2006/5/6 国際グランプリ大阪
為末は400 mで“10年ぶり”の46秒台前半
400 mHにつながる収穫は?
専門外の400 mに出場した為末は、日本人では金丸祐三(法大)に次ぐ5位で46秒49。高校3年以来の46秒台前半をマークした。
今さら説明するのも何だが、為末は高校時代は400 mが専門で、96年には45秒94と高校生初の45秒台をマークした(現在は金丸に次いで高校歴代2位)。400 mHの記事でも触れたが、その頃は400 mを“走りきる”レース展開をしていた。ところが400 mHで今のスタイルを確立してからは、瞬間的にガーっとスピードを上げる走り方。400 mHの1台目を最速スピードで突っ込み、そこからなだらかにスピードが落ちていく。1台目でリズムに乗せることが身長の小さいハンディをカバーして、前半を13歩で行く走る最良のスタイルと考えたのだ。
フラットレースに絞った今季も、「本当は400 mではなく100 mをやりたい」と話しているように、走り方を高校時代に戻したわけではない。
しかし、これまでは400 mも“13歩のストライド”で走っていたが、今季は“13歩半のストライド”で走るようになった。そして金丸の動きも参考に、後半を「腕で漕ぐ」走りを導入している。その結果、終盤の失速が小さくなり、織田記念の日本人1位、今回の46秒台前半につながった。
「このメンバーでは、400 mの前半で離されたらどうしようもない。しかし、400 mHなら効果はある。昨年、金メダルとの差は走力の差だと思いましたが、走り方でなんとかなるかもしれない」
400 mに専念することは功罪半ばすると本人も言っているが、もしかすると、大きい収穫を得た。
※“13歩半のストライド”や“腕で漕ぐ走り”などの詳細は、為末のホームページを参照。
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