2007/9/22 全日本実業団
優勝者(日本人1位選手)コメント・2日目

男子5000m日本人1位・13分51秒19
佐藤秀和(トヨタ紡織)
「飛ばしたのは予定通りというか、1万mも5000mも、ラスト勝負だけをしても自分には何のプラスもありません。それでも、最後はスパートできました。ちょっと中だるみしすぎましたけど。(フィニッシュで小さいながらもガッツポーズが出たのは)たぶん、僕がこの大会で一番走ったと思うのですが、そのなかで日本人1位を取れたことが、素直に嬉しかった。大学1年時に13分台はありますが、今日の記録が高校卒業後では最高タイムです。
 練習はゆっくりとですけどコツコツと、チームと意見を交換しながらやってきました。夏は楽しい練習ができました。それはどこでもできることですし、大学でもできましたが、久しぶりにできた感じがします。(ケニア選手の集団につけたのは)ケニア合宿でリフレッシュできましたし、最近になってジョンやジェルと一緒に朝練習もするようになり、歩幅を合わせればついて行けます。高校時代と違うのはパワーの点だと思います。速さよりも強さです。
 ケニアで(1月末から)1カ月合宿できた4月のインタビュー記事ことが良かった。1カ月日本語を話せず、誰に考えを言えるでもなく、(自分と向き合って)色々考えているうちにリフレッシュできました。最初は食事や気候、生活などがやばいと思いましたが、でも、自分で行くと言ったからにはやり遂げたかった。楽しくなかったと言うのではなく、充実して帰りたかった。
 そこで生活をして世界クロカンを走って。4月から試合に出ませんでしたが、流れは後半に合わせていました。
 高校の記録は最低限のレベル。それで終わるとは思っていませんし、今年中に自己新は出したい。5000mよりも1万mですね。来年にオリンピックが迫っているので、せめてB標準(28分10秒00)は破っておきたい。特に高い目標を立てるのでなく、着々とやっていきます」

男子1万mW優勝・41分09秒19
山崎勇喜(長谷川体育施設)
「調子は良くなかったので、記録よりも優勝狙いでした。でも、体が動いて5000mではもしかしたら自己新が出せるかもしれない、と思いましたが、そこからきつくなってしまった。鈴木(従道)監督には、去年のこの大会の記録を抜けと声を掛けられて、頑張りましたが、そこまで調子は戻っていませんでした。悔しいです。
 世界選手権後は内蔵に疲労が出て、2週間ほどあまり食べられませんでした。体重も2〜3kg落ちました。練習も1週間はほとんどやらず、その後に徐々にやって、まともに動くようになったのは2週間後です。
 今日は注目されているのがわかったので、何がなんでも優勝しようという気持ちでスタートラインに立ちました。記録は、途中から狙えると思ってレースを進めました。
 世界選手権が終わってから何度も何度も、あの悔しかったレースが頭の中に流れて、今でも胸が痛くなることがあります。悔しい気持ちは今も変わりません。前半あれだけ応援してもらったのに、後半体がしびれて痙攣も出て、応援してもらったのに体が動きませんでした。どんどん順位を下げてしまって、「行かなきゃ」と思ったんですが、動きませんでした。情けなかったし、悔しかった。
 もし、あのままミスなく、もう1周歩いていても、入賞はできませんでした。自分でもそれはわかります。情けないレースをしたことは変わりません。誘導員の方を責めるつもりはまったくありません。自分のレースが悔しいだけです。
 前代未聞の事件でしたが、そのことも含めて、競歩という種目がどれだけ過酷か知ってもらえたと思います。初めて競歩を見た方からも、あそこまで過酷だとは思わなかった、と言ってもらえました。そういう人が増えて、競歩を知ってくれる人が多くなったことは、プラスだったと考えています」

女子5000mW優勝・21分56秒63
川崎真裕美(海老沢製作所)
「全てにおいて納得できない結果です。世界選手権のあと腕振り、上半身の強化でストライドを2cm伸ばそうと考えました。思い切り歩いて通用するか、バラバタになってしまうか。自分の中のフィーリングと実際がずれていたようで、(警告と注意を)全部で5回挙げられてしまって、自重するしかありませんでした。
 海外の選手を見ると腕振りが柔らかくて、それでいて力強い選手が腰がスムーズに動けています。腕振りが弱い選手は失格にもなりやすい。後背筋や肩甲骨の強化、姿勢の矯正など、色々まとめると上半身ということになります。前から感じていたことですが、今回の世界選手権で確信しました。途中棄権でしたが、イワノワ(ロシア)の腕振りなど、最高でした。
 そこをやっていくと、ストライドを前に1cm、後ろに1cmの合計2cm、伸ばすことができると考えています。腕を振ると自然にストライドが伸びますから。20kmを約1万7500歩で歩くとして約350m、時間にすると約1分30秒違ってきます。いいところが見えてくると思っています」

女子走幅跳優勝・6m38(+1.1)=自己新
岡山沙英子(グローバルスポーツ)
6m15(+0.3) 6m05(+2.3) × 6m09(+0.0) 6m27(+0.4) 6m38(+1.1)
「5回目からやっとエンジンがかかりました。それまでは助走スピードも全然なく、踏み切ってからのスピードもなかった。詰まっている感じもあったので、5回目からは積極的にピッチで持っていこうとしました。
 8月の試合でいい感じで跳べていたので、ここで調整して、スーパー陸上と国体で狙っていくつもりでした。どこかで自己新は出せると思っていましたが…。
 でも、今日の結果が出たのは、負けたくない気持ちが一番大きかったと思います。こんなに良い体型を持っているのですし、練習もやってきました。ここで発揮しなくてどうするのか、と自分に言い聞かせました。池田さんが出ていないチャンスを逃したくなかったし、監督が来ていなくても1人で頑張ろうという気持ちも強かったんです。最後の1本は、思いが一番強かった。気持ちで変わりますね。見ていてくれた選手たちからも、6回目は違ったと言ってもらえました」

女子棒高跳優勝・4m30=大会新
近藤高代(長谷川体育施設)
4m20:xxo 4m30:o 4m40:xxx
「残念ですね。4m20も1回で跳ぶつもりでしたが、3回もかかってしまいました。暑さもありましたし、世界選手権の疲れも取りきれていなかった。4m40(跳べば日本新)のときに余力たっぷり、という状態ではありませんでした。4m20でロスをしたことも含め、4m40を跳ぶには力不足だったということです。
 4m40は3本とも助走がばらばらでした。1本目は4m30のようなスッと入っていくことができませんでした。2本目はそれなりでしたが、3本目は詰まったと思ってストライドは縮めたら、遠くなってしまいましたね。
 ただ、以前は4m20〜30だったら、それなりに感じていましたが、今はどんな状態でも安定して跳べるようになっています。日本選手権前にヨーロッパに行ったとき、タチアナ・ポルトワという選手と1週間一緒で、アドバイスをしてもらって技術が習得できました。以前はポールに飛ばしてもらっていた感じですが、今はポールを使っている感じになってきました。完成はしていませんが。
 今日、A標準の4m45に上げなかったのは、まだそこまでの自信がないからです。ピンポイント、ピンポイントで揃えないと。今はパーフェクトという状態でもありません。今季中は無理かもしれませんが、日本新はなんとか狙っていきたい。スーパー陸上で果敢に攻めて、ダメならひと冬こえるまでにスタミナを蓄えたい」


寺田的陸上競技WEBトップ