2013/3/10 名古屋ウィメンズマラソン
今年も心打たれる言葉が多かった野口のレース後会見 後編
「走ることが本当に好きで、まだ世界をあきらめきれないというか、できることならずっとやっていたい」
「もう絶対に泣きません。このまま強気で、ぐいぐい行こうと思っています」

前編からのつづき
「ファンの人たちと触れ合えただけでも、やるぞ、という気持ちになれました」
Q.オリンピックで頂点を極めた野口さんが、今でも日の丸を付けることにこだわる理由は何なのでしょう?
野口みずき 走ることが本当に好きで、まだ世界をあきらめきれないというか、できることならずっとやっていたいって思うんです。ずっと日の丸を目指してやっていたい。できることろまで、とことんやって終わりたいです。でも今日“まだできる”という手応えをつかめたので、まだ終わりません。
Q.いつもファンの言葉が支えになる、とお話されていますが、最近も茨城や九州でイベントに参加されました。印象に残っている言葉が何かありますか。
野口 言葉というよりも、熱狂的なファンの人たち、子どももたくさんいて、その人たちと触れ合えただけでも、今回のレースに対してもやるぞ、という気持ちになれました。陸上教室の写真撮影で私の腕から離れないんです。最後のイベントが宮崎でしたが、特に熱狂的でした。宮崎女子ロードを走ったこともあるからなのか、ファンの人がいっぱいいるんです。すごくよかったです。

「昨年の名古屋の後、右ヒザの骨挫傷で走れない期間も長くありました」
Q.初マラソン初優勝が名古屋国際女子(2002年)で、去年の名古屋が4年4カ月ぶりの出場で涙を流されました。今日はそれを上回る3位で笑顔でした。名古屋に対してどのような思いがありますか。
野口 去年は悔しさと、42.195kmを走る場所に戻ってこられてよかった、走り切れてよかったと、色々な思いがありました。今回はステップアップできましたし、レースを自分でつくれたという部分もあります。全盛期の自分を取り戻せるかな、という思いになれました。昨年の名古屋の後、右ヒザの骨挫傷で走れない期間も長くありました。そこから立て直してここまで戻ってこられました。もう絶対に泣きません。このまま強気で、ぐいぐい行こうと思っています。

「後半は絶対にエチオピアの選手に負けないという気持ちで走っていました」
Q.今日はアフリカ勢と走りました。世界が高速化しているのに日本は取り残されている現状もありますが、ロンドン五輪を見たり、今日走ってみて、日本の現状をどう思いますか。
野口 今日2時間24分台だった自分が言うのもなんですが、世界はだんだん変わってきていると思います。世界は20分を切ったり、21〜22分は当たり前というなかで、日本は後れを取っています。今回エチオピア、ケニア勢が出るので、絶対に負けないという気持ちで走りました。私の走りを見て、日本選手が刺激をもらってほしいな、という思いがありました。後半は絶対にエチオピアの選手に負けないという気持ちで走っていました。それを刺激にした若い子がタイムを狙ってほしいですね。

「(2時間18分台も)できないことはない、と信じてやっていきます」
Q.野口さんご自身がもう1回2時間19分台を狙う、それで完全復活するということは?
野口 カッコイイですよね。監督のマラソンの自己記録を切ることも目標にしています。18分台ですけど(2時間18分55秒)。それを狙えるかな? わからないですけど…、少しずつ戻ってきているので、できないことはない、と信じてやっていきます。
Q.ご両親も沿道で応援されて、走りを見られて「戻ってきている感じがする」とお話しされていました。ご両親へはどんなお気持ちを持っていますか。
野口 ありがとうございます。ゴール直後に会って、ありがとうとお礼を言ってきました。つらい時期も見てもらっていますし、しょっちゅう電話をしたりはしていませんが、本当に見守ってくれている感じがしています。両親にはいつも感謝しています。


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