2001/6/28
写真で検証
夢舞台ローマ“スタディオ・オリンピコ”の実際

 「ローマは一日にして成らず」とはよく聞く諺ですが、ローマで実感したのは「百聞は一見に如かず」ということ。やっぱり、実際に見て初めてわかるってことは、数限りなくあります。来て良かったです。
 スタディオ・オリンピコを2時間あまり散策した結果、わかったこと、見たことを写真と共に列記します。
写真をダブルクリックすると大きく表示します。
1)スタンドの傾斜
 特に上の方です。こんなきついスタンドは初めてです。でもシートはこんなにきたない(写真)です。日本ではサッカーのセリエAの放映で、本場のイメージがあるかもしれませんが、横浜国際競技場の“きれいさ”を見慣れた人間は、ギャップを感じます。
2)全天候舗装は痛みが激しい
 スパイクの跡でこんなに痛んでいますし、ひび割れもたくさん。これが、GL開催スタジアムのトラックなのかと、疑いたくなります。伊東浩司選手がよく、「海外はGPでもひどい環境があり、その中で出した記録と環境の整った日本で出した記録は価値が違う」と言っていたことを思い出しました。特に1レーンと100 mのスタート付近はひどいです。為末大選手は明日、8レーンでよかったかもしれません(1レーンよりは)。
3)スタジアム全景
 屋根はホームストレートだけでなく、芝生はきれいです。思わず、寝転がってしまって撮った写真がこれ。
4)ハンマー投のサークル
 これが明日、室伏広治選手が入るサークル。ところどころのコンクリートの一番表面が、2〜4oくらいの深さで欠けています。実は、日本のサークルをここまで丁寧に見たことがないのですが、高速回転の室伏広治選手にとって、不利に働くかもしれません。
 寺田がターンをして回転に影響があるか調べる振りをしていたら、地元のテレビ局のカメラがこちらを撮っていました。さらに、サークル前方地面に設置されているカメラまで、遠隔操作でこちらにレンズを向けてきます(これが証拠)。それだけ、イタリアでも室伏選手が話題になっているということでしょうか。
5)走高跳のバーと支柱
 今日は1m95前後にバーをかけて練習していた女子選手がいました。明日、今井美希選手はここまで残っているでしょうか。
6)走幅跳のピット
 砂場と芝生の境目に、木の枠なんかがないところがお洒落です。
7)スタディオ・オリンピコのフィニッシュライン
 ここを、あのベン・ジョンソン(カナダ)が、1987年の世界選手権で9秒83で駆け抜けたわけです。また、9レーンの競技場は、このローマが元祖です(大きな競技場ではたぶん)。79年だったか81年のワールドカップがローマで行われたのですが、ワールドカップは8つの地域と国の対抗戦です。そこに地元イタリアを単独で参加させるために、レーンを1つ増やしたらしいのです。まあ、おかげでGPなどの場合、参加できる選手が1人多くでき、とってもいいことなのですが。明日のレース、朝原宣治選手はBレースの9レーンです。
8)3000mSC用の水壕
 走りやすいと言われている、トラックの内側にある水壕です。
9)ホームストレート中央
 サッカーなどで、両チームの選手が入場してくるところ。日本の競技場と決定的に違う点が2つ。1つは、日本ではスタンドの最前列でもトラック・レベルより3mは上に位置しますが、スタディオ・オリンピコは最前列とトラックの位置(レベル)が、同じなのです。まだ写真でしか見たことがありませんが、ローザンヌもそうだったかも。この方が、客席との一体感は生まれるように思います。確か、セビリアのスタンドの前の方も、かなり低かったことを、今、思い出しました。
 もう1つの相違点は、フーリガン対策用の溝(本当に城の堀に近い)があること。でも、横浜もありましたよね。
10)猫
 ローマのコロッセオは、野良猫のたまり場としても有名ですが、スタディオ・オリンピコでは1匹だけ、スタンドに登る階段で見つけました。カメラを向けて、ストロボを焚いても逃げないので、人間になれているのかと近づいたら、脱兎のごとく(本当は猫)逃げ出しました。