2006/10/6 のじぎく国体1日目
江里口がインターハイの雪辱
かつての国体男・
末續と並ぶ10秒37
「いつか末續さんと同じスタートラインに立ち、勝つことが目標です」

 末續慎吾(ミズノ)は熊本・九州学院高時代、インターハイで活躍していない。1年時は200 m予選落ち、2年時は200 m8位、3年時は100 m8位。インターハイの時期に故障が多かったことがその要因だった。それに反して国体は、1年時の少年B100 mと、3年時の少年A100 mに優勝した。3年時には高校時代のベスト記録である10秒37をマークしている。
 熊本県の後輩である江里口匡史(鹿本高)が、8年前の末續の足跡を踏襲した。熊本県予選で10秒38と高校リスト1位の記録を出しながら、右足底筋を痛めてインターハイは準決勝で敗退。得意の前半でリードしても、後半の失速が大きかった。
 その江里口が10秒37と、末續同様国体で自己新をマークして優勝した。

レース後の江里口コメント
「フィニッシュした瞬間、勝ったと確信できました。嬉しかったです。予選を走る前は不安がありましたが、予選で体調がわかり、準決勝、決勝に向けてやる気、意気込みが出てきました。
 決勝は1回目がスタートで失敗していました。3歩目くらいで右脚が左脚に当たってしまったんです。フライングになって助かりました。(スタートで)後藤君に出られても焦りはありませんでしたね。徐々に行けばいいと、自分の走りに集中しました。抜いたのはわかりました。左側に誰もいなかったので、フィニッシュでは勝ったとわかったんです。
 インターハイはスタンドで見ていて、(優勝した後藤乃毅らが)速く見えたし、それに反して自分はスタートラインにも立てませんでした。悔しかったし、見ているのがつらかった。このままシーズンが終わるのは絶対にいやでした。
 今回はタイムとか気にせず、まず勝つことが目標でした。でも、早く走りたい気持ちも大きくて、自然と調子も上がってきた。今日になって体調も気持ちも、気象も良くなっていた。できればタイムも出したかったのですが、末續さんの記録に並んだだけでも嬉しいです。末續さんもインターハイがダメで国体で勝った。そのことは末續さんからは直接聞いていませんが、コーチから聞いていました。
 お礼を言いたい人はいっぱいいます。親も先生も、他県の先生にも。いっぱいいて言い切れません。この優勝は今後、悩んだときに役立つと思います。調子が悪くなったり、記録が出なかったりしたとき、練習をしていけば取り戻せると、自信を持っていけると思います。
 明日は末續さんが個人種目の100 mで勝って、そうしたらリレーでも絶対に勝てる。
 いつか末續さんと同じスタートラインに立ち、勝つことが目標です。そして、世界で戦えるスプリンターになりたい」


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