2001/5/12 国際グランプリ大阪
末續、シドニー五輪以来の200 mで、外国勢と対等の走り
前半はトップで通過。そして「19秒台は秋くらいにサラッと」
今季4×100 mRのアンカーを2本、6日前の水戸国際では100 mをこなしてきた末續慎吾(東海大3年)が、ついにメイン種目の200 mに登場した。シドニー五輪準決勝以来だから7カ月半ぶりだ。
“グランプリ”に来日した外国選手は5人。20秒26と国際クラスの記録の末續より、いい持ちタイムの選手が3人。その中で末續が第4コーナーを、トップで出てきたのには驚かされた。
「今日はとりあえず、前半から勝負しようと思っていました。ゴロッと外人がいたんで、余裕もっていたら勝負ができないと思って。1位になっちゃうかなと、途中では思ったくらいです」
テイクオーバーゾーンを過ぎるとすぐに、クロフォード(アメリカ)にかわされ、ザカリ(ガーナ)にも競り負けて3位。しかし、20秒42(+0.2)は昨年9月のスーパー陸上(20秒26)、シドニー五輪2次予選(20秒37)につづく自己3番目の好タイム。
「課題だった100 m(の通過)がトップだったのはよかったんですが、飛ばし過ぎました。120mくらいまではよかったんですけど、硬くなってしまいました。立て直せるかと思ったんですが、向かい風がつよく感じてしまって…つらい風でした」
前半の走りについては、翌日の関東インカレで、とっておきの話を聞くことができたので、別の記事として紹介したい。
末續は昨年のシドニー五輪4×100 mR決勝で右脚を負傷。
「1カ月半は何もしなかったのがよかったんだと思います。伊東(浩司)さんに“動くな”と押さえつけられていました。ウエイトもやっていません。ウエイトはまだ早いと思います。それよりも、腹筋を多いときは1日2000回、4回に分けてやっていました」
その後は「ケガをしていたこともあって、スピードより筋力重視で走りまくりました」という。しかし、シーズンインを前にして練習では、昨年の夏頃と同じスピードが出ている。そして今回も、「おととい250mを測ったら、シドニーのときは26秒3だったんですが、26秒1でした」と言う。
「いい感触でしたが、レースとなるとそうはうまくいきません。(いつでも)10秒5と20秒5が切れる状態ならいいです。先は長いっす」
かつて東海大の先輩・伊東が、200 mの前半で“世界から遅れないレース”を目指して、その課題を克服したことで一気に世界が近づいた。同じように、後輩の末續も前半に磨きをかけている。次週の東インカレは200 mには出ず、個人種目は100 mだけの出場となる。10秒19の自己記録更新が目標だが、この日の末續の走りを見ると、10秒09の学生記録更新も十分あり得ると感じられた。
そして末續はすでに、200 mでは伊東の日本記録(20秒16)を超える手応えを得ている様子で、「19秒も!?」という質問に対し、「秋くらいにはサラッと出したいですね。壁というのは自分で作ってしまうものなので、通過点と考えて」と答えている。