2004/6/14 アテネ五輪代表発表
B今後の選考について

●B標準選手が今回代表となり、今後、別の選手がA標準を突破した場合
 B標準選手が代表に選ばれた種目中、男子1万mや女子走幅跳などでは代表以外の選手が今後、A標準を突破することも考えられる。その場合、今回代表に内定した選手もA標準を突破した場合に限り、追加される可能性が出てくる。
「代表選手がA標準を破れば、残りの選手も(A標準を破った場合)俎上に乗る。チャンスがゼロとは言わない」(澤木強化委員長)
 つまり、今季好調の女子走幅跳・池田久美子(スズキ)や、男子1万mの大森輝和(くろしお通信)、大島健太(同)、坪田智夫(コニカミノルタ)ら27分台選手が代表入りできるかどうかは、花岡と大野がA標準を突破することが前提となる。女子砲丸投の豊永陽子(徳島陸協)や棒高跳の中野真実(三観陸協)についても同様だ。
●B標準選手がA標準選手に勝った場合
 男子110 mHは田野中輔(富士通)がA標準2選手(内藤真人&谷川聡)を破って日本選手権に優勝した。
「A標準の選手がどうしてもB標準に勝てなければ、B標準の選手を選ぶこともある」
 つまり、南部記念で田野中が再度、A標準の2選手に勝てば代表入りすることになりそうだ。
●A標準を突破する選手が追加されそうな場合
 男子400 mHは代表の為末大(APF)がA標準突破者なので、7月の大阪府選手権で行われる特別レースで日本選手権2・3位の吉沢賢(デサントTC)と河村英昭(スズキ)がA標準を突破すれば、追加される可能性は大。
 日本選手権4位以下の選手がA標準を突破して吉沢・河村に勝った場合の優先順位がどうなるかは、何ともいえない。吉沢・河村に勝ったら代表なのか、それとも吉沢・河村に勝っても、その2人がA標準を突破したら、2人に優先権があるのか。2人に優先権があっても、大阪府選手権の優勝者が2人に大差をつけたら覆るのか。
 あまりにも多くのケースが想定できるので、終わってから考えるのだろう。たぶん。
●最終追加人数
 今回の2時発表終了時点で33選手が内定した。以前、櫻井専務理事がJOCとの話し合いで38〜40人枠になるだろう、とコメントしていたことを考えると、残り枠は5〜7人ということになる。女子の4×100 mRがこれとは別枠となるので、有望なのは以下の種目。
・男子4×100 mR  1人
・男子4×400 mR  2人
・男子110 mH    1〜2人
・男子400 mH    1〜2人
 そして
・女子ハンマー投   1人
 も、少しでも記録を伸ばせば、可能性は出てくる。それに続くのが
・女子400 mH    1人
・女子走高跳     1人
・女子100 mH    1人
 で、日本選手権優勝者の吉田真希子(FSGカレッジリーグ)と今井美希(ミズノ)、池田久美子が、B標準(A標準)を上回った場合。池田に負けた金沢イボンヌ(群馬綜合ガードシステム)が2度目のB標準突破の時、どうなるのだろうか。
 十種競技の石沢雅俊(小島プレス)は日本選手権に大敗しているので、さらに下に位置づけられそうだ。
 代表選手のA標準突破が前提なので、他の候補種目よりも“他力本願”的になるが、
・女子走幅跳
・男子1万m
・女子棒高跳
 でA標準突破選手が出た場合も追加される。他力本願とはいえ、そうなった場合はレベルが高いだけに、他の種目より有利になるのは確かだ。
 よくわからないのが競歩である。
「競歩はA標準突破者が多いが、種目のレベルを勘案した。入賞、もしくはそれに準じる活躍が見込まれる選手という考えだが、決勝進出と考えればレーンの種目は8名だが、1万mなどは20名なので、準決勝、本番で16位を狙えるかどうかを目安にした」と澤木強化委員長はコメントした。後で確認すればよかったのだが、この準決勝レベルというのがA標準突破者のことを指すのか、このコメント後に続いたB標準突破者の話なのか、記者たちの間でも見解が分かれた。
 要は、今までの成績だけで追加されると考えていたらいけない、ということだろう。どの種目の選手も、最終発表までに何らかの結果を残す必要がある。


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