100 m エントリーリスト
朝原故障で混戦に拍車
優勝候補は土江だが、実績の乏しい選手には好機
朝原宣治(大阪ガス)の2連勝が有力視されていたが、その朝原が東アジア大会で右脚を負傷して最終日の4×100 mRを欠場した。川畑伸吾(群馬綜合ガードシステム)は3月の世界室内後に故障、小島茂之(早大)も4月、5月と相次いで故障をして関東インカレは準決勝落ち。伊東浩司(甲南大AC)も、時事通信の報道によれば出場しないという。つまり、昨年のシドニー五輪4×100 mR代表で普通の調子を維持しているのは末續慎吾(東海大)だけ、ということになる。その末續は200 mに絞って出場することもあり、再度の“つまり”であるが、大混戦ということだ。
朝原のケガが、問題のない程度なら、朝原が本命となる。それを追うのが織田幹雄記念国際100 mで朝原に次いで日本人2位の松田亮(広島経大)、大阪GPで向かい風(といっても0.1mだが)の中10秒38の土江寛裕(富士通)あたり。川畑は東アジアの予選はからきしだったが、決勝の走りは調子が上向きであることを示した。
今季、10秒26の世界選手権のA標準突破者はいない。昨年、川畑、小島、安井章泰(スズキ)、伊東、福長正彦(東学大)、土江の6人が突破しているが、仮に日本選手権本番でA標準を突破して3位以内に入っても、短距離種目だけは自動的に代表にならない。しかし、負けるよりは勝った方がいいだろう。
福長も昨年の調子にはほど遠く、関東インカレの200 mでは途中で故障して歩いている。このままでは、低レベルの混戦となり、リレーメンバーの選考も難航しかねない。順位予想など、とてもできない状況だ。優勝候補を強いて挙げれば、日本選手権に強い土江ということになるが…。
実績の乏しい選手が優勝して自信をつけるのには、いい機会かもしれない。昨年、高2で7位に入った上野政英(野々市明倫高)がどこまでやるかも楽しみだが、高2〜高3は伸びるケースが多い。高校卒業後が肝心だ。