2003/5/14 関西インカレ
女子1万m特集A
学生歴代4位の32分22秒53
充実の池田のコメントをいくつか紹介

女子1万m特集@池田の通過&スプリット
 関西インカレの女子1万mは池田恵美(立命大2年)がスタートから飛び出し、200 m付近まで同学年の堀岡智子(大体大)が追走したが、400 m地点ではすでに5m以上の差が付いていた。以後は以下のように池田が独走優勝した。32分22秒53は大会新。立命大の先輩でもある加納由理(資生堂)が99年に出した32分33秒34を大幅に更新した。

「ラスト1周まで、大会新を出せると思っていませんでした。残り1周(ちょっと手前)でタイマーを見たら31分7秒だったので、これならラスト1周を80秒かかっても出せると思いました」

 大会新が9600mまで意識になかったのは、この日の目標が「5000mを16分30秒で通過すること」だったからだ。

「16分30秒で行かなければいけなかったのに、また破ってしまいました(実際は16分09秒1)。ジコチュウ(自己中心)なんで、練習でも設定タイムを破る常習犯なんです。堀岡さんに最初、付いてこられたのは関係ありません。(なぜか)ガッと入り過ぎてしまいました。急にペースを落とすのもリズムが崩れるようで怖いので、そのまま行きました」

 しかし、3000m以降のペース維持は見事である。表のようにラストスパートに入る9200mまでの400 m毎は、全て1分18秒台。全ての周回スプリットを1分18秒0から1分18秒9の間に収めた。6000mから6400mの1周を除いては。

「そういうの(イーブンペースで走ること)は得意なんです。ペース走などで私が引っ張ると、喜ばれますね。逆に、ケニア選手の一定しない走りは、好きじゃありません。(6000mからの1周が上がったのは)6000mから8000mが一番しんどいところでペースが落ちると思っているので、意識的に頑張ったところです。最後が74秒なら、(自分としては)上げられた方ですね」

 トラックの1万mはこの日で3回目。1回目は昨年の関西インカレで33分10秒20(優勝)。2回目が今年4月の兵庫リレーカーニバルで32分35秒88(7位)。目標は5000m通過タイムの16分30秒だったが、結果的に自己記録を更新した。しかし、池田自身は決して、満足しているわけではない。

「1人で走った割には落ち込みませんでしたし、頑張ったかなと思いますが、実業団の選手は31分台ですし、学生記録も31分台(31分47秒76)です。いずれ、31分台では走れるようにならないと。渋井(陽子・三井住友海上)さんは30分台ですし。今日1人で走れたことも、通過点ですね。昨年は1万mや10kmがいっぱいいっぱいでしたが、今年はだいぶ楽に距離をこなせるようになりました」

 池田は千葉・福岡とも日本人4位(シニア)に入って、世界クロカンの代表に選ばれていた。それだけでも力が上がっている証明となるが、世界クロカンへの遠征が中止となり、そのためさらに充実した練習が積めたという。

「他と比べたら少ないかもしれませんが、冬は全体的に長い距離がこなせました。高校生と一緒の合宿では、朝練習のジョッグを自分で決めて、彼女たちより10分多く走るようにしました。合宿後に普段の生活にもどったときに、せっかくだからそれを続けよう、少しでも長くしようとしました。朝練の積み重ねもありますし、つなぎの日のジョッグも、ゆっくりですけど長くしたんです。それが1万mとか、サーキットをそこそこ連戦しても、去年のようにガタガタにならなかった要因だと思います」

 初の実業団選手との1万mレースとなった兵庫では、実業団勢との力の差を感じた。

「織田(5000m)ではこけましたし、ポケットされたり外側を走ることになったり、ペースの上げ下げがあったり。そういった駆け引きに対応できないと、タイムは出たとしても、勝負になりません。サーキットで痛感させられました」

 兵庫では32分25秒が目標だったと言うが、スローペースで前述のように32分35秒88(7位)にとどまった。池田自身は32分25秒のタイムの意味を知らされていなかったが、想像するに日本選手権A標準の32分30秒を破ることを目的として設定されたのではないか。絶対にそうだとは言い切れないが。この日は、設定タイムの指示を破ったことで、そのタイムをクリアした。

「1万mの記録はどこまで伸ばせるか、実業団選手と走る機会が少ないのでなんとも言えませんが、もまれれば、もう少し上手く走れそうな気はします。1万mでユニバーシアードを目標にしています」

 日本選手権で学生新&世界選手権のA標準(31秒45秒00)というのは、まだ、厳しいだろうか。
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