2002/2/8
東京国際マラソン記者会見 外国招待選手編  国内招待選手編
『我々のシステムはいつでも、どんな大会にも対応できるようにしている』(シメレツ)
『競技人生で一番いい状態。37kmからが大変だと思う』(レイ)
『上りを重点的に練習した。ワイナイナとフズダドが強力なライバル』(コルテス)


於第一ホテル
2月8日 15時〜
出席者 アレマエフ・シメレツ(エチオピア)
    フリオ・レイ(スペイン)
    フランシスコ・コルテス(スペイン)

<代表質問>
Q.今大会に向けいつから、どのくらいの練習を積んでこられたか、具体的のお話ください。また、3人とも昨年2時間7分台を出していますが、そのときと比べて体調はどうでしょうか。
シメレツ 我々は、今回のレースのためだけに練習しているのではなく、我々のシステムはいつでも、どんな大会にも対応できるようにしています。ですから、いつから始めたとは特定できませんが、日曜日(レースのこと)に向けて、今は十分な準備ができています。身体的なコンディションも十分です。
レイ 世界選手権のあと、9月からフィジカルトレーニングを始め、このマラソンへの本格的な準備は11月から始めました。距離的には、週200 kmいかない程度で、クリスマス以降は週に200〜220kmくらいです。体調的には2時間7分を出したときよりも良く、私の競技人生で最もいい状態。自己記録(2時間07分46秒)を更新したいと思います。
コルテス フリオと同じように、世界選手権のあと、練習を始めました。10月から11月中旬まではフィジカルトレーニングが中心で、長い距離は走りませんでしたが、11月中旬から12月は体力(持久力?)をつけるトレーニングに切り換え、上りを重点的にやりました。12月から1月は、上りのトレーニングをやめて、インターバル中心の練習を行いました。距離的にも、さらに長い距離の練習でした。準備はこれまでのマラソンで一番良くできたと思います。これもフリオと同じですが、競技人生で一番いい時期だと思っています。ハンブルクで出した自己記録(2時間07分48秒)を更新し、3位以内に入りたいと思っています。

Q.スペインのおふたりに。この大会はヨーロッパ選手権の選考レースにも指定されているそうですが、どんな順位、タイムで走りたいと考えていますか。
レイ 今回来日した最大の目標は、レースに勝つことです。そして2時間07分23秒(スペイン記録=ファビアン・ロンセロ)を1秒でも上回りたい。
コルテス 今回、フズダドも来ていますが、スペインのマラソンのレベルは高く、ヨーロッパ選手権に出るためにはいい記録が必要です。フリオも言いましたが、スペイン記録の2時間07分23秒を破ることが目標です。

Q.シメレツ選手にも目標順位とタイムをお願いします。そしてアベラ選手、女子ではロバ選手、ツル選手と、エチオピアから強い選手が次々に生まれる秘密は何であると考えていますか。
シメレツ エチオピアには有名なランナーがたくさんいますが、特に秘密はないと思います。1つの目的を達成するため、練習し、練習するだけです。特に長距離選手は練習を一緒にし、お互いを助け、記録を高め合っています。日曜日の記録は、気象状況、レース展開によって変わってくるので、今は明確に言うことはできません。私自身としては、いい記録を残したいと思っていますが。

<このあとは個々の記者からの質問>
Q.スペインのおふたりは世界選手権で惨敗しましたが、帰国されて周囲の反応はどうでしたか。日本ではいくらオリンピックや世界選手権以外のレースで好走し、タイムを出しても、本番で失敗すると世間的には評価されないのですが。
(レイとコルテスのこの質問への回答は別原稿で)

Q.東京のコースはどの程度知っていて、どこが大変だと思いますか。
レイ 最近のレースのビデオを何本か見ました。カーブなどチェックしました。37kmから選手たちが苦しんでいる姿を見ました。37kmからが大変だと思います。
コルテス コースの特徴はスペインですでに、東京を走った選手から聞いていました。最後はきついけど、前半は比較的楽だと思っています。前半を積極的に力強く走り、後半は同じリズムをキープし、最後の5kmに臨みたい。
シメレツ 私自身が東京を走るのは初めてですが、ビデオを見たり、友人のメコネンから情報をもらい、コースの特徴は確認している。前半はイージーだが36km以降に坂があり、タフなコースだと思う。レースを上手く組み立てて、いい走りをしたい。

Q.ワイナイナ選手をどう意識していますか。そして、日本選手でライバルとなる選手はいますか。
レイ 彼の戦績が物語っているように、私にとって強力なライバルです。でも、彼だけでなく、新人で出てくる選手も、最後までライバルになるのではないか。
コルテス 今回のメンバーを見るとワイナイナ、同じスペインのフズダド、この2人が強力なライバルとなると思う。そして、ホームとして戦う日本選手にも、強力なライバルが潜んでいるのではないか。レースが始まれば、周囲を驚かせるような活躍をする選手が出てきても、不思議ではないと思います。
シメレツ シドニー五輪のことはよく覚えています。彼のアベラに対する戦いぶりなど素晴らしいレースだったし、ワイナイナはタフでいいランナーだと思います。彼が素晴らしいポジションを築いたことは、多くのアフリカ選手にとって幸せなことです。今回のライバルは今は特定できないが、ここにいる選手たちがびっくるするような、可能性を秘めた選手もいると思います。