●スタート後もレースをしっかり見る
国同士の対抗戦で世界一を決める舞台。Part3で紹介したように個人種目とはまた違ったプレッシャーがかかる。朝原さんは著書の「肉体マネジメント」(幻冬舎新書)のなかで次のように記している。
「スタートを待っている間、僕は3走の高平君の方をチラチラ見ていました。もしかしたら高平君が手を振ってくれるんじゃないかと思ったのです。すると、以心伝心、高平君は、こっちを見て手を振ってくれました」
いつもは、手を振るようなことはなかったという。
「ピストルが鳴り、塚原君がスタートしました。末續君にバトンが渡る。そして末續君が走っている最中、なぜか僕はいきなりワァーっと大声をあげ、叫んでいました。気合を入れるためなのか、リラックスするためなのか、自分でもわかりません。とにかく、冷静でいようと努めても、できなかったのだと思います。冷静にしていると逆に、意識が他に行ってしまいそうでした」と。 |
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