2001/8/9
女子マラソン代表5選手が記者会見
渋井は“大阪以下”
(本人)
松尾は“名古屋以上”
(武冨監督)

 8月9日15時から、エドモントン市内のホテルで女子マラソン代表5選手が記者会見を行った。男子マラソンのときと違い、壇上に5選手がならび、質問に答える形式で約30分、行われた。

松尾和美(天満屋)
「練習の段階で不安がない状態でスタートラインに立てるので、楽しみです。35〜36kmでどれだけ余力を持っているかがポイント。前で引っ張るレースは考えていません。流れに乗っていけば、結果はついてくると思っています。今から、ガツガツしていません」
松岡理恵(天満屋)
「(急きょ走ることが決まり)嬉しいというよりビックリしています。でも、3月からずっと松尾さんのパートナーとして練習してきましたので、不安はありません。私が偉そうに言うのもなんですが、(松尾さんの)調子はいいと思います」
松尾
「私も偉そうに言える立場じゃないけど(松岡の調子は)いいと思います」
松岡
「順位、記録は頭にありません。30kmまで楽についていければ、結果はついてくると思います」
大南敬美(東海銀行)
「28kmからの上り坂は、それほどきついとは感じませんでしたが、30kmからの12.195kmがきついと思いました。そこをどう走るかが課題です。練習が十分できたとはいえませんが、エドモントンに入ってから少しずつ調子が上がっています。名古屋以上の練習はできていないので、(松尾さんと)勝負できるかわかりませんが、勝負したいとは思います。目標は1つでも上の順位を目指して頑張ります」
渋井陽子(三井海上)
「(コンディションは)大阪のときよりはよくないです。(どのあたりが?)なんとなく」
土佐礼子(三井海上)
「(土佐さんから見て渋井さんは?)大丈夫だと思います。(状態は)マラソン練習に入ったときはよくなかったんですが、今は上がってきて普通です」
渋井
「(渋井さんから見て土佐さんは?)絶好調です。(展開はどうなると思いますか? との質問に10秒間くらい考えて)誰かが出るのではなく、23kmの下り坂をみんな意識していると思います。(身内を含めてライバルは? との質問に土佐の方を見て)土佐さんと、シモンさんと…でも、皆さん強いので、全員です」
土佐
「(ライバルは)全員です」
渋井
「苦しくなっても粘りまくることと、勝つことが目標です」
土佐
「今までやってきたことを信じて、最後まで粘って、○○(すいません、聞き取れませんでした)が勝負です」

Q.渋井さんはエドモントン入りして風邪を引かれたそうですが、今の状態は?
渋井 知りません。
Q.男子マラソンを見て感じたことは?
土佐 暑かったので、喉にきたと聞いています。後半勝負だなと思いました。
渋井 38kmくらいでみんな、消耗していました。後半、勝負だなと思いました。
松尾 後半、勝負だと思いました。
大南 後半、勝負だと思いました。
Q.当日、暑くなった方がいいか、涼しくなった方がいいですか。
松岡 暑いより涼しい方がいいです。
大南 暑いより涼しい方が。
松尾 どちらでもいいです。
渋井 どちらでもいいです。
土佐 涼しい方がいいのですが、暑くてもあまり考えずにいきます。

天満屋・武冨豊監督
「松尾は全ての面で名古屋の時よりいい練習ができた。40km走のタイムは、コンディションが違えば変わってきます(ので比較はできないが)、冬場よりもいい記録です。疲れも残っていません
 山口(衛里)と比べたら、ポイント練習の質は一緒でも、体力的な理由で間隔が松尾の方が長いんです。山口の東京(99年・2時間22分12秒の日本歴代2位)前とは迫力が違いますが、仕上がりとしては、過去4回のマラソンの中でも一番。すごく楽しみです
 レース展開が読めないので、優勝タイムの予測は難しいのですが、2時間24〜25分かなと思います。松尾もそのくらいなら対応できると思います。
 展開は読めませんが、基本的に下り終わるまでは動かないのではないかと思います。上り終わった時点で何人が残っているか。あの公園から行ったら、持たない気がします」

三井海上・鈴木秀夫監督
「ボルダーでは、高いときは気温が35〜38℃まで上がりました。炎天下での40km走は25km、30kmからタイムが落ちていってしまいます。渋井の日が特に暑くなってしまいました。順番を変えたら、また渋井の日が暑くなるという悪循環で、本人はストレスが貯まったんじゃないかと思います。思うような練習ができませんでしたが、後半はキチッと走れたので、問題は特にないと思います。
 2人の力は今、同じでしょう。練習を開始したときとは逆ですが、平均したら同じ。2人はタイプが違うからね。土佐は苦しくなってから粘れるから、自分のペースで行った方がメダルの可能性はあるでしょう。残り10kmまでがスローだと、スピードのある選手が生き返ってしまうからね。渋井は記録よりも順位を意識して、できればメダルを狙わせたい。優勝争いは日本の3人と、シモンと、ロシアあたり。アフリカ勢が1人か2人、出てくるかもしれませんね。
(渋井の風邪のことは、誰も)知らないはずなんだがなー。大丈夫です。最後の調整はキチンとやっています。エドモントンに入ってから気温の変化があったからでしょう。熱が出ましたが1日ですぐに下がりました。
 優勝タイムの予想は難しいですね。コースとか気温とか、レース展開とかで変わってきますから。2時間25分くらいでしょうか。男子ほどには(スローに)ならないと思います。前半はそんなにいかないと思うので、31kmで余力がなかったらダメ。本人たちとはレースプランは話していませんが、レース中の対応は本人任せになると思います」