2003/7/26 南部記念
世界選手権代表の調整ぶりB
吉田真希子
トレーニングのハードさを証明する敗戦続き
「今日の感じではもう少しやれば、上がってきそうですね」

 女子400 mには世界選手権女子400 mHの代表にして日本選手権400 m&400 mH2年連続2冠、吉田真希子(FSGカレッジリーグ)が出場した。最後の直線で後輩の木田真有(福島大)と久保倉里美(同)にかわされて54秒41の3位(木田&久保倉の記事)。7月13日の福島県選手権でも55秒06で、54秒29の丹野麻美(郡山東高)に完敗した。吉田らしくない落ち込み方だが、それだけ世界選手権に向けて追い込んだ練習をしているということだろう。

「やっと少し、試合の感じが出てきました。負けましたけど、自分としてはいい感じです。トレーニングの中でも少しずつ、レースの感じが出てきているところ。まだ走りとしてはまとまっていませんが、やっと土台ができたところ。体力は上がったのに、それをまだ上手く使えていません。でも、今日の感じではもう少しやれば、上がってきそうですね」

 また、南部記念前日の会見では以下のようにコメント。

「世界選手権に向けて10週間ありましたから、川本先生とは土台からやり直そうと話し合いました。7月中旬にはベースというか、持久的な部分ができてきたので、ようやく今、量から質に切り換えていくところです。ハードルは日本選手権後、一度も跳んでいません。8月からレースに向けた練習に入っていきます」

 吉田は日本選手権後に木田たちと同じメニューをこなしてしまい、練習中に一歩も動けなくなってしまったことがあったという(あの吉田がである)。木田たちは7月の日本インカレと南部記念で記録を出せる練習の流れだったのに対し、吉田は世界選手権に照準を合わせた練習。スピードの出せる動きという点で大きな差があったにもかかわらず、木田たちに食らいついたのである。
 吉田の世界選手権での目標は、アテネ五輪A標準(55秒60)。コメントにもあるように、吉田は世界選手権までの10週間で、土台自体を大きくしようと試みているのである。陸マガ8月号の記事で吉田は「日本選手権が終わって10週間後に世界選手権ですが、“10週間もある”と思いました。大学1年の福島国体(95年)では400 mHで初めて選手になって、なにが何でも3カ月で結果を出さないといけませんでした。それ以前は間に合わなければ仕方がない、という考えでしたが、地元国体は間に合わせないいけない試合。間に合わせ方を川本(和久)先生に教えていただきました。今回、世界選手権までにA標準の力を付けることよりも、福島国体のときの方が大変だと感じましたね」と言っている。

 口では福島国体の時の方が大変と言ってはいるが、そのときと同じくらい、大胆なトレーニングを積んでいるのではないだろうか。

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