2006/12/31 ニューイヤー駅伝前日
区間エントリー決定
日清食品は諏訪欠場もスキのない布陣
コニカミノルタは1区・松宮隆の影響がどう出るか
中国電力はベストメンバー


関西実業団連盟に区間エントリー一覧表

 日清食品は諏訪利成が5区に入れば分厚い布陣となったが、福岡国際マラソン(5位)のダメージが回復しなかった。それでも、5区に大島健太が入り、1区は絶好調の松村拓希。“初2区”の徳本一善は、大学3年時以来の20km以上の距離になるが、マラソン練習をしているので不安はまったくない、と言う。
 諏訪不在でもタレント揃いのスキのない布陣。優勝候補筆頭の下馬評は動かない。

 コニカミノルタも、過去6年で5回2区を走ってきた松宮隆行が、1区に回った。詳しい経緯は佐藤ヘッドコーチのコメントを見ていただきたいが、太田と坪田が本調子であれば、やはりV候補の一角である。ただ、前回までの松宮隆行が必ず区間2位以内で走ったチームだけに、コニカミノルタでは“初2区”の太田が(NEC時代の02年に区間12位)松宮隆と同等の走りができるかどうか。
 ただ、3区終了時のビハインドは覚悟のこと。2区の出来の多少の違いよりも、3区終了時点の差を逆転する布陣を敷いている。

 中国電力は現時点のベストメンバー。好調が伝えられた田子康宏が、補欠に回ったくらいだ。油谷が秋の試合で結果を残していないのが不安材料だったが、坂口泰監督のコメントから察するに、状態は良いようだ。そもそも、中国電力の2区に起用されるということは、走れるということである。山梨学大2年時の箱根駅伝優勝以来のアンカーに起用された尾方も、「福岡のときよりも良い」と言い切る。
 これも坂口監督のコメントにあるように、従来受け持ってきたものとは違う区間に“プラスの要素があって”の配置転換となっている。かなりやりそうな雰囲気がある。

 富士通は藤本が間に合わず、帯刀秀幸が2区に入ったが、ここで“攻め”の走りができなくても、上位との差を最小限にとどめれば、残りの区間の顔触れは参加選手チーム中でも1、2を争う。1区の鈴木良則は区間賞候補で、5区が松下龍治。6区に藤田敦史、7区に三代直樹と、これでもかという布陣である。
 ヤクルトは西澤が5区に入り、2区には新人の首藤が抜擢された。ただ、辻隼が1区でなく4区に、前回4区区間賞の松下朋広は補欠に回った。
 ホンダの2区は堀口と予想通りだったが、もう1人の候補だった秋山が5区では4区に。5区に入った山口洋司の調子が上がっているということか。
 トヨタ自動車は現行コースとなって初めて、浜野健が2区を外れて5区に。尾田賢典が予想通り“初2区”を務める。「浜野も中部はギリギリで間に合ったが、通して練習ができているのは尾田」(安永コーチ)という経緯だ。もしも5区の浜野も復調しているようだと、トヨタ自動車も面白い存在となる。

 トヨタ紡織は2区・前田でなく、1区・前田、2区・白柳の布陣となったが、これも考えられたバリエーションの1つ。中部予選を欠場した小林が、きっちり5区に入ってきた。布陣を見る限り、上位に食い込んできそうだ。
 カネボウも“高岡抜き”という前提はあるものの、下記の伊藤監督のコメントにあるように「予定通りのオーダー」に。旭化成、山陽特殊製鋼、日産自動車も、入るべき区間に入るべき選手が入っている印象がある。

 大塚製薬とYKKは1〜3区に強い選手を並べ、上位の流れに乗りたい意図がわかる。スズキも結果的にそうなったが、マサシが甲佐10マイル後に故障があり、3区に起用できなかった。

 熾烈を極めそうなのが1区の区間賞(日本人1位)争い。アテネ五輪代表の旭化成・大野龍二とドーハ・アジア大会代表の前田和浩が双璧。状態がわからないが、大塚製薬・細川道隆、トヨタ自動車・岩水嘉孝も日本代表で戦った選手。走力のあるコニカミノルタ・松宮隆行に日清食品・松村拓希、スピード派のトヨタ紡織・前田貴史に富士通・鈴木良則とカネボウ・中村悠希。若手では2年目の自体学・室塚健太が注目選手。
 2区も区間賞常連の松宮隆行と高岡不在で予想がつかない。“初2区”の瀬戸、徳本、太田の争いになるのか、油谷や家谷和男(山陽特殊製鋼)、岩佐敏弘(大塚製薬)らの経験組が制すのか。注目は秋葉啓太(小森コーポレーション)。


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