2001/2/16
東京国際マラソン記者会見
「出したいタイムは2時間5分台」(ワイナイナ)
「あえて数字を言うなら2時間4分台」(ジファル)
「世界選手権は意識していない」(高橋健一)

  公式サイト

14時から京王プラザホテルで行われた共同記者会見から抜粋。
出席者は以下の通り。
テスファエ・ジファル(エチオピア)2.06.49. 99アムステルダム2位
テスファエ・トラ(エチオピア) 2.06.57. 99アムステルダム4位、2000五輪銅
エリック・ワイナイナ(コニカ) 2.10.17. 96五輪銅、2000五輪銀
渡辺共則(旭化成) 2.09.40. 99防府1位
尾方 剛(中国電力) 2.11.43. 2000ロッテルダム16位
高橋健一(富士通) 2.15.27.
招待選手リスト 自己最高記録付き

――ジファル選手とトラ選手に。レースに向けてと、エチオピアのアベベ選手が金メダルを取った東京の街を走ることへの抱負を。
ジファル 勝負はやってみないとわからないが、十分に準備をしてきた。アベベの功績に付け加えられるような、負けないような努力をしているが、最終的には神のみぞ知ること。
トラ 十分な練習をしてきた。アベベは東京で結果を残して有名になったが、彼に続く結果を出せるよう頑張りたい。神が許してくれるのなら。
――ワイナイナ選手はシドニー五輪で銀メダル、トラ選手は銅メダルですが、再戦の意識は強いのでしょうか。
ワイナイナ シドニーのあとはまだレースに出ていないが、トラとの勝負は楽しみにしている。
トラ 再会でき、この大会で一緒に走れて嬉しい。勝ってやる、という意気込みで走る。
――福岡別大と日本選手がいい記録で優勝しているが、3つめの東京に臨む抱負、目標は?
渡辺 福岡、別府と日本人1位なので、その勢いに乗って最後まで勝負できるように頑張りたい。タイムは8分台が目標で、あとは勝負をできるようにしたい。
尾方 選考レースなのでチャンスはあると思って、(選考に)ひっかかるタイム、結果を出したい。
高橋 自分のマラソンのベストはまだ2時間15分台。世界選手権を考えていないと言ったら嘘になるが、意識はそれほどしていない。自己新記録を出せたらいい。
――今回のマラソンに向けて、どこで、どんな練習をしてきたか。
ジファル 東京はレベルが高いので、レベルの高い練習をしてきた。いい場所で、いい練習をしてきた。
トラ いい練習をしてきた。それが本当によかったのかどうかは、走ったあとにわかる。とにかく、準備としては万全のものをしてきた。
ワイナイナ オリンピックのあと、いい練習ができていなかった。でも、12月の最後と1月はいい練習ができたので、走れると思う。
渡辺 延岡で1カ月間しっかり、旭化成の練習ができた。その結果を出したい。
尾方 地元で練習してきた。特に変わったことはしていない。
高橋 9月の頭に東京に出ることを決め、半年間頑張ってきた。練習場所は国内を転々とした。
――ワイナイナ選手の勝負強さには定評があるが、自己記録は2時間10分台。今回は勝負を重視するのか、思い切って記録を狙うのか。
ワイナイナ 10分を切るようなレースに出たいと思っていた。去年の東京のレースを見て、いい記録が出る大会だと思った。
――練習の流れから、このくらいのタイムが出るという予測は?
ワイナイナ 出したいタイムは2時間5分台です。
(どよめきと拍手)
――ジファル選手は、エチオピア選手が金と銅を取ったシドニー五輪で、1人だけ蚊帳の外でしたが。
ジファル いい結果とは思っていないし、痛みもあった。だが、やったことに不満はない。それ以上は表現しにくい
――外国選手たちは、速いタイムを望んでいるのでは?
ジファル タイムについては答えるのが難しい。気候や他の選手の出方など、条件に左右される。
――ハイペースを予測して準備をしてきたのか、スローペースでもそれに合わせるのか?
ジファル 朝、家を出るときに、交通事故に遭うとか予測できないように、先のことはわからない。だが、あえて数字を言うなら2時間4分台(ここでも拍手。ワイナイナの時ほどではない)。あくまでも望みだが。
トラ 私が思っていることも、ジファルが今、言ったこと。
――日本3選手に。どういうきっかけ、動機で東京に出場することを決めたのか。
高橋 自分の場合、時期的に2月が例年いい。バイオリズムがこの時期によくなる。
――動機は? 目標は世界選手権?
高橋 世界選手権は意識していません。とりあえず1本、いい走りをしたい。
尾方 昨年のロッテルダムが終わってからずっと、東京というつもりだった。ロッテルダムは初めての海外マラソンでしたが、雰囲気は国内とそんなんに変わらなかった。それよりも、自分の力のなさを実感した。
渡辺 昨年、故障をしたり体調を崩したりした時期があって、時期的に東京が一番いいと思った。選考会としても、東京が一番強い選手たちが出ると思って合わせてきた。
――エチオピアのお2人は、一緒に練習しているのですか? 金メダリストのアベラ選手とは親交がありますか。
ジファル 1998年から一緒に練習している。
トラ アベラとは知り合いだが、一緒にトレーニングはしない。いつも一緒なのは我々2人だ。いろいろ質問してくださってありがとう。マラソンは気温、体調などいろんな要素がからみ合って初めて結果が出せる。最後にうまくいくかどうかは、神様次第だ。

 このあと、個々に聞いたコメントもありますが、それらは雑誌の記事で使用予定。特に高橋からは、興味深い発言も出たので、それは高橋健一選手が快走した場合、雑誌に載ります。