2001/8/12
女子マラソン4位の渋井との一問一答
『私、すごく大人になったと思いません?』
Q.ザハロワに抜かれたところは?
渋井 向こうがレースが上手くて、下りでサーッと一気にいかれてしまいました。追いつこうと頑張りましたが、一気に差が開いて、追いつけませんでした。
Q.その前の4人になったところは?
渋井 3人しか視界に入っていませんでした。その3人のレースだと思っていました。私はたぶん入れないだろうって。後ろにも選手がいると思っていました。体調的によくなかったこともあります。
Q.それは風邪の影響?
渋井 風邪を引いたのは1週間前でしたし、ちょっと喉のリンパが腫れたんですが、1日で速攻、治しました。レースに影響が出たわけではないと思います。
Q.前半はスローペースでしたが。
渋井 あれでいっぱい、いっぱいでしたね。10kmまでも楽ではありませんでした。ボルダーでは暑いなか、粘る練習をしてきたつもりなので、今日はボルダーほど暑くありませんでしたし、ペースもスローだったのであそこまで行けたと思います。
Q.メダルを逃したことは?
渋井 悔しいですよ!!……(ちょっと間があって)……なんつって、これで3番に入って調子こくなってことですね。それでは次につながりません。
Q.でも、いい調子を作れれば、シモンとも戦える自信がついたのでは?
渋井 はい!! あります。
Q.今日のコンディションでこの結果は?
渋井 ビックリ…かな。でも、満足はしていません。でも、後悔のレースでもなく、今まで苦しい中で粘れなかったのが粘れるようになりました。まだ2回目のレースですから。
Q.大阪は独走のレースでしたが、今回は競り合うレースでした。
渋井 苦しかったですけど、戦って楽しかったかな……と。レースをしている感じがしました。
Q.フィニッシュ後、土佐さんにはなんと言いましたか。
渋井 おめでとう、ですね。練習の成果が出ていると思います。チームメイトで練習も一緒ですから、私にもチャンスがあるということだと思います。土佐さんも金でなかったのが悔しいと思いますが、よかったと思います。精神的にも体力的にも、苦しんだんですから。
Q.大阪のときは鈴木監督が渋井さんのことを上手く乗せられたように思いましたが、今回、体調の悪いとき監督はなんと。
渋井 別に大丈夫だからと。今回、量的には大丈夫でしたが、(質的に)大阪ほど練習ができず、自信がなかったんです。
Q.次は気合いを入れないといけませんね。
渋井 そうですね。やっと2回目で、マラソンがこんなものだったとわかった気がします。3回目を苦しむのか、楽しめるのか、挑戦します。
Q.また、土佐さんに先を行かれてしまいました。
渋井 いい目標ですよ。
Q.またあの苦しみをと、尻込みしませんか。
渋井 すっごく苦しんだような気がしますが、忘れるタイプなんで、また楽しみます。
Q.大阪で初マラソン世界最高を出し、期待が高かったわけですが、プレッシャーは感じましたか?
渋井 日本に全然いませんでしたから。でもやっぱり、大阪が走れて2回目がダメになるのは、自分の中でイヤでした。3カ月を無駄にしたくなかったです。
Q.自分自身でプレッシャーをかけていた部分が?
渋井 あって、乱れて、わけがわかんなくなった時期があります。2カ月くらい前だったと思います。すごくもやもやしていました。前のタイム以上で走ろうと思いすぎて、体が気持ちに付いていきませんでした。それでわけのわからない状態になってしまいました。いろんな人の話を聞いたり、メールとかもらったりして、「そーだよなー」って思って。土佐さんもずっと、大丈夫だからと言ってくれて。
Q.最初から夏と冬の違いを考えていたら、別の結果に?
渋井 違ったかもしれません。馬鹿だから、考えられなかったんですね。体が(大阪の時の練習を)覚えているから、すごくムカつくんです。
Q.次にマラソンの準備をするときは、違うのでは?
渋井 ちょっとはわかってきたんじゃないかと。こういう苦しい練習があるとわかったことが、今回の収穫です。私、すごく大人になったと思いません?
※最後の部分を鈴木監督に伝えると、「なっていないと思いますよ」と、即座に否定。しかし、「ただ、最後は粘れた。やれば成長する。いい経験になったと思う」とも付け加えた。