2003/5/5 水戸国際
男子100 m@
末續10秒03、国内日本最高!
「青ざめました。行ったと思いましたから」

 パトリック・ジョンソン(豪)が快勝した男子100 m。「9秒92」で速報タイマーが止まっただけに、約1m差でジョンソンに続いた末續慎吾(ミズノ)のタイムが注目された。風は「+1.8」。ジョンソンの正式タイムがまず「9秒93」として発表された。オセアニア選手としては初の9秒台。ジョンソンのタイマー前での記念撮影が終わっても、末續のタイムはわからない。だが、やがて、10秒03というタイムが伝えられた(通告ではなく、伝言が運ばれてきた)。

「青ざめました。行ったと思いましたから。でも、正直、(走りの内容としては)パッとしないレースでもありました。追い風に助けられましたね。運よく出た自己新です。自己新ですから嬉しいですけど、伊東(浩司)さんの10秒00がありますからね。それを超えるために、走っているんですから」

 レース展開はスタンドからではなく、グラウンドのゴール地点から見ていた。必ずしも正確ではないが、前半から6レーンのジョンソンが僅かながらリードを奪っていた。末續も大差なく続き、後半の走り次第では逆転も可能かと思われた。だが、中盤(50m前後か)でジリっと差が開いた。終盤20mで、さすがの末續にも力みが出たように見えた(正確なレース展開は11日早朝3:20〜5:00のテレビ放映<テレビ東京>をご覧ください。朝原宣治は左ハムストリングの違和感が原因で欠場)。

「ラスト20〜30mで力みました。パトリックは元々強いし、ここで勝った負けたと言ってもなんですし。あくまで、パリ(世界選手権)のファイナリストが目標です。でも、ゴール前でグイッとやれば(9秒台は)出ちゃう、そんな感じもしました。条件さえよければ、10秒0台ではまた(いつでも)走れるでしょう」

 残念ながら9秒台ではなかったが、国内日本最高記録が誕生した。従来の国内日本最高は10秒05。昨年、この水戸国際で末續が、日本選手権で朝原宣治(大阪ガス)が出した。それを0.02秒上回ったのだ。ただ、末續の日本歴代順位は3位のまま。末續の上にはいぜんとして10秒00の伊東浩司、10秒02の朝原がいる。

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