2009/7/5 札幌国際ハーフマラソン
渋井、1時間14分09秒の記録に絶句も
違和感はなく世界選手権には積極姿勢
「きっかけがつかめたら動く感じもあります」
4月半ばから5月終わりまでジョッグしかできなかった(前日会見記事参照)という渋井陽子(三井住友海上)。遅れていた集団から5kmまでに一度追いついたが、集団が16分18秒と下りの割りにスローだったことにも助けられた。しかし、6.4kmで女子の先頭集団が映し出されたときには50mほど遅れていた。
「ついて行きたかったのですが、力が入りませんでした」
10kmまでの5kmは17分23秒を要し、トップとは53秒差に。15kmまでは17分42秒、20kmまでは18分57秒かかった。トラックに入って後輩の佐藤絵理(三井住友海上)にバックストレートで離されかけたが、最後に同タイムまで追い込んだのは先輩の意地か。
フィニッシュ・タイムは1時間14分09秒。「悪くても1時間12〜13分と思っていました」という渋井は会見場で記録を聞いて絶句。苦笑いをするしかなかった。
質問はレース中、脚の状態がどうだったのか、に集中した。
「特に脚に違和感は生じませんでしたし、痛みもありませんでしたが、フニャっとした感じで、力の入れどころがわからない感じです。上と下がちょっとつながっていない感じです。(走り終わって)きつくないですね。ジョッグみたいな感じで終わってしまって」
ただ、予想を下回る記録ではあっても、渋井のなかでは最悪の結果ではなかったようだ。
「悪いのですけど、6月の頭頃に全然走れなかったことと比べれば、走れるようにはなってきました。試合として走れてよかったと思いますし、安心しました」
残す期間は1カ月半。はたから見ると厳しいように見えるが、当人はそこまで不安になっていない。
「本当にもう、練習やるのみです。そこまで焦ってもいませんし。きっかけがまだつかめていないだけで、走り出したらバカっと動く感じもあります。今日がいいきっかけになると思います。前回の合宿は与えられたメニューを必死にやるだけでしたが、これからはもう少し考えて、スピードを出してやったり、色々やっていきたいな、と思います」
渡辺重治監督コメント
「練習ができなくて今の状態ならよくありませんが、練習ができている流れのなかでの状態ですから」
「朝の時点では(これまでの)練習通りでした。今日は練習ととらえれば、改善点をはっきりさせて、また次へと向かっていけます。練習ができなくて今の状態ならよくありませんが、練習ができている流れのなかでの状態ですから。ゆっくり、長い距離をやってきたので、記録を出す流れにはしていません。今後は当然、スピード的なものを入れていきます。あと、体を絞れないとダメでしょうね。体重管理は本人に任せていますが、今は3kgはオーバーしているように見えます。(7月下旬の)サンフランシスコ・マラソンも、今後の練習の展開によってどうなるかわかりませんが、今日の結果を見て予定を変更することはありません」
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