2016/3/6 びわ湖マラソン直前
どうなる? 暑さの中のレース展開
3分00秒ペースは日本選手にはオーバーペースか?
代表切符を手にするために求められる判断力
★ペース設定が1km3分02秒、5km15分10秒に変更されました
前日会見ではほとんどの選手が“サブテンで日本人トップ”を目標に掲げた。福岡国際と東京の選考2レースが終わり、サブテンは福岡で2時間08分56秒(3位)の佐々木悟(旭化成)ただ1人。“サブテンで日本人トップ”なら、リオ五輪代表入りが確実となる。
だが、当日の気象状況は、6日9時の時点で12℃。スタートする昼頃には20℃近くになるという予報も出ている。宗猛男子マラソン部長は前日会見後に、次のようにコメントした。
「あの瀬古(利彦・現DeNA総監督)でさえ、16.5℃で2時間12分41秒かかった(88年びわ湖)。普段の17℃と、10℃が続いているこの時期の17℃ではまったく違います。(選手たちは)2時間8〜9分台と前向きだが、私は難しいと思う。8〜9℃でも3分00秒で30kmまで押すのはきついのだから、17℃のなかで30kmまで3分00秒ペースで押すのは至難の業」
それならば、30kmまで1km3分00秒で先導するペースメーカーを、もう少し遅いタイムにしてもいいのではないか?
「大会としては、(3分00秒ペース)でやるということです」と、事情があっての決定のようだ。
「3分00秒ペースについて行って、落ちてから粘る展開になるでしょう。東京のように1人(村山謙太・旭化成)がボーンと抜け出て、誰もつかないレースより、はっきりしたレース展開になる。みんなオリンピックを狙い、ついて、我慢した選手が代表になれる」
びわ湖の日本人2位のタイムが2時間11〜12分要し、東京の日本人1位を下回ったときに、代表人数を減らすべきという話にならないようにするため、事前に意見を表明したのだろう。
レース展開で難しくなるのは、3分00秒ペースを維持しようとする積極姿勢を、どこまでとるべきか、というところ。宗猛部長の指摘するように、30kmまでそのペースを維持するだけでも相当の負担になる。早めにマイペースに切り換えた方が確実に力を出せると思われるが、誰か調子の良い選手が、そのまま逃げてしまう可能性もある。
4年前は暑さではなかったが、最後まで外国勢トップを追った堀端宏行(旭化成)や出岐雄大(中国電力。当時青学大)らが、最終的には順位を落として代表を逃している。
どこで離れるか。離れた後に、自分がどう粘ることができるか。難しい判断を、正確に行った選手が代表切符を手にする。
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