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A標準突破者3人が激突するが、B標準突破者にもチャンス
谷川の復調がなければ、桜井・内藤の争いか!
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 今大会の注目種目の1つである。
 関東インカレで内藤真人が13秒69と世界選手権A標準(13秒70)を突破。A標準突破者が谷川聡、桜井健一と合わせて3人となった。だが、3人とも今季の選考会で出した記録ではないので、日本選手権3位以内でも自動的に代表には決まらない。自動的に決定するためには、優勝するしかない。日本選手権でA標準を突破して3位以内に入れば、自動的となる(ところで、日本選手権の予選でA標準を突破した場合、決勝で突破できなくとも3位以内で自動的に代表になるのだろうか? 文面を見る限り、予選でも決勝でも、日本選手権で出した記録ならOKと読めるのだが――と昨日書いたが、これは私の誤解でした。陸連発表の基準には、「選考会でA標準を突破して3位以内」という表記になっている。日本選手権は選考会であり、そこで出されて記録は予選であろうと決勝であろうと問題ない。念のため、陸連強化委員会の幹部にも確認済み)。
 以前にも書いたが、関東インカレで13秒72の2位になっている山田真利も好調で、日本選手権に優勝する可能性もある。もしも、そういったケースで山田がB標準突破にとどまれば、自動的に代表に選ばれる選手はいなくなってしまう。B標準突破の優勝者を選ぶか、負けたA標準突破者を選ぶかは、陸連の判断に委ねられる。
 ここまで混戦模様となっているのは、日本記録(13秒55)保持者でシドニー五輪代表の谷川が、小さい故障で試合に出られなかったからだ。東アジア大会(13秒98・±0)が第一戦だったが、完調ではなかった。
 谷川と同学年、昨年の日本選手権優勝者の浅見公博も、昨年ほどの調子ではなく、東アジア大会でも谷川に後れをとった。春季サーキットを見る限り、桜井と内藤の争いになる公算が大きい。レースは、スタートでリードするであろう谷川と山田を、桜井と内藤が追う展開となるか。
 谷川に本来の勝負強さが短期間で戻れば、後半も持ちこたえるだろうが…。戻らなければ、日本選手権で調子が上がった選手が勝つことになる。ここに紹介した選手全員に、その可能性がある。