2002/7/30
アテネ五輪選考基準が一部決定 どこが変わったのか?
世界選手権で高橋・土佐・弘山の対決が実現するのか?
7月30日に発表されたアテネ五輪選考基準だが、特徴は次の2点。
(1)マラソンの2003年世界選手権メダリスト最上位者を代表にすることを、世界選手権の選考会3カ月前に公表した。
(2)2003年世界選手権で決定する一般種目の代表選考基準も、マラソン同様メダルと高く設定された。
(1)であるが、発表の席上陸連幹部も言及したように、前回のシドニー五輪では前年のセビリア世界選手権のメダリスト最上位1名が五輪代表に内定することが、理事会決定していながら現場に通達されていなかった。その状況で、セビリア終了後、一連の五輪選考レースが始まる前にセビリアのメダリストを代表に決定したことで、現場から反発を招いた。その反省から、事前に決定・公表したわけである。
(2)については、一般種目もマラソンと同じメダリストという条件は、レベルが高すぎるのではないかという質問も、会見の席上で出た。それに対し陸連幹部は、「種目によっては高いと思われるが、達成可能」と見解を示した。
特徴は上記2点だが、2003年世界選手権とリンクしている部分以外の選考基準は、来年4月の発表。上記2点も、従来の選考スタイルを大きく変えたものでもない。平たく言うと「今決めておかなければいけない細かい点だけを決め、選考方法の全体は来年4月に決定する」ということになる。
しかし、(1)が示されたことによって、世界選手権への出場を希望している高橋尚子(積水化学)は、今年の東京国際女子マラソン→03世界選手権→04オリンピックという展開になる可能性が高まった。アジア大会代表の弘山晴美(資生堂)も、アジア大会金メダルで世界選手権代表を決めたい意向があるという。土佐礼子(三井住友海上)も来年の世界選手権出場候補。今年4月のロンドン・マラソンの際、三井住友海上・鈴木秀夫監督も「土佐は世界選手権に出る」と話していた。マラソン土佐、大阪国際に出場予定(日刊スポーツ)
しかし、鈴木監督は今月のある記者会見で「現在の日本では高橋とウチの2人が抜け出た存在。選考レースには振り分けて出場したい」というニュアンスの発言をした。渋井陽子は02シカゴ・マラソン→03世界選手権1万m→04大阪国際女子マラソン→アテネ五輪マラソンという流れで行く予定は変わらないとして、土佐をどうするか。あくまで高橋と世界選手権で対決させるのか、それとも国内の選考レースに切り換えるのか。
高橋・土佐とも、世界選手権の後に国内選考レースに出ていけない、というルールがあるわけではないから、世界選手権で対決して悪いわけではない。
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