2002/6/25
ミステリアス“48”の衝撃
Mysterious forty-eight

実例編1万mの記録ブレイクに“48”という数字が関わる摩訶不思議
渋井陽子も、増田明美も、鎌田俊明も、そして高橋尚子も
あのラドクリフまで……


■ケース1
 渋井陽子の日本人初の女子1万m30分台=30分48秒89。渋井の従来の自己ベストは31分48秒73。新記録を出す選手は、その新記録を出す以前にも“48”という数字と縁があるのです。
■ケース2
 女子1万mで日本人初の32分台は、増田明美(川鉄千葉)の32分48秒1。
■ケース3
 高橋尚子の1万mのベスト(=自身初の31分台)は31分48秒23。シドニー五輪1週間前の10kmタイムトライアルで30分48秒(※)。
■ケース4
 男子1万mの日本人初の27分台は、鎌田俊明(鐘紡)の27分48秒6。
■ケース5
 男子1万mの前学生記録は渡辺康幸(早大)の27分48秒55。
※陸上競技マガジン2002年6月号。過去に30分45秒と紹介している記事もある
 ここで、海外にも目を転じてみると……ありました。“時の人”であるあの選手も。

■ケース6
 ポーラ・ラドクリフ(英)の初の30分台が30分48秒58。この記録はイギリス記録でもありました。彼女はその後、1万mのイギリス記録を何度か更新し、マラソンではご存じの通り初マラソン世界最高(&ヨーロッパ最高)の2時間18分56秒を4月のロンドンでマークしました。

 実は、1万m以外の種目にも“48”は登場します。

■ケース7
 男子100 mの電気計時公認初の日本記録が10秒48。1975年に神野正英(新日鉄八幡)が出した記録で、82年には清水禎宏(松江四中教)が同じく10秒48を出しています。
■ケース8
 清水禎宏と関わりがあるのかは不詳だが、島根大の松浦真枝が95年に女子100 mHで13秒48の学生新。
■ケース9
 再度外国の話ですが、1980年から81年にかけて、スティーヴ・オベットとセバスチャン・コーのイギリス人同士が1マイルの世界記録更新の応酬を見せたとき、3分48秒台の世界記録がが3度も出ています。
■ケース10
 女子100 mHの12秒50突破は1978年のG・ラプツィン(ポーランド)の12秒48。彼女は翌年も同じ12秒48の世界タイを記録しました。

 1万m、100 m、100 mH。「1」のつく数字の種目に、“48”は頻繁に関わってきています。数字の魔界に、なにがしかの法則が存在するのかもしれません。このあとは、数字の魔界の法則に関する考察です。読むのはここでやめた方がいいかもしれません。

解明編「“48”という数字が記録更新に際して頻繁に現れる理由とは?」に続く
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