2010/5/6 嶋原婚約発表共同取材
嶋原が高見澤コーチ(佐久長聖高)との婚約を発表
「私生活の部分もそうですし、他人の目があることは競技者として大事なところ。そういった部分で良い刺激にしていきたい」

 アジア大会女子マラソン代表の嶋原清子(セカンドウィンドAC)が佐久長聖高・高見澤勝コーチとの婚約を発表した。6日、都内のセカンドウィンドビルで共同取材に応じたときのコメントを整理して紹介する。

●高見澤コーチとの婚約について
 4月27日に佐久長聖高の高見澤勝さんと婚約しました。入籍は日どりを見て、今月中に行いたいと思います。佐久に移って活動していきますが、セカンドウィンドAC所属はそのままで、選手活動を継続していきます。選手登録も嶋原姓のままでいきます。
 2007年の1月にランナー仲間の食事会で知り合い、その後も何度か機会があって…。同じチームの先輩がすごく褒めていて、良い方なんだと思って。年下は好みではありませんでしたが(笑)、思ったよりもしっかりしているところや、真面目なところに魅(ひ)かれました。(プロポーズの言葉は)あったらしいのですが、後から「あれだったんだ」とわかったような感じで。(具体的には)内緒です。
(この時期の入籍としたのは)1年以上前から、この春に佐久に移ることを決めていました。彼が教員ですからお付き合いの形で近くにいるのもどうかと思い、結婚することに決めました。式は落ち着いてから、来年あたりを考えていますが未定です。(新婚旅行は)まったく予定がありません。お互いの休暇が合わないと思います。お休みが取れたらのんびりさせてあげたいですし。
(トレーニングのサポートやアドバイスを受けることは)ないですね。彼には高校生をしっかりと見てほしいので。彼の方は今後も、高校生との寮生活を続けます。

●お互いの存在がプラスに影響しているかどうかについて
 同じマラソンを走ったのは2009年の北海道と今年の長野です。お互いに「頑張ろうね」というくらいですが、彼が北海道マラソンで優勝したとき(2008年)は、私がまだ優勝経験がなく「先を越された」と奮起しました。同じレースに出るときはお互いに自分のことに集中しています。
 今後、色々とプラスになる点もあると思います。私生活の部分もそうですし、他人の目があることは競技者として大事なところ。そういった部分で良い刺激にしていきたいですね。

●今後のトレーニングや合宿について
 佐久には一度行っただけで、どこを走るかなど環境面はまだ確認していませんが、佐久長聖高の選手が練習しているグラウンドやクロカン・コースなども使わせていただいて走りたいと思っています。東京と比べたら道路も走れるのではないかと思っています。菅平も近いので、ときどき利用できないかと勝手に考えています。今後も川越監督の指導を受けていきますので、その辺も相談しながらやっていきます。
 あまり先のことは決めていませんが、アジア大会まではこれまで同様、チームの合宿に参加します。当面は札幌国際ハーフマラソンに向けて、5月24日からアルバカーキで合宿します。陸連合宿も含めて1カ月間です。
 長野マラソンが終わってから休養していましたが、3日くらい前にやっと練習を再開しました。痛いところとかはなく、戻していけると思います。5月には陸連合宿にも参加します。私はこれまで川越監督のメニューしかやったことがありません。他の指導者の練習は初めてでリズムとか違ってくるでしょうし、きついとは思いますが、それも含めて楽しんでやりたいと思います。

●監督やチームメイト、セカンドウィンド・サポーターズ会員と離れることについて
 監督とこういう離れ方をしたことがないので、なんと言ったらいいのか…。(トレーニングについては)自分次第なので頑張っていきますが…寂しいですね。寂しいです。チームメイトとも寂しいねと言い合っていますが、これからも合宿がありますし、そんなには。みんなも長野に走りに来てくれたらと思っています。気分転換にもなるでしょうし、監督も私のところに行くと言ったら、行かせてくれるかな。
 セカンドウィンドの練習会にもタイミングが合えばいつでも行きますし、イベントにも顔を出します。会員さんたちとは今まで、近い存在としてやってきたので、佐久に移ることを決めてから寂しさを感じています。でも、外国と日本ではありませんし、すごく遠いわけではないですから。突然、顔を出したりもできると思います。何か違った形で良い関係を築けたらいいかなと思っています。チームや会員さんに対してお手伝いできることを探していきます。
以下、追加部分

●アジア大会について
 選考の過程で「アジア大会は若手選手で」という声も挙がっていたと聞いて、乗り切れない気持ちもありましたが、長野マラソン前のアルバカーキ合宿で早狩実紀さん(3000mSC日本記録保持者)が「日本の陸上界にとってアジア大会は結果が大事」だと話してくれて、気持ちを切り換えられました。代表で走ることに誇りを持ち、しっかりと成績を残したい気持ちが強くなりましたね。加納(由理・セカンドウィンドAC)と優勝争いができるようにしたいです。アジアも強い人がいるので難しいことだと思いますが、まだ期間もあるのでしっかりとトレーニングをしていきます。

●将来について
 アジア大会後は、どこまでとは決めていませんが、監督や彼と相談しながら続けたいと思います。(出産については)特に決めていませんが、続けられる環境になればいいな、と思っています。
 まだ具体的には描いていませんが、競技を離れたら彼のサポートをメインにしていきたいです。高校生を指導するということにはならないと思います。(自身としては)セカンドウィンドの仕事を何かやっていければと思っています。

川越学監督コメント
「理想の選手として完成して、花道を飾ってほしい」
◆婚約について
 婚約できてよかったと、素直に喜んでいます。ただ、離れていくような感じもあり、娘を嫁がせる親のような寂しさもちょっとあります。先ほど、嶋原のケアをしてくれているケッズのトレーナーの方と、昔は今みたいな(ランナーとして)立派な体型ではなかったという話をしました。どんどん変わってきて、トップクラスの体型になってきて、最後の仕上げの段階に来ていると思います。もうしばらく一緒にやって、理想の選手として完成して、花道を飾ってほしい。
◆“理想の選手”について
 監督やコーチも含め皆さん、高校で活躍した選手がそうだと思いがちかもしれませんが、色々なスポーツをやったりして若い頃に基礎ができた選手が、徐々に成長していくのが理想だと思います。(基礎ができている選手が)精神的に成長して大人になり、それと同じように体も成長する。そうしてしっかり成長して花が開く。嶋原は十分それができてきた選手ですが、さらに最後のひと花を咲かせてほしい。
◆陸連合宿参加について
 陸連に協力したいということもありますし、レベルの高い人たちと一緒にやって刺激をもらいたいという狙いもあります。私個人としては、嶋原の良いところも他の選手に学んでほしい。お互いにプラスになってくれればと思っています。

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