2006/6/22 日本選手権記者発表会
池田と沢野が「90」に意欲
信頼度の高い2人の感覚


 14時からエクセル東急ホテルで日本選手権に向けた記者発表会が行われ、末續慎吾(ミズノ)、為末大(APF)、沢野大地(ニシスポーツ)、池田久美子(スズキ)の日本記録保持者4人が会見に臨んだ。
 今大会でも日本記録更新に意欲を見せたのが、沢野と池田の同学年跳躍コンビ。今年は日本選手権が90回大会ということで、2人とも“90”という数字に意欲を見せた。
「90回大会ですから、6m90を狙って頑張りたい」と池田が言えば、沢野も「90回大会ですから、5m90を目指して頑張る」と応じた。


池田、走幅跳に絞ったのはレベルが上がった証

 池田久美子は今回、100 mHへの出場を回避して走幅跳に絞った。
「記録が高くなるにつれて、体への負荷も大きくなっています。日本選手権では記録も狙いたいし、花岡(麻帆・Office24)さんとの対決もありますから。1日目と3日目だったら出られたかもしれませんが、3日間出続ける2種目はきついと判断しました。動きが速いほど、少しの狂いが記録も大きく左右します」
 6m86の日本記録を跳んだ国際グランプリ大阪の後も、中部実業団の前後は体調が落ち込んでいた。ただ、6月に入って良い練習ができるようになってきたという。
「練習の感覚は大阪の前と同じになってきました。(6m80以上の技術や感覚を)自分のものにできていると思います」
 今季は走幅跳でA標準突破2回、100 mHでも13秒04のB標準突破と、高いレベルで安定している。その要因の1つに、動きのコントロールが自在にできるようになったことを池田は挙げている。今年の池田の感覚は、信頼度が高い。

沢野、シーズンの進行とともに助走に手応え

 沢野大地は日本選手権での記録更新に意欲的。本人がブログに書いているように、ヨーロッパでも自己記録、あるいはシーズンベスト更新を目標にしている。海外よりも条件の良い日本では、記録を更新できて当然ということになる。
 5m75の海外日本人最高をクリアしたヨーロッパ遠征から帰国した際、「海外も国内と同じ感覚で試合ができるようになった。冬期練習の成果が現れ始めています。日本選手権はさらに、体調が上がって行きそうです。期待してもらっていい」と言い切った。
 記者発表会の際も囲み取材時には、冬期の走り込みによる走力アップと、シーズン中の助走用の走りの違いについて質問を受け、次のように答えていた。
「シーズンに入ってポール走などで、自分の中でギアを(助走用に)合わせてきています。3、4、5月と徐々に、はまってきている感じがあります。社会人になってから、こういう練習をしていけばこうなって行く、というのがわかってきました」
 走れていなっかた3月の世界室内でさえ、直前に調整をして5m65を跳ぶなど、確実に底上げはできている沢野。そして池田同様、感覚的に手応えを感じている。5m90の可能性は十分ある。


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