2001/1/2
東海大2区でリタイア!!

 東海大の2区、伊藤孝志(4年)が12.5km付近でリタイアした。箱根駅伝の歴史の中では5年ぶり通算7校目の途中棄権だった。近くの病院に運ばれて点滴治療を受けた伊藤は、前日の移動中に風邪気味で、38度近く熱があったが、薬を飲んで朝には熱が下がっていた。
「7km過ぎからおなかのまん中がふくれた感じで苦しくなり、ペースが落ちた。石田監督に腕をつかまれて途中棄権と気づいた。タスキをつなぎたかった」と、痛恨の表情。
「前日の夜に食事がノドを通らず、熱があると聞いたときは、選手を変更することに決めていたのに……」。東海大の新居利広コーチから、普段の陽気さが失せていた。2日朝の選手変更締め切りの2、3分前まで迷った末、本人の「走れる。出たい」という申し出に、「最後の4年生だから」と、大会に送り出すことになった。
 前回3区で区間2位、関東インカレは3000mSC(1部だ!!)で4位。伊藤が走れず11番目の選手が出場するとなれば、その差は2〜3分は覚悟しなければならない。また、2区は前半で流れに乗る必要のある区間なので、傷口はそれ以上になるかもしれない。新居コーチの胸中は第三者には推しはかれないほどの苦渋に満ちた決断だったことだろう。

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