2001/9/30
充実の全日本実業団第2日
大物選手&好記録のコメント集

朝原宣治(大阪ガス)
男子100 m 10秒20(+0.8)
『今シーズンの収穫は、リズムやレースの組み立てがよくなったこと』
「今日は勝てればいいと考えていましたが、タイムも10秒20ならこの時期にしてはいいと思います。ケガもなくシーズンを終えられてよかったと思います。全体的に見て今季はすごくいいシーズンだったと思います。自己新(10秒02)も出せましたし、世界のGPも転戦できました。(中略=男子5000mのラスト1週の鐘を聞いてトラックに移動)20あたりではいつでも走れています。体調や筋力というよりも、リズムやレースの組み立て方がよくなりました。いつでも…ではありませんが、失敗しても修正しながらそれに近いタイムで走れるようになりました。春先は修正ができず、ズルズル後退していましたが…。(アベレージを10秒10にするには)体調でしょうね、それと練習量と。今年は冬期練習こそしていましたが、アメリカに行く準備とかあってそんなに走り込んでいませんでした。試合で組み立てながら上げていった感じです」

田端健児(ミズノ)
男子400 m 46秒38
『意地の優勝です』
「今日は意地ですね。相手が日大の後輩(2位の小林稔)と長崎の後輩(3位の松本卓)でしたから。ホームストレートに出たときは正直、厳しいと思いました。小林は日大のグラウンドで見て、調子がいいとわかっていました。なんとか先輩の面目を保てました」

室伏広治(ミズノ)
男子ハンマー投 80m61
『課題もどんどん、難しくなってきている』
Q.今日の感想は?
室伏 最後の試合でしたから、今シーズンを振り返るつもりで、あと多少、試したいことを入れながら臨みました。80mも投げられましたし、今日の状態としてはよかったと思います。
Q.気温が低かったんですが影響は?
室伏 あまり関係ないですね、そのへんは。
Q.モチベーション的にはどうでしたか。この大会の目標とか?
室伏 最初に言ったように、きれいな形で終われればいいと思っていました。
Q.ハンマーが左にいっているように見えましたが?
室伏 ファウルしていませんから、いいんじゃないでしょうか。新聞に書かれているように、センターを狙っているわけではないんです。左に飛ぶのは多少ズレがあるのかもしれませんが、大きな問題じゃありません。
Q.納得できた?
室伏 ええ、そうですね。
Q.具体的に試したかったこととは?
室伏 ハンマー投の技術的なことです。
Q.来シーズンはどんな予定ですか。
室伏 来年はGPがあります。いい成績を残して、GPファイナルを競えるように頑張りたいと思います。
Q.オフの課題は?
室伏 いろいろ考えています。さらにもっと、無意識化を目指していくと思います。だいぶ近づいているんですが、新しいもの見つけるにしたがって、より正確に、より無意識にできるなってくるんです。
Q.今年もアベレージが上がりましたが、さらにもう一段上げるには?
室伏 あと1カ月、2カ月で考えますが、伸ばすっていうのは大変なことなんです。ほんと、難しいとこでやっているんです。昔を思えば、奇跡的なことなんです。色んなものが混ぜ合わさって、絶妙のタイミングで投げられるようになったんです。課題もどんどん難しくなって、またこれから、どんどん考えないといけないのです。

坂上香織(ミキハウス)
女子100 m 11秒42(+0.4)
『目標は11秒3台でした』
「ゴールしてしばらくして、そういえば自己タイ(前日本記録)だなと思いました。目標は11秒3台でしたから、また4台か、と。でも、今季の4台はほとんど追い風参考でしたから、最低でも今日は(公認の)4台をという思いもありましたから、出てよかったです。強化指定選手Cの標準記録である11秒47を出せなければ、(11月初旬の)浜松までやるぞと、高野(進)さんからは言われていました。3台を出せずに残念ですが、この風で11秒42は来年につながると思います」

太田陽子(ミキハウス)
女子走高跳 1m81
『通過点の1つを今井さんが先に通った、という感じ』
Q.今日の試合について。
太田 気分転換に助走を変えたんです。今日、突然気が変わって…。助走の出だしで補助助走をつけたんです。
Q.今後もその助走を?
太田 気分が向いたら。
Q.変えてみようと思ったのはどの時点?
太田 練習でいつもの助走がよくなかったんです。気分転換にはいいかなと思って。なんか楽しくなかったので、別の助走にすれば楽しいかなって。今日はリレーを頑張るだけです。これからアミダで走順を決めます。
Q.体調はどうでしたか。
太田 今日はよくなかったです。頭が痛いのと…それだけですが、夏の疲れがとれないのが体調が悪い原因かと。
Q.トレーニングも上手くいっていない?
太田 いつもと変わらない状態です。
Q.今季は?
太田 これで終わりなので、自動車免許を取ろうかなと考えています。教官と喧嘩をしないようにして。
Q.どんなシーズンでしたか。
太田 ひと言では言い表せないのですが、本当に痛みのあるシーズンでした。リンパ腺も何回か腫れましたし。
Q.心も痛みましたか。
太田 いや、ぜんぜん。皆さん、非常に心配してくれて、激励のメールとかたくさんいただいていますが、私にとっては目標じゃないというか、通過点の1つを今井(美希・ミズノ)さんが先に通ったという感じです。ゴールのない種目ですから、来シーズン、それなりに頑張りたいと思います。

三宅貴子(ミキハウス)
女子やり投 56m15
『世界選手権で外国選手のスピードを見て、クロスを7歩から5歩に変えました』
Q.今日の投てきを振り返ると?
三宅 世界選手権(大会前のぎっくり腰の影響で56m05で予選落ち)から帰国して、7歩クロスを5歩クロスに変えました。7歩だと最後にスピードが落ちるので、落ちない段階で投げようということです。
Q.世界選手権の何を見て変えようと?
三宅 世界選手権の決勝の外人選手を見ていて、最後投げきるまでスピードがあると感じたんです。私の7歩は、緩め気味のときに投げているように思えて。スピード感が全然違うんですから。
Q.日本にいるときから、ある程度は感じていた?
三宅 いえ、日本にいるときは、(7歩クロスで)ある程度記録を伸ばしたいと考えていました。(世界選手権で外国選手のスピードを目の当たりにして)前の投げでは距離が見えてくる部分を感じて、それ以上を狙うのなら変えるべきかな、と感じました。
Q.かなりの冒険では?
三宅 冒険は冒険ですが、その方がいいと判断しました。溝口(和洋コーチ)さんもそう思っていらしたらしくて、帰国してわたしが変えたいと言ったら、溝口さんも「最後はそうしたいと考えていた」とおっしゃって。基本的には7歩も5歩も一緒ですが、細かい部分では流れやクロスへの入り、リズムなど全然違います。
Q.今日の感触は?
三宅 今日が3試合目ですが、ちょっとずつ、投げるごとに感じはよくなっています。上手くいけばある程度はいくかなと。1投目に軽く56m15(大会新)いったんですが、2投目からタイマーが気になって…。ピットに入る前から、タイマーがスタートしてしまうんです(注:前の試技順の選手が投げたやりが戻ってくるのを受け取っていたため、コールされてからピットに入るのが遅くなった)。
Q.新しい投げで集中する時間が欲しかった?
三宅 そうですね、構えとかセットするところで。それまで肩のこと(故障がちだったこと)とか考えて、高い位置で構えていたのを、正規の位置にしたんです。頭の近くにした方が本来、やりの感覚がわかりやすいんです。気持ち面で早くいかなきゃと、動揺していたところがあったかもしれません。調子自体はよかったので、記録を出したかったんですが。来週、松任で頑張ります。