,夜の接客業の方々が仕事の反省会をするとなると「あそこの社長がまたきてねー,しつっこいのよー.」だとかいった愚痴も飛び出すわけで,はたしてとなりのテーブルからそういった台詞が聞こえる状況は,頻繁に発生するわけではないいせよ「ある用途」にとって適切かというと疑問です.あるいは,一介の大学院生にしてみれば,その風貌から威圧感を感じる利用者の方がとなりのテーブルにいる状況が,頻繁に発生するわけではないいにせよ「ある用途」にとって適切かというと疑問です.同じように,子供が通路を走りまわるという状況も「ある用途」にとって適切かというと疑問です.
 となると,場所を変えればいいだけである,愛があれば場所を変えることなど問題ない,という寺田さんの主張に行き着くわけですが,「場所を変える」ということは「今いた場所を否定する」ということになりませんか?すなわち,場所を変えざるを得ない状況が高い確率で発生する場よりも,ほとんど発生しそうにない場の方が「ある用途」にとって適切であるという結論に行き着くのではないでしょうか.どんな状況も気にならないという方であれば別でしょうが.
 とここまで考えて,10/13付けメールの「他人の逢瀬に挟まれていた」云々の私の意見を思い出しました.これでは自分が苦痛かどうかだけで他者の行動まで制限しようということになってしまうので,これまた偏狭な意見といわれても反論のしようがありません.もう少し論を進めれば私自身が自己矛盾を起こしてしまいます.まぁ,所詮は陸上関係者のファミレス論だと開き直ってしまえばそれまでなんですが,つくば学園都市内のファミレスでは店内で逢瀬を楽しむ若者は少数派とはいえないので,偏狭な意見といわれても反論のしようがありません.というわけで,私のこの「他人の逢瀬に両サイドをがっちりとブロックされてしまう状況は確かに苦痛だ.(一部表現を変えています)」という意見を修正する気は毛頭ございませんが,それ以降の「つくばは狭い町なんだし,なにも内側の見通しも店外からの見通しもいいファミレスで「それなりの用途」を果たさなくたってと思うのですが.」という意見は,恥をしのんで撤回させてください.ということで,「特定状況下ではファミレスの用途は制限されてしまうであろう」本メールの前半部分と「両サイド攻撃は苦痛なんですよ,僕には」という2点に私の意見を絞らせてください.ただし,この2点には何の関係もありません.自分が苦痛だからといって,他人の行動まで規制しちゃいけません.そのときは自分が場所を変えればいいんです.というわけで後日,ここに述べている2点について私の新たな見解を陳述いたします.

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 仙台のファミレスですが、繁華街の店だったので、深夜はカップルが多かったです。路上生活者一歩手前の人も来ましたが、快適に原稿を書いていました。
 H選手の「場所を変える」ということは「今いた場所を否定する」ということになりませんか?すなわち,場所を変えざるを得ない状況が高い確率で発生する場よりも,ほとんど発生しそうにない場の方が「ある用途」にとって適切であるという結論に行き着くのではないでしょうか.という意見についてです。場所を変えざるをえない状況が、どの程度の率で発生するかが問題でしょう。寺田は「10%未満なら利用してもいい」という説を3年前から持っています。もしも、つくば市のファミレスが10%以上の確率でそういう状況になるのであれば、「そういう用途」には使いにくいというのは認めざるを得ません。
 「両サイド攻撃は苦痛なんですよ,僕には」という点は、他人と駆け引きをする競歩選手の特徴がマイナスに表れた、ともいえます。レース後に「自分のレーンだけを見て走りました」という短距離選手や、「他人の試技はいっさい見ません」というフィールド選手が、つくばにもたくさんいると思います。そういった選手から“自分の世界に没頭する”コツを教わってみてください(と言いつつも、近くの席の7人組男子学生がうるさい、と思ってしまう寺田です)。


●10月18日(木)
 国体取材5日目。
 最終日は決勝のみ4種目と少なく、午前中には終了します。最後にサブトラで情報を収集していたら、天皇杯2位の静岡県選手団の集合写真を撮る機会に恵まれました。優勝した埼玉県選手団の写真は専門誌に載る可能性が高いので、ここでは静岡県の写真を掲載したいと思います。
 二瓶秀子選手にもばったり出くわし、昨日の日記に書いた“引退の理由”に、昨年の日本インカレと国体のリレー優勝が挙げられるのか、質問しました。完全に肯定してくれたわけではありませんが、「やれることはやった思いがある」とは、話してくれました。それほど外した推測ではなかったようです。
 リザルツなど資料を整え、13時前には国体会場をあとにしました。国体はやっぱりいいですね。いろんな年齢層の選手が、それぞれの年代別の選手権を行います。しかし、どこか実際の年代別の選手権よりもピリピリしていない面もあり、だけど、県別対抗ということで気合いが入ったり。そのへんの良さは成年女子800 mの記事中でも触れています。
 全体的に睡眠不足(火曜日の夜中に、5時間ファミレスで記事を書き続けたこともいい思い出です)できつい部分もありましたが、やっぱり国体はいつ来てもいい、そう実感しました。
 利府を13時何分、仙台を13時54分発のやまびこで帰京。三重県選手団と一緒の車両でした。昨日、地元新聞の人に教えてもらったチケットショップで新幹線回数券を入手し、指定席もとってありました。そこまで念を入れたのは、17時に川崎で取材があったからです。新幹線の中ではひたすら予習、といっても1時間だけですが。隣の席の三重県選手は眠っていました。イニシャルも、伏せておきます。別に出しても問題ないと思いますが、女子選手でしたし…。
 国体から帰ってその足で取材に行くというのは、初体験です。88年の京都国体の最終日に、青戸慎司選手のインタビューをしたことを思い出しました。


●10月17日(水)
 国体取材4日目。
 最終種目の男子4×100 mR準決勝終了後、サブトラックへ。特に何時と決めていたわけではないのですが、ある先生に一度、テントに挨拶に行く約束をしていたのです。ところが、そのチームの姿はすでになく、代わりにトラックを歩きながら話し合う、二瓶秀子選手と川本和久監督の姿師弟最後の国体記念写真=こっちなら掲載OKですよね?)を見かけました。福島県の女子4×100 mRは今日の準決勝を通過できず、今季限りの引退を表明している二瓶選手にとって国体最後の走りとなったのです。
 国体女子4×100 mRの福島県の歴史は、二瓶選手の歴史でもあります。同県が初めて入賞した89年の北海道国体以来、入賞した年には必ず二瓶選手が走ってきましたし、彼女が故障している年には、福島県は入賞できませんでした。昨年の富山国体で初優勝を果たした際の「川本先生に優勝をプレゼントしたかった」とのコメントは、多くの陸上ファンの印象に残っていることでしょう。
 今季で引退することは、シーズン当初から決めていたと二瓶選手は言います。たまたまそのシーズンに、日本新が出せただけだと。体力的にきついとも言っていました。そのくらいハードな練習をしているなだと、推測しました。
 しかし、今日の2人の姿を見て、もう1つ理由があったかもしれないと感じました。昨年は国体だけでなく日本インカレでも、二瓶選手がアンカーを務めた福島大は学生新で初優勝しています。2つの全国大会での優勝で、13年間(昨年時点では12年間)に渡ってお世話になった川本先生への恩返しが、彼女なりにできたのではないかと感じたのではないでしょうか。そう感じるくらい、この2人の絆は強いものを感じます。

2人の感動的な師弟物語を、スポーツ・ヤァ!の記事で紹介しています(ごく一部でしょうが)。以下、抜粋します。
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 二瓶の今日は、福島大の川本和久監督の存在を抜きに語ることはできない。
 高校では全国大会に縁がなかった二瓶を、大学4年時には日本インカレで入賞するレベルに育て上げた。しかし、二瓶は卒業をしたら陸上競技をやめるつもりで、郡山で小学校の教員になった。ところが、2年後に迫った地元・福島国体の強化選手に指定されてしまう。だからといって、特別待遇はない。練習時間は教員の仕事を終えた午後5時から。22歳の新人教員にとって、競技との両立は並大抵のことではなかった。国体という県を挙げての大イベントの前に“やらされる陸上”を強いられたのだ。
「競技をやめます」
 教員1年目のシーズンが終わると、二瓶は川本監督に自分の意思を告げた。だが、私服ではなくジャージ姿で現れた二瓶を見た川本監督は「ここでやめたら挫折感だけが残る」と感じ、1日がかりで説得した。
「ある日、彼女には内緒で、雪の降る郡山まで練習を見に行きました。そこには、たった一人で雪かきをして、真っ暗な中、外灯ひとつを頼りに黙々と練習する雉子波(二瓶選手の旧姓)がいました。涙が溢れて止まりませんでした。雉子波を絶対に速くしようと、今度は私が決心しました」
 月に1度だけしか見られなかった練習を、週に1回は見るようにした。練習の1本1本のポイントをファックスで送るなど、細かな指示を送った。その結果が、福島国体を前にした95年7月に、200mで23秒82の日本タイ(当時)となって現れる。
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 ここで紹介しているようなエピソードなどから、二瓶選手の気持ちを推し量った次第です。直接取材をして確認したわけではないので、記事にはしないであくまで、寺田の私的感想としてここに記すにとどめます。


●10月16日(火)
 国体取材3日目。
 日本新は出るし、中学新(最高)は出るし、ライバル対決で盛り上がるし、田子康宏選手はすごいレースをするし、岡本久美子先生は生徒の声援を受けるし、ホントすごい一日でした。もちろん、取材も超ハードでした。ホテル出発前、朝の9時過ぎから2人の指導者に電話取材もしているのです。多忙な一日を予感したのか、朝は、今月から始まったNHK朝の連ドラ「ほんまもん」を見てリラックスしました。ここ2日間ほど見ていなかったのです。和歌山県熊野で先祖代々林業を営む家族の物語で、ここ数回は主人公の女の子が、大阪の短大に入学したことを軸にストーリーが展開しています。

 今日は忙しい取材のなかにも、ほのぼのとした会話がインタビュー室でかわされました。
寺田「E本くんって、和歌山だけど熊野の出身なの?」
E本「そうですよ。それが何か?」
寺田「NHKの朝の連ドラで舞台になってる熊野?」
E本「そうですよ。あの○○新宮(神社だっけ?)とか、よく行きましたよ」
寺田「道浦選手は?(ちょうど成年女子800 mの予選が行われていた)」
E本「道浦選手は北海道でしょ」
寺田「いや、旦那の方」
E本「旦那は和歌山市です。和歌山、まだ0点なんですよ。静岡(寺田の出身県)はいいんじゃないですか」
寺田「天皇杯、トップらしいよ。皇后杯は2位。和歌山、ホントに0点なの?」
E本「そうなんですよ。和歌山に“ほんまもん”はいないんかい!!」

 とまあ、こんな感じです。E本君とは、4月の日体大・中大対抗の日の日記にも登場した、シドニー世界ジュニアに一緒に行った、某誌編集者です。国際的な取材をする記者でも、インターハイや国体では特に、自分の出身地の選手が活躍すると、やはりうれしく感じます。国体らしい会話だと思いません?
 和歌山は88年ソウル五輪では短距離の青戸慎司、やり投の吉田雅美&溝口和洋と3人の代表を送り込んだ陸上強豪県です(E本君も元やり投選手)。静岡はかつての陸上王国なのは周知の通りですが、いっときの低迷から立ち直りつつあります。昨日、3種目で立て続けに優勝したことは記事にしましたが、今日も三段跳の宮田駿選手が優勝し、3000mで佐藤悠基選手が中学新を出しました。ただ、1.5点差で2位につけている埼玉が有望種目を多く残しているので、厳しい状況です。


●10月15日(月)
 国体取材2日目。
 昨日も書きましたように、午前中に仙台市内から競技場に行くシャトルバスは7時と11時の2本しかありません。仕方がないので、8時07分発のJRで利府まで行き、利府駅からのシャトルで行きました。8時50分頃には競技場に着き、9時からある選手の取材。
 目に付いた競技の模様はダイジェスト記事にしました。コメント取材をした種目もあれば、間接的に情報を入手した種目もあります。均等な取材をしたわけではありませんが、ご了承ください。二瓶秀子選手の個人種目最後のレースというのは聞いていましたが、吉田孝久選手のことはまったく聞いていなかったので、びっくりです。
 ここで1つ、補助員の意識の高さを紹介したいと思います。国体やインターハイなどの大きな大会の場合、地元高校生が記者席にリザルツを配ってくれます。近年では、報道受付で金属製の金網の箱を受け取り、それを机に置いておくと、補助員がそれに入れてくれるシステムが多いようです。
 かごに記録用紙を補助員が入れる際に、紙の上下を1つの方向に統一して(当然、見やすいように紙の上をトラック側にして)入れてくれるのです。これが、置く際に上下が統一されていないと、あとから記録を見るときや整理する際に、その都度向きを変えて見るこになり、かなり煩わしくなります。これは是非、来年以降の開催地も踏襲して欲しい点です(インターハイ・国体の取材は2〜3年来ていなかったので、すでに毎年行われていることかもしれませんが)。

 ところで、仙台に来ても、ファミレスが寺田の後を追っかけてきます。すでに昨日、判明していたことですが、信濃毎日新聞の中村恵一郎さんの件です。彼も「郎」のつく記者なので、ファミレスで仕事をすると効率が上がるかどうか、確認しました。これは、ISHIRO氏のWEBサイトでわだいになっていたことです。
「道を挟んで社の前にデニーズがあり、よく利用はするが、社から近いのでそこで仕事をすることはない。出張時にやむを得ずファミレスで仕事をすることもあるが、好んでりようするわけではない」との回答でした。
 うーん、「ファミレスに居座ろう」の法則は、彼には適用できないようです。ちょっと、残念。


●10月14日(日)
 朝、自宅を出発して国体取材に。忘れていたわけではないのですが、時間がなくて仙台までの格安チケットを購入できていませんでした。新宿の格安チケットショップが開店しているかなと、一縷の望みをつないでいたのですが、残念ながら開店していませんでした。往復で考えると1500円の損失です。仙台宿泊で5日間利府まで行くことを考えると、周遊券の方が安いかと思い(最近はゾーンチケットとかいうらしい)、JRのみどりの窓口で調べてもらいましたが、通常切符を往復買った方が100円強得なことが判明。
 正規料金で仙台、東北線の岩切と乗り継ぎ、最寄り駅の利府に13時半ころ到着。シャトルバスの乗り場付近には、役所関係のスタッフ(たぶん、青色の服の人)と、ボランティア(グリーンの服の人)の人たちがたくさんいて、ここまでしてくれるのか、というほどの丁寧な対応をしてくれました。よっぽど、交通の便の悪さを批判されたのでしょうか。ほんとすごかったし、嬉しかったです。最近、国体とインターハイはあまり取材に来られなかったのですが、寺田が取材したなかでは間違いなくトップクラスの親切さでした。
 ところが……帰りの報道用シャトルバスの最終便が、17時だったのには失望しました。最終のトラック種目は、17時25分に始まるのにですよ。取材をするなと言っているようなものです。かなりひどいです。
 朝もそう。仙台駅を7時に出発する便のあとは、11時まで4時間もないのです。ここまでひどいと、主催者側の事情を考えざるを得ません。たぶん、夏季大会で報道用シャトルバスがガラガラだったのでしょう。それで便数を間引いた。それが一番ありそうなことです。納得できるものではないのですが。

 しかし、あるベテラン選手の取材が大変に興味深くできたので、気分はかなりグッド。ホテルの部屋からのインターネット接続も一発で成功。ホテルの近くには、イタリア料理の24時間ファミレスもありました。悪いことばかりじゃありません。


●10月13日(土)
 今日も、夕食後にファミレスで原稿書き。その前に、今日発売の陸上専門誌も読みました。そこで、はたゆかと気づきました(くどいけど楽屋落ち)。実は、10月9日の日記で紹介した競歩界の福山雅治(これもくどい)ことH選手のファミレス分析に違和感があったのです(選手がよく口にする違和感と同じ…と言ったら怒られるか)。
 というのは、ファミレスでヤンキーや、夜の仕事のお姉さんたちを見かけたことはあっても、彼らから迷惑を被った記憶があまりないのです。実は今日、夜の仕事の姉さんらしき3人組がファミレスに入ってきたのですが、奥の喫煙席に向かいました。そうです。地域による差もあると思いますが、禁煙席に座れば「他人の逢瀬」に挟まれることはあっても、ヤンキーや夜のお姉さんに挟まれることはまれなのです。

 それよりも、タチが悪いのは、昼下がりにいる“子供連れの主婦グループ”です。彼女らはだいたい、禁煙席に陣取ります。一見、先の2つのグループよりも健全そうで、実はその反対なのです。主婦たちは、「今このときを逃したら2度と機会はない」と思っているらしく、おしゃべりに夢中になります。
 その間、子供たちはほったらかし。しばらくすると、座っていられなくなってテーブルの間を奇声を上げて走り回ります。たまーに、気づいて注意をする親もいますが、すぐにおしゃべりに戻ってしまい、我が子の悪行は眼中になくなります。
 店員が注意してくれるかと期待していると、子供を見て微笑みかける始末です。おいおい、他の客の迷惑はどうでもいいのか?

 これを「子供らしくていいじゃないか」、と思った人に問いたい。子供らしさと、ことの善し悪しは別ではないのかと。子供らしく、ところかまわず遊んで人に迷惑をかけていいのか。実際、子供がぶつかってためにコーヒーをこぼし、火傷をした学生がいた。子供がテーブルにぶつかってドリンクがこぼれ、重要な書類を濡らして途方に暮れているビジネスマンもいた。うるさくて集中力がそがれ、筆の進まないライターもいた。
 しつけを怠る大義名分を、「子供らしい」という言葉に求めてはいけないと思う。子供らしいとか、大人らしいという区別ではなく、行動自体の意味を考えるべきだろう。


●10月12日(金)
 9日に紹介した競歩界の福山雅治こと、H選手からメールが来ました。寺田の解釈とは意図がちょっと違うというのです。
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 残念ながら私の真意をお伝えするには言葉が足りなかったようです.
私が先日お送りしたメールは,「それなりの用途」を実践する立場としての感想ではなく,「それなりの用途」に否応なく遭遇してしまった立場からの感想のつもりでした.
 たとえそこが公共の場所であっても,30過ぎの独身男にとってみれば,副業を終わって疲れ果てているところに,気が付いたら「他人の逢瀬に挟まれていた」というのはやはり苦痛です.30過ぎの独身男でなくても,「文献でも読みながら夜食でも」と思って入ったファミレスで,気が付いたら「他人の逢瀬に挟まれていた」というのは多分苦痛だと思います.いや,30過ぎの独身男だからこそ「論文の推敲でもしながら夜食でも」と思って入ったファミレスで,気が付いたら「他人の逢瀬に挟まれていた」というのは苦痛でしょう.
 そんなことを考える私は野暮でしょうか?
 つくばは狭い町なんだし,なにも内側の見通しも店外からの見通しもいいファミレスで「それなりの用途」を果たさなくたってと思うのですが.
 そんなことを考える私は野暮でしょうか?
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 うーん、かなり細部にこだわっていますね。いったい、この選手は誰なのでしょうか。句読点の「。」が「.」になっているあたり、研究者の論文によく見られる現象です。つくばの研究者で30歳過ぎ、競歩選手でイニシャルがH……これだけでは、特定しようがありませんね。霊感に頼って、「あのアメリカ人プロレスラーのような名前の選手か」などと、当ててしまうのはやめましょう。
 そのH選手の主張に関してですが、寺田は「他人の逢瀬に挟まれて」いようが、平気です。昨晩もそういう状況で原稿を書き続けましたし、金田一少年もよく読んでいました。寺田が独身なのかどうかは、“21世紀は未婚か既婚か離婚かを問わない時代”なので、あえて言及しません。が、寺田が左手の薬指に指輪をしているのを見たことのある人間は、いないはずです。


●10月11日(木)
 充実した一日でした。
 まずは、午前中に原稿を1本書きました。完全な仕上げまではもっていけませんでしたが、大方は書けました。
 そして午後から取材です。一日が充実したと感じるた理由は、取材が上手くいったからに他なりません。上手くいくとは、いい話が聞けたということです。取材の雰囲気も、とってもよかったと感じました。さすがベテラン選手です。でも、女子選手ですから、あんまり歳の話をしてはいけません、というのは世間一般の勝手な思い込みで、選手本人は気にしていないこともあります。実際、全日本実業団の記者会見では、ある記者(T田っていったかな)が年齢のことを話題出していました。世間の常識にしたがって、その記者も少しは申し訳なさそうな言い方でしたが。
 さらに、その選手は畏れ多くも寺田のWebサイトを読んでくれていて、「未来少年コナンのDVDがヨドバシカメラにありましたよ」(9月20日の日記参照)と教えてくれました。これはと思い、取材の帰路、さっそく新宿に。店頭になかったので店員さんに聞いてみたら、「売り切れです」とのこと。先月の終わりに前半の1〜4巻が発売され、今月末に後半の(確か)4巻が発売されるそうです。その店員さんは、なんの資料も見ずにそのことを説明してくれましたから、よっぽど人気があったのでしょう。さっそく注文しました。Hさん、ありがとうございました(H選手は最近、ゴルゴ某の“いのち”がお気に入りだそうです。ただし、ここまでの内容で、取材した選手は○○選手だと、霊感に頼った判断をするのはやめましょう。特定できないように書いているはずです)。
 いったん帰宅して、ちょっと仕事をしたのち、夕食のためファミレスへ。なんと、そこで朝の2時まで、約5時間原稿を書きました。ノートパソコンのバッテリー2本体制が威力を発揮したわけです。ひたすら書きました。頑張りました。3本セットの企画なのですが、3本目を書き上げ、今朝までに書いてあった残りの2本も大幅に書き換えました。帰宅して、連絡メールを書いていたら夜が…。


●10月10日(水)
 しんどい一日でした。
 メルマガの原稿の前に1つどうしても片づけないといけない原稿があり、メルマガの方がずれ込んでしまいました。いつものことですが、N實さん(ドリームフィールズ)、本当にすいません。
 メルマガで女子マラソンの世界最高記録の変遷表を見ていたら、はたゆかと気が付きました(Mr.イチロー用ジョーク。この日記は、内輪ウケを目的に書いています。悪しからず)。もしかしたら世界最高って、全部独走じゃないかって。正確には、独走とはいえないものがあるのですが、タイム差が男子に比べて大きいのはまぎれもなく事実です。それで、忙しいのにも関わらず、記事(というかちょっとした考察でしょうか)を書いたわけです。
 明日中にもう2本、原稿を書かないといけないし、明日は取材で予習をしないといけないのに大丈夫なのかな。まあ、取材予定の選手の戦歴はだいたい頭に入っているし、とっかかりもあるし、なんとかなるでしょう。


●10月9日(火)
 ファミレス論ですが、意外にも、さる競歩の有名選手から反応がありました。IHSIRO記者と同じつくば関係者ですから、まったく予想されなかったわけではありませんが。さっそくその意見を紹介しましょう。
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 つくば市内にもファミレス以外のレストランは目立ちませんがないわけじゃありません.しかし,「つくば市に住んでいたら、土浦にまでデートに出かけて、それなりのレストランを探す」人なんて本当にいるのかねというのが私の感想です.
 以前,塾講師のバイトをしていたときは,帰りにファミレスで夜食なんてことがよくありましたが,「禁煙席を」とお願いして案内された席が,そのうち両側をカップルに挟まれるということはよくありました(東新井の某ガ○ト,つくばじゃないけど牛久の某ガ○ト).一度なぞ,隣のテーブルに座った20-30代?の白人男性と日本人っぽい女性がひどいロシア訛りの(と思われる)英語で「ロシア(の男女)はどうだ,日本(の男女)はどうだ」といった話で盛り上がりだしたことがありました(春日2丁目の某○ニーズ).女性が男性からロシア語を教えてもらっていない,あるいは男性が女性から日本語?を教えてもらってないところあたり,この二人はまだデキてなかったのかもしれません.
 それはともかく,場所によっては「夜の仕事」のおねぇさん方と思われる方々が仕事の後に大挙してやってきて反省会めいたものをはじめることもあるし(洞峰公園南の某○コス),こわそうなおねぇさんおにぃさん(所謂○ンキ−)が大挙してやってくることもあるし(東新井の某ロ○ホ)で,それなりの用途にはそれなりのレストランを探すべきだとわたくしは思います.
 もちろん,ここでご紹介したエピソードは私が「それなりの用途」を果たしている最中に遭遇したものではないことは当然です.
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 佐々木記者の「成人してファミレスデートはまずいでしょう。実際、あまり多いケースとは思えませんが。女性に対して失礼だと思うし、男性にとっては手抜きにほかなりません。つくば市に住んでいたら、土浦にまでデートに出かけて、それなりのレストランを探すべき」という意見に対して、強烈な疑問を呈しています。まあ、佐々木記者の「つくばと土浦」のくだりは、寺田の質問に答えたものですし、ものの例えではありますが。
 しかし、後半の「それなりの用途のときは、それなりのレストランを探すべき」というのは佐々木記者と同意見で、ISHIRO記者の「それなりのレストランがない地域ではどうしようもない」、寺田の「愛があれば場所は関係ない」という意見とは異なります。たしかに、周りがヤンキーだったら、「それなりの用途」にはまずいと思いますが、ヤンキーが来たら場所を変えればいいわけで、愛があればそのくらい対応できるぞ、などと寺田は思います。H選手、いかに?
 最後に、最後の一段落ですが、このような書き方をする場合、真贋はさだかでないというのが、世間的な常識です。なにせ、競歩界の福山雅治と(一部で)言われている選手ですから。


●10月8日(月)
 今日はテレビで出雲全日本大学選抜駅伝を見ました。テレビ中継をリアルタイムで見るのって、ずいぶん久しぶりのような気がします。世界選手権でしょ、北海道マラソンでしょ、スーパー陸上でしょ、全カレに全日本実業団と、テレビ放映のある大会はほとんど取材に行っていますから、テレビを見るのはいつも録画です。
 で、今日の出雲のテレビ放映で気になった点が1つあります。それは、5kmの通過タイムを測ってくれないことです。視聴者の大多数は駅伝中継にそこまで求めないのかもしれませんが、視聴者のうち5%は、そのタイムを知りたがっていたはずです。今日のように集団で推移していると、集団の形状である程度、スローペースなのかハイペースなのかわかりますが、やはり客観的なデータは知りたいと思います。13分50秒台なのか、14分0秒台なのか、10秒台なのか、20秒台なのか。
 先頭と後続との差を測ってくれないのもどうかと思いましたが、距離が短い駅伝で、今日のように優勝候補がつねに先頭グループにいれば、必要ないと判断したのかもしれません。5kmの通過タイムをなんとかしてほしかったですね。
 でも、今回、フジテレビの出雲駅伝のWEBサイトは充実しています。展望特集で、あれだけ選手の声を紹介してくれるとありがたいです。興味を持ってテレビ観戦ができました。箱根駅伝はいろんなメディアがWEBサイトでも特集するからいいのですが、どの大会の主催者も、あのくらい力を入れてほしいですね。


●10月7日(日)
 この日の日記は、自慢たらしかったので、削除しました。


●10月6日(土)
 ファミレス論争はその後、進展がありません。9月29日の寺田の意見で終焉でしょうか。まあ、もうちょっと成り行きを見たいとは思いますが。
 そんな昨今ですが、ある新聞社(仮にA新聞とします)の女性の記者の方からファミレスに関するメールをいただきました。メールの文面をそのまま載せると問題があるので、要約したものが以下になります。
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 私は大学の時、A県(寺田注:ある県という意味です。畑山茂雄選手の出身県という意味ではない)の中のさらなる田舎から、東京に出てきたわけですが、テストを前にしたある日、仲のいい子たちと6人で勉強しようということになったわけです。「午後7時に、ホストで」と言われ、私の脳味噌の中では「ホストクラブ?さすが都会や」と一人、困惑し盛り上がってしまいました。私がいたころの、A市のはずれでは、コンビニはなく、「なべや」という名のよろずやさんしかないですし、ロイヤルホストなんてしらないわけです。でも「なぜ、ホストクラブで」と聞いたら、田舎ものがばれてしまうと思い、「わかった」と一言。
 きれいな格好して化粧して、待ち合わせの護国寺駅(寺田注:某陸上競技専門誌編集部の近く)に行きました。ホストとやらについて、「こういうのが、ファミレスっていうのか」と感動したのを覚えています。
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 さすがに、ここまで大ボケの内容だと実名は公表できません、ある新聞(A新聞)の女性記者としか。昨冬のマラソン・シーズンでは、F田選手やN田選手の記事を書いているはず(まさか地域がばれないですよね、これだけでは。それに、ロンドン・マラソンでもご一緒しました)。


●10月5日(金)
 ドラマ「君ならできる」が、競技的な精度をそれほど期待していなかっただけに、実際に見ても楽しかったのですが、「スチームバギー」は期待が高かっただけに、ちょっとがっかりです。「スチームバギー」ってなんだ、と思われる方も多いでしょう。陸上競技と関係も深いわけはなくて、実はテレビの通信販売で購入した(約2万円)蒸気掃除機です。蒸気掃除機というと蒸気機関車をイメージされてしまうかもしれませんが、重さ4s、ノズルの先からスチームを出して、どんな汚れも取ってしまうという優れもの……のはずでした。
 確かに、キッチンの油汚れや、浴室のカビなど、これまでとれなかった汚れをとることができました。しかし、テレビ画面で見たよりは明らかに汚れを取るパワーは落ちます。何より「えーっ」っと思ったのは、1回の給水で10分しか連続使用ができず、水を補給する際は5分間、機械が冷めるのを待たなければいけないことです。つまり、10分作業をして5分中断、そして給水&加熱で3〜4分、それでやっとまた10分間使用できる、というサイクルを繰り返さなければなりません。テレビではそんなこと、まったく触れていませんでした。このあたりが、通販のずるいところというか、100 %信用できない点ですね。
 そうではありますが、洗剤をまったく使わないという点は評価できますし、狭い隙間もスチームを吹きかけることで清掃が可能になります。窓ガラスや網戸の掃除も楽になりそうです。
 期待が高かっただけにガッカリした「スチームバギー」と、期待がそれほどでもなかっただけに楽しく見られた「君ならできる」でした。スチームバギー購入の2万円を稼ぐには、いったい何行原稿を書かないといけないか……。


●10月4日(木)
 昨日の日記の中で「なんちゃってー」という言葉を使っていますが、これは明らかにテレビドラマ「君ならできる」の小出監督役、竹中直人のセリフが印象に残っているからです。実は「君ならできる」は、放映日に見ることができず、一昨日、やっとビデオを見ることができたのです。
 感想は、ひと言でいうと、なかなか楽しめました、となります。陸上界では否定的な意見も多く聞きます。確かに、細部の設定は事実と違います(それはAll About Japanのサイトを読んで予め知っていたので、気になりませんでしたが)。例えば、なんで深山コーチが94年からコーチなんだ(実際は97年から)とか、なんで鈴木博美選手がアテネ国際マラソンで優勝して世界一と言えるのか(実際は世界選手権)、出場したマラソンが事実と違う、等々。
 登場人物の描き方も、深山コーチを監督の引き立て役にしすぎてかわいそうだとか、鈴木博美選手の“アテネ”後をなんで描写しないのか、なんで入社後に寮で隣の部屋だった有森裕子選手が出てこないのか、等々。
 一番、世の大人の人たちが喜んだのは、小出監督が会社の重役を前に「夢をつぶしているのはお前らだー」と言うシーンではなかったでしょうか。
 まあ、放送時間枠が決められていたら、どうしようもない部分もありますし、陸上に詳しくない人にもわかるようにするには、ある程度デフォルメするのもやむを得ません。確か、フィクションということにしていたと思います。これまで見てきた医療現場や法律事務所を舞台にしたドラマも、その筋の専門の人が見たら、そういう人たちの目にはきっといい加減に映るんでしょうね。


●10月3日(水)
 昨日のクイズの答えは1/24……だと思った方が多いのではないでしょうか。1/4×1/3×1/2×1/1で。ところが正解は1/360です。
 1走が太田選手になる可能性は1/4ではなく1/6が正しいから。というのも実は、ミキハウスのリレーメンバーに中西美代子選手、三宅貴子選手もエントリーされていたのです。投てき選手は瞬発力に優れ、実業団の試合でリレーを走るシーンは珍しくありません。ということで、1/6×1/5×1/4×1/3で答えは1/360になります。
 などと書くとお怒りになる方もいるでしょう。最初のケースでは中西&三宅両選手のことは計算に入れず、リレーメンバーは4人と考えているのだから、次の設問でもリレーメンバーは4人に固定して考えるべきだと。
 うーん、ごもっとも。でも、金沢で“疑惑”が生じたとき、坂上選手が2走に固定されているという前提条件が、記者には知らされていなかったわけです。だったら次のケースでも、中西&三宅選手がエントリーされているという条件を知らせなくてもいいかな、なんちゃってー。でも、こんなことを考えるのも、結構楽しいのです。怒る方は今後、このコーナーは読まないことをお薦めします。


●10月2日(火)
 本日アップした全日本実業団の太田陽子(ミキハウス)選手の記事中に、「リレーの走順をアミダで決めます」というコメントがあります。その4×100 mRの結果はというと、ミキハウスは47秒01の好タイムで2位に入りました。しかし、一部記者の間で疑惑が生じていました。というのはミキハウスの走順が太田陽子・坂上香織・小野真澄・金子朋未で、スプリンターの2人を2走と4走に、ジャンパーの2人を1走と3走に配置する、極めてオーソドックスな走順だったからです。アミダによる決定とは、ちょっと考えにくいというのが、一部記者たちの意見でした。名付けて「ミキハウスのリレー走順は本当にアミダだったのか疑惑」です。
 その疑問を今日、太田選手に確認したところ「アミダです」ときっぱり否定。ただし、坂上選手の2走だけは、事前に固定していたそうです。ということは、1走が太田選手になる確率は1/3、そうなると3走に小野選手がなる確率は1/2、4走が金子選手になる確率は1/1、つまり前述の走順になる確率は1/6だったわけです。だったら、疑惑とはいえません。一部記者も納得したことでしょう。
 では、坂上選手を2走に固定しなかった場合、前述の走順になる確率は何分の一でしょうか。正解は明日の日記で。


●10月1日(月)
 日本選手が世界最高を出した記念すべき2001年9月が終わり、今日から10月。10月といえば国体とジュニアオリンピック。昔は(1979年とか)日本選手権も開催されていました。あっ、去年もか。箱根駅伝ファンは出雲全日本大学選抜駅伝と箱根駅伝予選会。陸上界はイベントが続きます。
 ところで10月は英語でオクトーバー(October)。 oct(a)という接頭語は、本来「“8...”の意の連結形」(研究社・新英和中辞典)です。陸上界ではオクタスロン(八種競技)に使われているし、音楽のオクターブは8度音程、オクトパスは蛸(脚が8本)ですね。なんで10月にoctが使われているのでしょう。
 ちなみに五種競技はペンタスロン、十種競技はデカスロン。pentaは「5...」、decaは「10...」を示します。pentaがつく言葉としてはペンタゴンが有名ですが、これは米国国防総省の建物が五角形だからそう言うわけです。decaがつくディケイドは10年間、ボッカチオのデカメロンは十日物語のことです。
 混成競技ではoct、pent(a)、decaを本来の数字に合わせて使っているのに、月の名称ははなぜか違うのです。これはいったい、どういうことなのでしょうか。なんで10月がオクトーバーなのか。陸上界にとっても放っておけない謎です。オクタスロンは、もしかしたら十種競技のことかもしれないのです。理由がおわかりの方は、メールをください。正解者には豪華……かどうかの判断は人それぞれですが、寺田から見たら豪華と思えるグッズをプレゼントします。当選者は11月1日の日記で発表します。



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