2001/8/1
土佐＆渋井の三井海上コンビが
エドモントン入り　写真
空港での一問一答は国内選考会とは違う“ノリ”

　８月１日夜、女子マラソンの土佐礼子、渋井陽子の三井海上コンビが、鈴木秀夫監督とともにエドモントン入りした。５月中旬から時差のないボルダーで練習を重ね、この日もデンバーから余裕のエドモントン入り…となるはずだったが、到着が30分近く遅れ、また荷物が１つ出てこなかったことで、予定から大幅に遅れて到着ロビーに姿を現した。
　記者団との一問一答は以下の通り。

――コンディションは？
土佐　普通だと思います。
――直前のポイント練習はどうでしたか？
土佐　昨日、1000ｍを３本やったんですが、まあまあです。
――過去のマラソンと比べて、どうですか。
土佐　（マラソン練習全体では）前半がよくなかったんでよくわからないのですが、不安は残ります。後半はよく走れたのですが…。故障上がりで足の付き方から、走り方から、思うように走れませんでした。だんだん、よくなってはきたんですが。
――フォームが？
土佐　終わり頃にはよくなってきました。
――自分でもわかるくらい？
土佐　自分ではよくわからないんですが、監督からそう言われました。
――初めてのビッグゲームですが、緊張は？
土佐　みなさんに囲まれて、緊張してきました。ボルダーでは何も情報が入りませんし、テレビも見ませんので、あまり緊張はしませんでしたから。
――身体が絞れているように見えますが、これまでと違う？
土佐　体重は変わらないと思います。ボルダーに入る前は４kgくらい太っていて、落ちてホッとしました。
――残りの時間では何を意識しますか。
土佐　特にはないです。普通にします。
――ここまで長かった？
土佐　長かったです。
――コース下見したんですよね。
土佐　３回下見して、３km地点からゴールまで、何回か走っています。
――景色は単調だし、路面も硬いと言われていますが。
土佐　硬いらしいですね。よくわかりませんが。


――ボルダーを脱出してどう？
渋井　ホッとしています。
――３カ月は長かった？
渋井　そうですね。やっているときは長かったですけど、終わってみれば早かったですね。
――早かったとは、やり残したことがある？
渋井　とくには、ありません。
――一番苦しかったのはどの辺？
渋井　（しばらく間があり、促され）いろいろと思い出しているんですが、前回のマラソンとはまったく違ったので、体調とか、だから全部、すごく苦しかった。
――前回の練習も苦しかったのでは？
渋井　今思えば、前回は苦しくなかったです。今回初めて、マラソンがわかってきました。
――練習自体が苦しかった…？
渋井　はい。
――世界選手権だから、特に意識することは？
渋井　特には…。
――ボルダーは暑かった？
渋井　参りました。
――順位予想などで、優勝候補筆頭に挙げられることは意識しますか。
渋井　（首を振る）
――大阪国際女子マラソンのときは、レース前に、前半から積極的に行くイメージができていたと思いますが、今回は？
渋井　それは、言えません。
――レースを引っ張ることも？
渋井　いいえ、集団待機です。今回は守りです。

　初マラソン世界最高で優勝した大阪国際女子マラソンでは、レース前から積極的な発言が目立った渋井。鈴木監督が渋井の“ノリのいい”性格を見越して、そういった雰囲気にしていた部分もあった。だが、今回はそれとは対照的。
　こなしてきた練習の違い、国内選考会と世界選手権本番の違いなどがあり、そこから一概にどうとは結論づけることはできない。終わってみないと答えがわからないのが、マラソンである。