2001国際千葉駅伝
藤田敦史インタビュー
第1回 第2回 第3回

第2回
『トラックや駅伝でスピードを養成しないと、(マラソンで)世界に対応できない』

Q.次のマラソンは?

藤田 来年の秋以降に、自分の記録(日本最高記録)を視野に入れて、海外の賞金レースを考えています。その前に、今シーズンは駅伝に出ます。僕の場合、スタミはある方だと思うんですが、スピードに自信がない。駅伝やトラックでスピードを養いたいと思います。必ずしもトラックのスピードがマラソンとイコールではないし、極端な話、100 mのスピードとか必要ないと思います。ですが、今のマラソンは揺さぶりがすごい。1km3分で走っていたかと思ったら、2分50秒に上がったり、そうかと思ったら次の1kmが3分10秒まで下がったりする。スピードを持っていないとそれに対応できないんです。いくらスタミナが付いても、揺さぶりに対応できなければ意味がないんです。トラックや駅伝でスピードを養成しないと、世界に対応できないと思います。

Q.もう1回、自分をアピールしたい?

藤田 そうですね。あれだけ(日本最高をマークした昨年12月の福岡国際マラソン)で終わったら自分自身つまらないですし、まぐれと言われちゃいますからね。そういったイメージを払拭するためにも、もう一度、あのときみたいな力強さをアピールしたいですね。

Q.女子ばかりではなく男子もというところを?

藤田 やっぱり、一般の方たちに目を向けてもらうためには、本当にインパクトのあることをやらないと向けてくれません。高橋尚子さんはオリンピックで金メダルを取った翌年に、世界最高ですからね。そのくらいのことをやらないと、世間の皆さんは見てくれないんじゃないかと、とも思います。記録は調子のいいときに海外で狙いたいと思いますが、僕としてはまず、記録よりもオリンピックのメダルが欲しいんです。

Q.完璧に仕上がったら、どのくらいのタイムを?

藤田 いきたいのは世界最高です。いきたいですよね。自分の記録もそうですが、世界最高記録を視野に入れてやっていかないと。それだけの練習を積んで、最高のパフォーマンスを発揮できれば、世界最高は出せると思って、狙っていきたいです。

第3回につづく)


藤田敦史プロフィール
ふじた・あつし◎1976年11月6日生まれ、福島県出身。166cm、52kg。富士通所属。中学ではテニス部、清陵情報高から陸上競技を始めるが、全国大会には出場していない。駒澤大入学後、大八木弘明コーチの指導で急激に力を伸ばし、日本インカのハーフマラソンを3年、4年時に連覇。箱根駅伝は1年から出場し1区2位、2区7位、2区2位、4区1位。チームのエースととして4年時の全日本大学駅伝優勝、箱根駅伝2位に貢献。駒大卒業直前の99年3月、びわ湖マラソンで2時間10分07秒と、瀬古利彦の持っていた道路学生最高を20年ぶりに更新。富士通入社後の同年8月の世界選手権セビリア大会では6位入賞。2000年元旦の全日本実業団駅伝でもアンカーを務め、富士通初優勝に貢献。2000年の福岡国際マラソンに2時間06分51秒の道路日本最高記録で優勝。今年8月のエドモントン世界選手権は、25km付近から後退して12位と不本意な結果に。1万mのベストは28分19秒94と、マラソンに比べると日本歴代順位的には落ちる。

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