2013/10/18 日本ジュニア・ユース1日目
女子やり投好記録続出レポートA
シニアからジュニア、ユースとすべてのカテゴリーで活況
「年上の強い人と戦えるのはこの大会だけ。先輩たちと戦って勝てたことが嬉しい」(斉藤)

女子やり投好記録続出レポート@から
 記録を出したのは高3の斉藤、高2の梶原だけではなかった。高1の北口榛花(旭川東高)が49m31をマークし日本ユース3位。1年時の梶原の記録にまったく並ぶ高1歴代2位を投げた。
 6月の日本選手権でジュニア日本記録保持者となった久世は、日本ジュニアでは51m93で4位に終わった。夏の終わり頃から右肩に痛みが出て、9月の日本インカレ後に症状が悪化したのが原因だった。
 だが、久世の日本インカレの優勝記録は56m35で大会新だった。
 日本記録保持者の海老原有希(スズキ浜松AC)は2011年のテグ世界陸上で決勝に進出。昨年のロンドン五輪、今年のモスクワ世界陸上も決勝進出にあと少しという成績を残している。
 女子やり投はシニアから学生、ジュニア、ユースと、全てのカテゴリーで活況を呈している。

 斉藤は今季、高校生間で無敗を続けてきた。インターハイ、国体、日本ジュニアの3冠も達成したが、日本ジュニアの価値の高さを認めている。
「久世さんや山内(愛・大阪成蹊大)がいらしたので、3冠を取れるか不安でした。年上の強い人と戦えるのはこの大会しかありません。先輩たちと戦って勝てたことが嬉しいです」
 高校記録を出せなかったことに悔いは残るが、「最高の高校生活を送れた」という。卒業後は海老原が練習拠点とする国士大への進学を希望。安定した強さは海老原と通じるものがある。
「リオ五輪や東京五輪のことまではまだ、あまり考えていません。記録が伸びてきたら意識すると思いますが、まだまだです。基本的なことを大事にして、目の前のことに1つ1つ取り組んでいきます」

 梶原は2011年テグ世界陸上代表だった宮下梨沙に指導を受けている。
「今シーズン、記録を出せたのは自分だけの力ではありません。周りで支えてくださっている方たちのおかげです。高校記録まで1mちょっとなので、更新することで恩返しをしたい。将来的には梨沙先生に勝ちたいですね。『あなたには絶対負けない』って言われていますが、色々と教えてくださるからこそ、勝ちたいんです」
 宮下は2011年の日本選手権に60m08で優勝した選手。宮下を超えることの先には当然、世界という舞台が待っている。11月の西日本カーニバルで久しぶりに直接対決する。

 下の世代からの突き上げを受ける立場になった久世が、今の女子やり投の状況について次のように話した。
「すごい刺激になっています。人の記録は気にしないようにはしていますが、やり投が注目されているので、今後も(皆で)どんどん記録を出していきたい。海老原さんが世界で戦われているので、自分も早くその舞台に出たい」
 世界への道筋が明確に見えているのが、日本の女子やり投の強みだろう。2020年東京オリンピックの有望種目と言って、異論は出ないはずだ。


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