2009/12/23 
TMAが2010年度新メンバー発表
チームミズノアスレティック
石塚、鈴木、荻田ら6選手が加入
成績次第でMTCに昇格


 23日、TMA(チームミズノアスレティック)の2010年度新メンバー6人が、都内のホテルで発表された。
●石塚祐輔(筑波大)200 m:20秒79、400 m:46秒02
●飯田将之(早大)110 mH:13秒80
●鈴木崇文(東海大)棒高跳:5m55
●荻田大樹(関学大)棒高跳:5m56
●上田千曉(都留文科大)400 mH:58秒39
●江島成美(中京大)円盤投:50m06
 石塚は2007年世界選手権代表で、鈴木は2009年世界選手権の代表。荻田は学生記録保持者である。

 ミズノトラッククラブが社員選手で構成されているのに対し、TMAは2005年に設立された“社外クラブ”。「将来有望な選手への援助を行い、選手自身の生活環境に応じて自由に練習に打ち込める環境をサポートします」(プレスリリースから抜粋)
 練習時間の確保など基本的な環境は選手側が整える。杉林孝法や大橋忠司のように教員をしているケースもあれば、和田麻希のように実家の自営業を手伝っているケースもある。そうした個々の状況に合わせてミズノがサポートしていく。
 新メンバーたちのなかにも、来年度からの職業については未定という選手もいる。しかし、このタイミングでミズノのサポートを受けられることが決定していれば、それを前提に4月以降の環境整備を進めることができる。

 システムとしての変更点もある。
「日本選手権等の指定3大会で、優勝に準じる成績を修めた場合、入社試験など所定の手続きを踏んでミズノトラッククラブに昇格する」(上治丈太郎MTC&TMA部長)
 小池崇之と菅井洋平が2008年度はTMA所属だったが、世界選手権標準記録突破や日本選手権優勝などの活躍から、2009年度はMTC所属に変更になった。その基準を明確にして、選手のやる気を引き出すのが狙いだろう。
 逆にMTC選手でも2年間、所定の成績を残せなかった場合、業務としての選手活動を打ち切られるようにしたという。

 種目と競技レベル異なる選手たちなので、目標もそれぞれで異なる。
 石塚は2007年世界選手権の4×400 mR代表経験がある「来年は11月にアジア大会があります。ミズノ選手として誇りを持って代表となること、代表となったらメダルを取れるように頑張る」と抱負を語った。
 飯田は13秒80がベストで、代表になるには13秒6台のベスト記録が必要というポジション。「常に世界と戦うことを念頭に、まずは日本のトップを目指します。3年後のロンドン五輪で活躍できるようにしたい」
 鈴木は今年の世界選手権代表で、荻田は学生記録を持つ。2人とも5m50を複数回跳ぶ安定した強さがある。「来年はアジア大会金メダル」という目標も同じ。男子棒高跳は前回、澤野大地(千葉陸協)が金メダルを取っている種目だ。“澤野超え”を目標に設定したと言えるだろうか。
 上田は新メンバー中唯一、メジャー大会の優勝がない。「今までこれという実績はありませんが、憧れのミズノの名に恥じないよう頑張りたい」
 江島は円盤投で日本インカレに3度優勝。50m06のベスト記録は、江島の勝負強さからすると物足りない。「1cmでも自己記録を更新していきたい」という言葉は、大幅に更新したいという意味にとってもいいのではないか。

 MTC主将の室伏広治からは「自分も入社当時、世界的な選手になりたい気持ちはあったが、どこまで行けるのかは未知数だった。長い目で将来を買っていただいたが、今日のメンバーと気持ちは一緒だったと思う」と、激励の言葉が送られた。


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