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ただ、エージェントの発言力が強くなりすぎる問題点も指摘されている。ビジネス主導になりすぎて、選手強化にマイナスとなる例も欧米では散見されるからだ。上野もそこは肝に銘じている。
「試合を数多く入れればエージェントの収入は増えますが、我々は常に選手の強化や将来のことを考えています。そこは現場との意思疎通を密にしてやっていくべきです」と。一方、柳原も「世界の情勢にアンテナを張ることは大事ですが、全て欧米のエージェントがやっている通りにやらなければ、という思いはありません。日本の選手、指導者、チームに適したエージェント業でなければならないと思っています」と強調する。
上野がイメージしているのはケニア選手の発掘に貢献してきたイタリア人エージェントのローザ親子(ガブリエルと息子のフェデリコ)と、現地で指導にあたっているベラルッティ・コーチの関係だ。2時間5分以内のマラソン選手を何人も育てたカノヴァ・コーチと、代理人のディマドナ氏もしかり。
「有能なエージェントは、信頼できるコーチとの関係をしっかりと築いているんです。 |