「レース当日に向けて私の役割を淡々とやっています」 取材が予定されていた日、新潟はあいにくの雪に。練習場所が急きょ前橋に変更され、陸上競技場近くのホテルに2泊するミニ合宿が行われた。新潟から車で約3時間。朝の9時に出発し、昼には前橋に着く。
当日の練習場所変更をするには、選手の所属する各部署に連絡を入れ、ホテルの手配も済ませる必要もあった。そういった部分は重川隆廣社長兼総監督の出番である。以前にも紹介したが、重川社長は朝の5時台には出勤して、その日の段取りをいち早く済ませている。
「天候と仕事と練習の兼ね合いをどうするか。そこは、私が判断しないといけない部分です」
5年前の初出場時に比べると、平常心に近い。当時は「ニューイヤー駅伝でも頑張るんだ」と肩に力が入っていた。「選手の力量も良く見えますし、レース当日に向けて私の役割を淡々とやっています」
その1つが、今回の練習場所変更のように、選手のために環境を整えることだった。
「前回は創部3年目で初出場。仕事との兼ね合い、練習、合宿、他。今はチーム運営に必要なことが見えてきています。チーム運営も、以前よりもスムーズに進んでいると思います」
社員60人の重川材木店がチームを持つということは、大会社がチームを持つことと比べ、まったく異なる苦労がある。重川社長のように競技に理解のある経営者がいて初めて、実現できている。 |
重川社長 |