ゼンリンも藤光謙司がリレー候補に入ったので、7月後半に4×100 mRの正式出場が決まればその時点で、110 mHで優勝した山峻野と2人の代表になる。
山は準決勝で13秒44(+0.6)と標準記録を初めて破ると、決勝では向かい風のなか13秒45(-0.2)で連続突破。平常心を保つため、あえて低い目標を口にしてきたが、代表を決めた後は初めて、正直な心情を吐露した。
「率直に、嬉しい気持ちがわき上がってきています。13秒4台を連発できるとは、思っていませんでした。いつも通りという点を心がけているので、“まさか”という気持ちもありました。うれしさ倍増です」
3台目までに高いスピードに乗せて、そのまま押し切るレースが持ち味。現役時代はゼンリンに在籍した金子公宏コーチとのトレーニングで、そこに研きをかけるのと同時に、課題だったインターバルでの体のブレの修正にも取り組んできた。
1990年代前半に全日本実業団陸上で男女総合4連勝したことのあるゼンリンだが、近年は少人数で活動してきた。今年、山ら3人の新人を採用し、再スタートを切ってすぐに好結果を残した。5人の選手は専門種目は異なるものの、「ゼンリン・チームの合宿も刺激になりました」と山は言う。
名門チームが再び、存在感を増し始めた101回目の日本選手権となった。
|
|