2003/4/12 日大・東海大対校
今年の東海大短距離は400 mブロックが好ダッシュ
その3
早くも4人が自己新、4×400 mRで学生新も射程内に
東海大400 mブロックの強さは45秒78の冨樫に続き、2位・山口有希(2年)が46秒14、3位・中澤裕二(3年)が46秒64、4位・西埜翼(3年)が46秒85と、4人が47秒を切ったことで際だった。さらに、昨年の国体2位の北岡慶昭(4年)が46秒55、400 mHに優勝した対馬庸佑(4年)も46秒88のベスト記録を持つ。
冨樫・北岡・対馬と4年生が頑張っているが、2・3年生もそれに続いている。というか、2年生の山口が昨年の日本インカレ優勝者であり、今季も早生まれのためジュニア資格があり、45秒77のジュニア日本記録更新も狙っているという。昨年は末續慎吾・宮崎久の両エースがアジア大会代表になるなど、日本インカレ短距離5種目制覇はショート・スプリントが全体を引っ張っていた。今年も、吉野達郎(3年)らが頑張りそうだが、まずは400 mブロックが狼煙を上げた格好である。
ただ、この日の好記録はコンディションに恵まれた部分が大きい。バックストレートが追い風だと上手くリズムに乗れ、それほど力を使わずに、200 mを好タイムで通過できるのだ。高野コーチも試合後のブロック・ミーティングで「風がよかった部分はあるから、実力かどうかはわからない」と選手に話していた(「自信にはしてほしい」とも、付け加えていたが)。
4×400 mRの学生記録は日大が2000年に出した3分03秒71。その年、五輪代表になる山村貴彦(富士通)を筆頭に、小林稔(富士通)、向井裕紀弘(西濃運輸)と、その後インカレの個人タイトルを取る選手が揃っていた。そう簡単に出せる記録ではないが、冨樫も「4×400 mRの学生記録(3分03秒71)を狙いたい」と話しているように、今年の東海大にはそれにチャレンジしてもらいたい選手が揃ってきた。
山口コメント
「47秒台前半が出ればいいと思っていましたから、思ったより良かったですね。ラストはきつかったですけど。去年までは前半が遅くて後半だけ、というレースでした。今年は前半が飛ばせるようになりました。風がよかったんでしょうが、ゆっくり入ったのに200 mが21秒7くらいだったそうです。その分、ラストがきつかったですね。今年は前半から突っ込んで、上手いレースをしていくことが狙いです。200 mにも出られたらいいですね。200 mのベストは高校2年のときの21秒99ですし。
冬はけっこう調子が良かったんですが、冨樫さんには負けていました。試合で勝てばいい、と思っていましたが…。日本代表の人たちとも練習しましたが、1本なら付いていけますが、本数が増えると付けません。冨樫さんには250mのTTで、1秒くらい負けていました。
ジュニア記録は狙えたら、狙いたいですね。東海大でやっていることにすごく自信を持ててきたので、色んな先輩方についてやっていけば、まだまだやれると思います」
高野進コーチのコメント
「冨樫は3月の沖縄でのトライアルで47秒4が出ていましたから、46秒台中盤は予想していましたが、45秒台は半信半疑という感じです。確かに、練習でいい者が、その力を出しているとは言えますけど。小坂田(淳・大阪ガス)なんかにも善戦していました。今日、47秒を切った4人は全員が自己新。4人とも沖縄から調子がよかったですね。さすがに、45秒台が出るとは思っていませんでしたし、本人たちも今季の目標が45秒台と言っていましたから。こちらからも、「簡単には出ないよ」と言っていたんですよ。
今日の4人に、去年までの記録を含めると北岡と対馬が加わって、6人が47秒を切っています。努力をすれば、このレベルまでは行けます。
400 mでも通用する対馬に400 mHを薦めたのは、世界的な視野で考えてのこと。身長もあるし走力もある、両足で踏み切れるのも強みです。
100 m・200 mは強いのが抜けちゃいました。その中では吉野がいいですね。ケガさえなければ、そこそこ行くと思います。上野と松本は“しばしの辛抱”です」
その1 冨樫が45秒78と世界選手権B標準突破
その2 対馬、400 mHの大学デビュー戦で50秒97
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