2012/6/12 モスクワ世界陸上代表選考要項発表
マラソン編
“派遣設定記録” が2時間07分59秒と2時間23分59秒に
海外の5メジャースも指定レースに

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 来年の世界陸上マラソン選考会は、すでに8月末の北海道マラソン(女子のみ)から始まっているが、有力選手が出場するのは今週末(9月30日)のベルリン・マラソンから。そこで6月に発表されたモスクワ世界陸上の選考基準を改めて紹介しておこうと思う。
 発表された選考レースと選考基準はこちらに。

 男女とも陸連主催3大会で“派遣設定記録”を破った日本人1位選手は、その場で代表に決定する。ただ、“派遣設定記録”が男子は2時間07分59秒、女子は2時間23分59秒と一気に高くなった。これまでも“派遣設定記録”が設定されたことがあったが、男子は2時間09分29秒、女子は2時間★分★秒(あとで調べて掲載)が最高だった。
 日本人1位でもこの記録を下回った場合と、“派遣設定記録”を破っても日本人2位以下の場合は、最後の海外指定レース後の理事会での決定となる。

 海外のワールド・マラソン・メジャース5大会も“指定レース”となった(選考レースではない)。2009年ベルリン大会、前回のテグ大会と海外レースまで選考枠を広げたことはあったが、“派遣設定記録”を設け、そのタイムをクリアすれば代表にするケースは初めて。ボストンは下り坂コースで国際陸連公認記録とはならないが、“派遣設定記録”の対象としては認められる。
 ただ、海外大会での代表枠は最大2人まで。3人以上が“派遣設定記録”を破った場合も理事会での決定となる。タイムの良い順に選ぶという基準もない。つまり、海外レースに出場して“派遣設定記録”を破っても、その場では決まらないということである。

 今回の基準では海外レースで“派遣設定記録”を破らなかった場合、代表には選ばれない。2時間8分00秒でロンドン・マラソンに優勝しても、代表にはなれないことになる。
「せっかく海外のレースを選考対象としたのに、項目3)で国内の大会に絞るのはなぜか?」という質問に対し、尾縣貢専務理事は次のように説明した。
「海外指定レースは5つあり、国内の選考競技会とも兼ねられるスケジュールです。海外にどんどん出てもらいたいということと同時に、国内の大会も大切にしてほしいということです」

 また、他の海外大会を対象外にした点にも疑問が出た。ドバイやアムステルダム、フランクフルトなどに出たい選手が現れるかもしれない。
「他にもゴールドラベルの大会もあるなかで5つに絞ったのは、日本人選手が過去に走ったことがあり、コースの特性を把握しているものにしたいという理由です」

 選考の間口を海外レースに広げる一方で、国内大会にも配慮したといえる今回の選考基準。と同時に、レベルの高い記録を選手に求める姿勢を打ち出した。
 12月の福岡国際マラソンで2時間8分00秒で日本人トップとなっても、代表決定まで約5カ月間待たされるのだ。最悪、代表5人全員が4月下旬まで決まらないことも考えられる。
「問題も出てくるかもしれませんが、それを上回るプラスも出てくると思う」(尾縣専務理事)
 多少の混乱も想定した上で、高いレベルを求める陸連の姿勢が鮮明になった。

9〜11月の海外指定レース出場日本選手(判明分)
●ベルリン・マラソン(9月30日)
藤原正和(Honda)
石川末広(Honda)
井川重史(大塚製薬)
加納由理(資生堂)
相川友香(セカンドウィンドAC)

●シカゴ・マラソン(10月7日)
堀口貴史(Honda)
熊本 剛(トヨタ自動車)
森脇佑紀(JFEスチール)
門田浩樹(カネボウ)
岡本直己(中国電力)
小林光二(SUBARU)

●ニューヨークシティ・マラソン(11月4日)
福士加代子(ワコール)
大久保絵里(セカンドウィンドAC)


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