2002/8/11
アジア選手権デイリー・ダイジェスト
と言っても、記録を見て気づいたことだけなんですが……。
★★★3日目★★★
女子100 mH・金沢と男子棒高跳・沢野が金メダル
男子三段跳の石川は価値の高い銀
女子800 m・松島は予選トップ通過
●女子20kmW決勝 Result
中国がワンツー。忠政良子(登利平AC)は1時間42分43秒で銅メダルだが、2位の中国選手とは5分以上の差をつけられた。
●女子やり投 Result
この日2種目目の決勝種目でも、中国が金銀独占。ただ、レベルはそれほどでもなく、優勝記録が57m15。日本選手でも十分メダルが狙えたレベルだが、山本晴美(長野市陸協)が48m73(5位)にとどまっているということは、かなり記録の出にくいコンディションだったのだろう。
●男子200 m予選 Result
予選は5組あって3着+1。相変わらず風の条件がわからないが、記録から類推して、あまりよくなかったはず。オールウェザーもやわらかく、走りにくいらしい。それはともかく、期待の若手・大前祐介(早大)が1組4位(21秒75)で落選。伊藤辰哉(富士通)も5組3位(21秒78)で辛うじて通過。各組のトップ記録を見ても、21秒2台が最高。彼らが20秒2台の記録を持っているのならベスト記録からマイナス1秒となるが、そうではないはず。日本選手は2人ともマイナス1秒以上。これでは戦えない。
●男子砲丸投決勝 Result
優勝はMubarak Bilal Saad S.(カタール)で19m22。榊原英裕(静岡陸協)は16m66で辛うじて8位。だが、レベルを見ると3位が17m98で、3位から7位が17m台。国際舞台で18mを投げられれば、メダルも可能となる。
●女子三段跳決勝 Result
この種目の「results」をクリックすると、男子棒高跳の成績が出てしまう。
●男子棒高跳決勝 Result
沢野大地(日大)が5m40で金メダル。中国選手が出ていなかったとはいえ、試技表を見ると2位と同記録というよりも、快勝に近い感じだったはず。ただ1人、5m20から跳び始めているあたりもすごい……が、ということは、5m50くらいは楽に跳べる調子だったのではないか。
それにしても、2位の選手は5m50を2回しか跳躍していない。女子棒高跳の小野真澄の記録といい、信用していいのだろうか。
●女子100 mH決勝 Result
金沢イボンヌがシドニー五輪セミファイナリストの貫禄を見せ、13秒40で金メダル。森本明子(さとえクラブ)は13秒84で5位。風は不詳だが、自己ベストとの差は金沢の方が小さくとどめている。そのあたりが、国際舞台で順位を上げる要素だろう、などと改めて書くまでもないかもしれないが。
●男子110 mH決勝 Result
ジュニア世界記録保持者の劉翔(中国)が13秒56で圧勝。風はわからないが、2位との差が0.40秒。圧倒的な力の差を持っている、と判断してよさそうだ。日本勢では桜井健一(ミキハウス)が14秒50で6位。故障上がりの内藤真人(法大)は14秒54で7位。選考基準の細かい部分はわからないが、アジア大会代表は難しくなった。
●女子1500m決勝 Result
優勝はBorisova Tatyana(キルギスタン)で4分16秒27。2位はカザフスタン選手で、旧ソ連の国が金銀。那須川瑞穂(積水化学)が4分19秒27で銅メダル。今季4分16秒台と自己新を出している好調ぶりを、国際大会でも発揮した。4位に川島亜希子(UFJ銀行)。
ただし、この種目にも中国が選手を参加させていない。金銀を占めたり、参加しなかったり……今回に始まったことではないが、どうも中国の姿勢というのは、第三者からはわかりにくい。
●男子1500m決勝 Result
優勝は1984年生まれのSuleman Abdulrahman(カタール)で3分45秒98。小林哲也(福田組)は3分49秒93で5位。レース展開がわからないが、4秒差というのはちょっと、ショックの大きい差である。上位が強かった、と言ってしまえばそれまでであるが。
●女子200 m予選 Result
3組2着+2が決勝進出条件。信岡沙希重(ミズノ)が2組3位(25秒03)でなんとかプラスに引っかかった。期待の若手・草薙絵梨子(仙台大)は3組4着(25秒50)で落選。
●男子200 m準決勝 Result
2組4着が決勝進出条件。伊藤辰哉は1組4着で通過。予選も3着+1で3着だったのだから、しぶといというか、水際の勝負に強いというか…。ただ、今年の伊藤はかなり好調だと思われていたが、トップと0.45秒差というのはやや期待以下か。
●男子三段跳決勝 Result
石川和義(筑波大2年)が大舞台に強いところを証明した。16m42と自己2番目の記録を跳んで銀メダルを獲得したのだ。石川の自己ベストは7月の南部記念でマークした16m47。そのときは公認許容範囲ぎりぎりの追い風2.0mだったが、今回は向かい風0.5m。しかも、条件の劣悪な国際大会である。かなり価値の高い銀メダルといえそうだ。
石川は2年前のインターハイでは1cm差で優勝。同年の世界ジュニアでは予選落ちだったが、自己記録に7cmと迫る跳躍を大舞台で披露した。昨年、今年と自己ベストをインカレという“頑張らないといけない試合”で出している点も頼もしい。
これで、学生初の17mジャンパー候補の一番手に浮上した。と書いておけば、この日9位に終わった先輩の渡辺容史(筑波大4年)も奮起するだろう、というのは南部記念の時にも書いたことだが。
●男子やり投 Result
優勝は中国のLi Rongxiangで82m75。2位から4位までが79m台で、村上幸史(スズキ)を送り込むアジア大会も、楽な戦いにはならないことを予感させた。しかし、4位の選手の記録が2位の選手よりもいいのだから、スリランカは不思議な発表をする国である。
2 464 Voynov Sergy UZB 1977 79.70m
3 235 Pak Jae Myong KOR 1981 79.22m
4 149 Bishnoi Jagdish Kumar IND 1972 79.92m
日本の白岩志朗(紫郊クラブ)は68m37で9位。1投目にこの記録を残しながら、2投目・3投目と上回れず、ベスト8に残れなかった。
●男子800 m準決勝 Result
2組4着が決勝進出。森祥紀(自体学)は2組3位で通過したが、鈴木尚人(東海大)は1組7位で落選。力の差か、経験の差か。
●女子800 m予選 Result
2組3着+2が決勝進出条件。松島朋子(UFJ銀行)が1組1位、杉森美保(京セラ)が2組2位で通過。ただ通過しただけでなく、接戦に競り勝っている。松島は4位までが2分9秒台、杉森は4位までが2分11秒台。全員が力を貯めていた結果といえなくもないが、その中できっちり上位で通過するのは悪いことではない。
●十種競技初日
一日目終了時点の日本選手成績は以下の通り(KUMA's STYLEより転載)。
▽石沢雅俊(小島プレス)
3364点 【11.43‐6.87‐10.97-1.55(!?)-49.37】 (自己記録時のペース−525点)
▽平田卓朗(日体大4年)
3716点 【11.50‐6.94‐12.04-1.88-49.05】 (自己記録時のペース−179点)
▽今季8030点の中国新、ジュニアアジア新をマークしている弱冠19歳の斉海鵬も出場
4046点 【11.24‐7.52‐13.14-1.94-48.76】 (自己記録時のペース−1点)
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