2013/2/20
第一生命退社から約1年
野尻がヒラツカ・リースと所属契約
本格的な競技生活を再スタート
距離スキー出身という経歴を持つ野尻あずさが、イベント備品等レンタル会社のヒラツカ・リースと所属契約を結んだ(STCI野尻あずさ選手所属契約のお知らせ)。昨春の第一生命退社後は練習強度やレース出場を抑えていたが、今月24日の東京マラソン出場など、今回の契約を機に競技活動も本格化させる。
野尻はマネジメント会社(STCI)を通じて以下のようにコメントした。
「この度、契約させて頂く事になり、大変心強く、嬉しく感じております。ヒラツカ・リース様の伴走で、より強い気持ちでレースに挑むことができると思います。2016 年のリオデジャネイロ五輪を目指して、一年一年レベルアップしていけるよう日々精進して参ります」
2011年テグ世界陸上に出場(19位)した野尻だが、昨年の大阪国際女子マラソンで自己新を出したもののロンドン五輪代表入りに失敗。第一生命を退社して故郷の富山に戻った。その後の競技活動については大阪国際女子マラソンの際の記事で紹介している。
野尻のマラソン全成績
年 |
月日 |
大会 |
成績 |
記 録 |
2004 |
10.03 |
ポートランド |
2 |
2.50.04. |
2010 |
1.31 |
大阪国際女子 |
8 |
2.29.12. |
2011 |
4.17 |
ロンドン |
12 |
2.25.29. |
2011 |
8.27 |
世界選手権 |
19 |
2.33.42. |
2012 |
1.29 |
大阪国際女子 |
3 |
2.24.57. |
2013 |
1.27 |
大阪国際女子 |
ペーサー |
|
昨秋から練習を本格化させたが、継続的な練習はまだ不十分。大阪での取材の際に、東京マラソンの位置づけを以下のように話した。
「大阪は他の選手たちのためにペーサーとして出場して、気持ちを1つ入れて、東京は自分のマラソンですが、タイムや順位にこだわるのでなく、純粋に走ることを楽しみたい」
結果にはこだわらないが、“抑えた走り”をするわけではない。
「自分の持ち味は思い切り。失敗をおそれずに走りたいと思っています。そういうマラソンができたら課題が見つかると思いますし、新たな発見もあると思います」
強度の強い練習の継続は不十分だが、今後のトレーニングの方向性を探ってきた1年間でもあった。大阪の記事でも紹介したように、年末の伊豆大島では7日間に50km走を3本こなす練習にもトライした。
「タイムは3時間20分くらいですが、そういう練習をしてもなんともない、走るのが普通の体をつくりたいんです。止まっていたら調子が悪い、というくらいになりたい」
この1年間は自分の走るスタイルを見つめ直してきた。老若男女、多くの人々が思い思いに走る姿に接して、競技を突き詰めていく自分にプラスとなる部分は何かを考えてきた。ストレスなく追い込んだ練習をするスタイル、気持ちを固めてきた1年間だった。
再スタートの時期にスポンサー契約が決まったのは、野尻にとって、この上ないタイミングだっただろう。
2016年のリオ五輪が最大目標で、メダル獲得も狙っていく。
「ただ、気持ちが先走って終わるのはよくないので、その気持ちで一歩一歩積み上げていきたい。その意味でも、この1年間は焦らずにやっていきます。悔いの残らないマラソンをやって、最終的に“やったんだ!”と思えるようにしたいですね」
新しいスタイルで走り出した野尻の今後に注目したい。
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