2001/4/1
室伏広治が82m23の日本新
2000年世界リスト3位相当の記録
今後は大舞台で力を出すことが重要に
●室伏広治の年次別ベスト記録の変遷
●日本記録更新歴
●室伏親子の国際大会成績と、その時点での自己ベストに対する達成率
●シドニー五輪入賞者の記録と、2000年シーズン自己記録に対する達成率
梅村学園記録会が1日、愛知県豊田市の中京大梅村陸上競技場で行われ、男子ハンマー投げで室伏広治(ミズノ)が82メートル23の日本新記録を樹立した。従来の日本記録は、室伏が昨年9月9日のスーパー陸上でマークした81メートル08で、一気に1メートル15センチも更新。昨年の世界ランキングでは、3位に相当する好記録だった。
室伏は1投目で日本新の82メートル21を投げ、2投目も81メートル85。最後
の6投目で、1投目を2センチ上回った。
新聞に掲載されたコメントは、以下のようなもの。
「1メートルの更新は大変。記録更新は総合力の成果で、どんどん伸びるものじゃないが、ベストを尽くして一投一投に臨めば、結果は付いてくる」(読売新聞)
「最初の試合で結構緊張した。今は数字は関係ない。全力で投げるだけ。試合をこなしていけば変わってくると思うけど」(日刊スポーツ)
室伏はシドニー五輪の1投目でファウルを犯した。距離は出ていたのに、ラインの左側に出てしまった一投だ。第三者的には、あれがラインの内側だったら入賞も、と悔やまれた。前日本記録保持者でコーチの室伏重信氏(中京大教)は、練習でこの点をを修正したことで、「フォームがよくなり分散していた力が集中した」(日刊スポーツ)と指摘した。
以下の2つの表(●室伏親子の国際大会成績と、その時点での自己ベストに対する達成率 ●シドニー五輪入賞者の記録と、2000年シーズン自己記録に対する達成率)からもわかるように、シドニー五輪での敗因は、力を出し切れなかったことにつきる。過去の国際大会で室伏親子が好成績を出したケースは、自己記録に対する達成率が高い。当然と言えば当然だが、シドニー五輪の上位8選手は、シーズン自己記録に対する達成率で室伏を上回っていた。
室伏自身、「メダルは狙おうと思わない」と再三公言しているが、いかに本番で力を出し切るかは、つねに考えていることに違いない。