初出場の井上も同じように、静かな語り口が頼もしく感じられた。
取材に行った日は16kmの距離走だったが、最後は特徴である蹴り返しの速いリズミカルな動きで、ラスト5kmを「14分50秒くらい」で上がってきた。最初の5kmは15分20秒で入り、トータルでは48分15秒。
「7割5分くらいで普通に走れた感じです。前半は余裕を持って、後半は押すイメージで走れたので、練習の目的はクリアできた」
2月の東京マラソンで2時間08分22秒で日本人トップの8位となり、2度目のマラソンで世界陸上代表を決めた。そのときの練習と「大まかな流れは変わっていない」という。この日の16km走の数日後に、最後の40km走を行う点も同じだ。
変えた点といえば、東京とロンドンのコースの違いを考慮して、起伏が多い場所を多く練習に取り入れたこと。
「九重(大分県)の練習では起伏のあるコースでインターバルをやりましたし、朝練習で山に走りに行きましたし、(通常の練習拠点の)長崎でもなるべくアップダウンのあるコースを選びました」 |
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