2008/5/3 静岡国際
男子400 mH その@
為末欠場のレースで成迫が快勝
為末超え(=国際舞台の活躍)に意欲
為末大(APF)が欠場した男子400 mHは、成迫健児(ミズノ)が快勝した。
5レーンの成迫がバックストレートを飛ばすが、和歌山優勝で前半13歩の対馬庸佑(アスレティックジャパン・和歌山記事参照)も8レーンで飛ばしていた。
だが、第3コーナーから徐々に成迫が前に出て、はっきりとリードしてホームストレートに。アウトレーンでは対馬の1つ外側の小池崇之(チームミズノアスレティック)が対馬に迫っている。直線で杉町マハウ(日本ウェルネス)が2位争いから抜け出したが、成迫の脚勢は衰えない。
成迫の優勝タイムは49秒44にとどまったが、2位・杉町と0.88秒差だったことを考えれば、その強さがわかるというもの。
「多少の向かい風が(バックストレートで)ありましたが、それでも49秒20のA標準は上回りたかった。冬の間の取り組みで、スプリント力も筋力もアップしているのを感じています。それを上手くつなげられれば、400 mHもかなり走れると思います」
為末の欠場については、自身のピーキングと関連させ、上手くモチベーションを保っているようだ。
「為末さんのペースがあって、年齢的にこの時期に、万全の状態をつくってくるのは難しいのでしょう。来週の大阪GPはどうなるかわかりませんが、日本選手権までにはしっかりとベストのコンディションを作ってくると思います。それは僕も同じなんですが。もちろん、ミズノの看板を背負っている以上、為末さんには負けられません。そうなることで世界でも戦えると思っています」
練習中に好タイムが出ているし、5月に活躍することも多い成迫だが、ピークはつねに夏の国際大会に合わせている。
「今は例年通り、技術を1つ1つやって、スプリント的な動きを取り入れて来ているところです。今年はオリンピックがありますから、例年以上に仕上がりを遅めにするプロセスを組んでいるんです。試合をこなしながら淡々と、無理のないペースで本番に合わせたい」
8月の国際大会に向けた調整を優先しても、2年前の大阪GPのように、気象やグラウンドのコンディションが合えば5月に記録が出ることもある。だが、それに一喜一憂する成迫ではない。
「去年も感じましたが、“あの場”で結果を残さないと意味がないんです」
“あの場”で2回も為末が銅メダルを取っている。直接対決で勝つことも重要だが、最終的には国際舞台で活躍しないことには、“為末超え”にはならないと感じているのだろう。
そのA向かい風の影響で49秒44も、“前半型”に手応えを得た成迫「5台目を21秒を切るくらいで通過したい」
につづく
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