日本選手権2010・日付別展望
第1日・6月4日(金) 男子編
1万mは北村vs.佐藤の様相だが混戦模様
畑山の60mは?


●男子1万m決勝
 5月1日のカージナル招待で竹澤健介が27分55秒02、真壁剛が27分57秒53と2人が28分を切った。佐藤悠基はブルータスハミルトン招待で28分27秒93。昨年のタイム(27分38秒25の日本歴代3位)とは差があるが、優勝した点が評価できる(真壁にも勝っている)。
 国内では兵庫リレーカーニバルで北村聡が28分19秒01で日本人トップ。宇賀地強が2秒57差で続いた。昨年の日本選手権優勝者の岩井勇輝も、静岡国際5000mで13分35秒67の自己新。世界選手権以来のレース復帰だったことを考えれば、上り調子と見て良いだろう。駅伝で好調だった岡本直己もV候補の一角。
 現時点では竹澤と佐藤が一歩リード。竹澤が5000mに絞れば佐藤優位か。

=陸上競技マガジン6月号記事。以下同

 ゴールデンゲームズinのべおかが中止になったこともあり、陸マガ展望記事後に大きな情勢の変化はない。北村聡と佐藤悠基の日清食品グループコンビがV候補の双璧だが、チャンスは多くの選手にありそう。選手層の厚い種目というか、力の近い選手の多い種目だけに、レース当日にピークを合わせられた選手が勝つことになりそう。
 前回優勝の岩井勇輝も、ここに来て状態が良くなっているようだ。昨年末の甲佐10マイルに出場しているが13km地点で途中棄権(左ふくらはぎに強い張りを感じたため)、実質的に世界選手権以来のレースとなった静岡国際で自己新を出したのは能力の高さを示している。

●男子三段跳
 織田記念は石川和義が16m35(+3.3)で日本人1位。17mが期待されながらケガで練習が継続できなかったが、今季はどうだろうか。万全なら頭1つ抜け出た存在だ。
 織田記念日本人2位の梶川洋平は昨年の日本選手権も2位。今季は昨年より良いシーズンインをしている。昨年のように状態を上げてくれば、日本選手権初Vも可能性十分。
 織田記念日本人3位の十亀慎也は16m16。潜在能力の高い選手だけに、きっかけをつかめば16m50を超える可能性も。
 残念なのは、2月のアジア室内で16m33を跳んだ藤林献明が、アキレス腱を故障して日本選手権に間に合わないことだ。


 梶川洋平が中部実業団で16m36(+1.5)の今季日本最高をマークした。「昨年から取り組んでいる助走がものになりつつある」というニュアンスの幹渉監督コメントが、M&Kサイトに出ていました。直前の状態は
「先週の土曜日に最終チェックを行った段階での状態は、正直に言って6〜7割といったところ。筋の張りが少し強いようです。これがほぐれてくれば問題ない状態で、おそらく今シーズンで一番勢いのある跳躍ができるでしょう」(幹監督。M&Kサイトから引用)
 16m45の自己記録を跳んだのは法大時代の2005年。そろそろ更新しそうな雰囲気になってきた。
 石川和義も四国開催の日本選手権で勝ちたいところ。今季から高知に拠点を移し、小松隆志氏(高知農高監督)のもとでトレーニングを積んでいる。小松氏が持つ四国で出た最高記録(16m60)も破りたい。

●男子円盤投
 04年以降、畑山茂雄と小林志郎の2人で、1〜2位を占め続けている種目。08、09年と小林が連勝している。ともにシーズンベスト。だが、他の大会はほとんど畑山が勝ち、年次ベストでも畑山が上回っている。小林の日本選手権での強さが際だつ形に。
 今年も兵庫リレーカーニバルでは畑山が54m98で優勝し、小林が52m62で2位。2人ともまだエンジンがかかっていない状態だ。
 2強に迫るとしたら兵庫3位の蓬田和正か。昨秋、55m63と小林の持つ学生記録に70cmと迫っている。昨年53m台の堤雄司と宮内優の北海道出身コンビも注目すべき存在。藤原潤はケガで今季の試合出場がない。復帰はシーズン後半の見込み。


 東日本実業団で畑山茂雄が57m27の今季日本最高。記事にもしたようにターンへの入りに上下動をつけ、ゆっくりと入るように変更した。その効果が表れるかどうか。
 風次第では60mも期待できる。巨大スタンドの競技場よりも、通常のスタンドの方が円盤投に有利な風が吹きやすいというが…。
 小林志郎は北陸実業団で51m83。畑山とは対照的にまだエンジンがかかっていないようだが、近年の日本選手権での強さは侮れない。
 蓬田和正は中部実業団で51m76。小林のエンジンがかからないままだと、国士大の後輩との接戦になる。


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