印象に残ったコメント集@ 1日目(8月3日)
レース直後の藤田との一問一答
『自分としては棄権をしたら次につながらない、たとえどんな順位でもゴールすることに意義がある、どんな結果でも受け入れようと考えました』


Q.スタートラインに立ったときの状態は?
藤田 スタートラインに立った時点で、納得のいく体調ではありませんでした。大八木(弘明コーチ)さんからは何回も、棄権を考えるように言われました。しかし、自分としては棄権をしたら次につながらない、たとえどんな順位でもゴールすることに意義がある、どんな結果でも受け入れようと考えました。
Q.どんな目標でスタートラインに?
藤田 目標も何も、つぶれてもいいから行けるところまで行こう、と思っていました。出るからには勝負をしたかったですから。勝負ができなかったということは、まだまだ力がないということです。自分の体を把握できなかったのが、失敗の原因です。
Q.レース中、力が入らない状態だった?
藤田 痛み止めのおかげで前半は(症状は)出なかったのですが、後半、25kmあたり、下りきってレースが動き出したところで、バランスが悪くなってしまいました。引きつけるような感じです。痛みというよりもバランスです。最後の1カ月で追い込めず、スピードの変化に対応できませんでした。
Q.棄権は考えなかった?
藤田 正直、考えました。来る直前も、来てからも。ジョッグも見せられないくらい、脚を引きずって走っていました。でも、ここまで来て棄権するのは、自分で許せなかった。痛み止めを飲んで、一発に賭けていました。坐骨神経痛は神経系ですから、筋肉や骨と違い、選手生命に関わるケガではありません。
 いつも前日に1000mの刺激を入れるんですが、それも怖くてできませんでした。これは初めてのことです。ぎりぎりまでためて、一発に賭けるしかありませんでした。
Q.今後に向けて、データを残す意味もあった?
藤田 データを残すためというより、プライドです。日本最高記録保持者としてのプライドです。
Q.12位という順位については?
藤田 12位ということよりも、日本人で4番目ということが、どうもこうもダメです。日本最高記録保持者として、これだけ騒がれて4番目では、どうしようもありません。
Q.初めて納得できないレースを味わった?
藤田 前回のセビリア世界選手権もそうでした。勝負所で勝負できなかった。世界選手権で2大会連続でこれでは、世界と勝負ができているとはとても言えません。今まで、外すレースをしないと言われてきましたが、これで外したレースができたわけで、次はまたチャレンジャーとして挑戦したい。
Q.アテネに向けては?
藤田 まずは治すところを治さないと。1カ月で治し、秋口からトラックをやれたらいいかなと思っています。マラソンは来年秋の海外、シカゴかベルリンを目標にしたいと思います。まずは自分の中で、マラソントレーニングをこなせる体力を作ってからです。
Q.アベラに対してどんな思いがありますか。
藤田 すごい人です。シドニー五輪勝って、またこれに勝つんですから、本当に力がある。それをすごい奴と見てるわけにはいかないんです。次は絶対に勝つつもりでやらないといけません。日本選手も上に3人います。選考会を勝ち抜いて、次のアテネで勝負をしたい。