2001/11/3 淡路島女子駅伝
グローバリー、まさかの優勝、驚きの圧勝
藤田監督は淡路島負け知らずのV8!
そして、選手と監督の違いとは?


その1●謙遜姿勢を貫き通した藤田監督●    その2  その3

 終わってみればグローバリーの圧勝だった。
 しかし、レース前は4連勝中の東海銀行が優勝候補筆頭だったし、グローバリーは全日本出場資格となる“関西4枠”に入れるかどうか、が注目されていたに過ぎなかった。まして、ワコールが区間賞を独占して打ち立てた3回大会(1992年)の大会記録を更新することなど、当事者にとっても驚き以外の何ものでもなかった。
 レース前日の藤田信之監督のコメントからも、そのことがはっきり見て取れる。

Q.関西で4番目に入る手応えは?
藤田監督 あらへんがな、そんなもん。一遍出てみたら、どんなレベルか選手がわかる思うたんです。そんなに選手、いまへんがな。書いとってくださいよ、“グローバリー選手募集”って。標的は後ろの3〜4チームですわ。

 しかし、800 mが専門だった1区の藤原夕規子は、シーズン後半になって1500mで自己新を連発、4分16秒05までタイムを更新していた。2区の田村育子は1500mで国内無敵(関西実業団のみ敗北)の強さを誇るが、5000mでも15分20秒台の記録を持つ。野口は言わずとしれたハーフマラソンの女王。今年は日本選手権1万mでも3位となり、世界選手権にも出場するなどスピードも向上している。
 そして、淡路島の区間構成が、グローバリーにフィットしていた。淡路島の各区間の距離は以下の通り。
1区 3.5km
2区 8.0km
3区 5.3km
4区 11.2km
5区 3.8km
6区 5.2km
合計 37km
 1区にスピードランナーの藤原、2区に田村、4区に野口という大砲を抱えるグローバリーにとって、おあつらえ向きのコースともいえたはずだ。

Q.1区がスローになれば関西4位以内の可能性もあるのでは?
藤田監督 スローでも速くても、ある程度走ったら減速しますわ。体が重いですから。まあ、4区の野口でなんとかならんかなと思ってますが。テレビ中継がありますから、1区・田村、2区・野口で(先頭の方を走り)“グローバリーっていうチームがある”と知ってもらうのも、1つの手かなと思ったんですわ。まあ、1区の藤原を騙して、なんとか走らせようとしてるとこですわ。

 駅伝やマラソンでは、メディア経由で監督のコメントが選手の耳にはいることを考慮して、前日までは、選手の気を引き締める意味で希望的観測を口にしない監督も多い。そういったケースでは、レース直前に監督に再度質問すると、自信に満ちたコメントが出てくる。スタート直前、1区選手を見送った藤田監督に再度声をかけた。

Q.ホントのところ、関西4位以内の可能性はどうですか?
藤田監督 いやほんま、それはありまへんわ。

 という一貫した一連のコメントを監督が残したグローバリーは、淡路島にしては珍しい雨のなか、駅伝第一歩(文字通り駅伝初参加)を記した。 

<つづく>