2012/8/6 ロンドン五輪展望
4日目(8月6日)午前の部
100mH予選に木村登場
準決勝には13秒0台が必要か?
大会4日目午前に出場する日本選手は以下の2人。
女子100mH予選1組:木村文子(エディオン)
男子800m予選5組:横田真人(富士通)
女子100mH予選は6組あって3着+6が準決勝進出条件。木村文子の組には昨年の世界陸上4位のポーター(イギリス)を筆頭に12秒6台のシーズンベストが2人、12秒7台が2人いる。着順で通過するのは難しいので、プラスで通過できるかどうか。
昨年のテグ世界陸上は13秒13(±0)、ベルリン世界陸上は13秒19(−0.3)、北京五輪は12秒98(2人いて−0.6と−0.2)。北京五輪の通過ラインが高いのは準決勝が2組だったからだ。ベルリン以降は準決勝が3組になっている。ベルリンとテグの実績から判断すると、13秒0台を出せばプラスに入る可能性が高くなる。
木村の自己記録は13秒04。セカンド記録が13秒19なので簡単なことではない。
木村のスタイルは、同郷の後輩でもある山縣亮太(慶大)と同じで、他選手との競り合いを利用するのではなく、自分の動きに集中すること。ただ、「色んなことを考えてしまう」ことが多いと、織田記念の前日に話していた。
「本当に無になって、心がけるのは**だけという走りをしてみたい。それができたのはこれまで1回しかありません」
オリンピックという舞台でそれをするのは至難の業だが、ここまで来たらどうあがいても仕方がないと、良い意味で開き直れることもある。13秒0台。出せない記録ではない。
44年ぶり出場の800mの横田
注目点は中盤での前との差
男子800m予選は7組あって3着+3が準決勝に進出できる。横田真人の入った5組では、7月20日と直前になって1分43秒74の自己新を出したロペス(スペイン)、今季1分43秒88のやはり自己新を出したマフルーフィ(アルジェリア)の“地中海勢”が強そう。中距離は組によってペースが大きく違うので「+」を期待して走るわけにはいかない。横田は3位争いに勝つことを考えて走るはずだ。
地中海勢2人の他にはシーズンベストで1分44秒台が2人、1分45秒台が1人。これまでの横田の走りでは通用しないだろう。
だが、この冬のサンタモニカTCでの追い込んだトレーニングは、単純に強い選手と競り合い、勝つことを目指して走り続けた。その成果は、国内よりも国際試合の方が出しやすい。今季で言えば、1分46秒19のシーズンベストを出したテグ国際がそれに近かった。
具体的な展開では、レース中盤で前との差を開けられないことを課題としている。7月のナイトオブアスレティックではそこを試して上手くできた。調整していなかったため、最後にペースダウンして1分49秒31(10位)だったが、最後の1カ月でそこはきちっとやってきているはず。
注目ポイントは400m〜600mで前との差を開けられないかどうか。そこでしっかり走れたら、あとは横田の根性に期待するしかない。
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