2006/10/7 のじぎく国体2日目
小林、スーパー陸上〜国体間に動きを改善
前への重心移動がよりスムーズに


 小林祐梨子(須磨学園高)が少年A女子1500mに4分15秒53で優勝し、国体3連勝を飾った。地元での快挙達成や、精神的な部分は多くの記事で触れられているので、ここでは彼女の動きの“進化”について触れてみたい。
 レース後の会見(カコミ取材)中に、小林が次のように話し始めた。
「今回は(日本新を出した)大阪グランプリよりも、スーパー陸上よりも、正直に言って一番良かったんです。流しをしていても勝手に身体が進むみたいで。いつも腕振りやストライド、上下動などを考えてやるんですが、昨日から、意識しなくても進んでいく」
 スーパー陸上でサラ・ジュミーソン(豪)の後ろについて走っていたら、自然と体得してしまったという。上に跳ぶのでなく、より前方にスーッと進む。長谷川先生や何人かの関係者から、動きが変わったと指摘されたという。そう簡単にできるものなのかと常人は思ってしまうが、それができてしまうのが小林なのだ。そういえば為末大(APF)も、他人の走りを簡単に真似て試すことができるという。

 長谷川先生はその点を、次のように説明した。
「今まで上に引き上げていたのが、前への体重移動がスッとできるようになりました。サラ選手に合わせることで、動物的な感覚でできたのでしょう。レースの中で自然な形でイメージできてしまった。今までより少ない力で進めるので消耗度が少なく、3000mでも行けると思います」

 インターハイで2種目をこなしたときの疲労度などから、国体で2種目を走って記録を狙うのは厳しいと考えた。1週間後の10月14日にエコパ(静岡県袋井市)で3000mのジュニア記録を狙った。8分52秒77と僅かに届かなかったが、新しい動きがこの距離に対応するものであることを示したのではないか。


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