2008/8/1 新マラソン開催記者発表会
東京国際女子マラソン後継大会の横浜開催決定
「エリート・マラソンと国際的な市民マラソンの双方を文化として育てたい」

 日本陸連は1日、横浜市を舞台とした新たな国際女子マラソン開催を決定したことを発表した。日本陸連と朝日新聞が中心になっている大会で、今年11月の30回大会が最後となる東京国際女子マラソンの後継大会という位置づけ。
 陸連と主催関係者の記者会見で判明したことは以下の通り。

●正式名称:未定
 特別準備委員会が来週から設置されて検討に入る
●開催時期:1回目は2009年11月
●コース:未定
「記録を期待できるコースを条件とし、今後神奈川県警と調整し、横浜の名所コースの検討を進める」(会見時配布資料)
●大会規模:未定
「現時点では未定。国際大会の選考レースとする」(会見時配布資料)
●主 催:日本陸連/朝日新聞社
     テレビ朝日(放映年のみ)/日本テレビ(放映年のみ)
後  援:横浜市/テレビ朝日(放映年のみ)/日本テレビ(放映年のみ)等
特別後援:読売新聞社
主  管:神奈川陸協


■東京国際女子マラソンの後継大会
 世界初の女子だけのマラソン・レースとして1979年に始まった東京国際女子マラソン。東京マラソンが始まったことで東京開催ができなくなったが、場所を変えて存続することが昨年決定していた。「その精神、遺産、実績を引き継ぐものとの位置づけ」と、朝日新聞の事業担当者。
 福岡国際マラソンやびわ湖マラソンは過去に、現行都市とは違う場所で開催されていたが、大会回数や歴代優勝者など、現行大会としてカウントしている。その点について「まだ詰めてはいないが、前例を踏襲したい」と澤木専務理事。

■日本には2つのスタイル
 同じ朝日新聞が主催する福岡国際マラソンとの統合など、ワールドマラソンメイジャーズに加わる方向性の検討をしたのか、という質問に対し、澤木専務理事は以下のように答えている。
「福岡での開催など、国際化の流れも踏まえて1本化も検討したが、日本には2つの流れがあっていい。エリート・マラソンと国際的な市民マラソンの双方を、文化として育てたい。どのような案でも二面性はある。女子だけのレースではレベルが低くなる懸念もあるが、オリンピックや世界選手権は女子だけで行われ、駆け引きなども重要になる。それに対し、男女を統合した海外のような記録を狙いやすいレースがある。その2つを日本のマラソンとして構築していきたい。どちらが正しいかどうかは、歴史の評価、一般の方の評価を見ないとわからない」

■2系列メディアが主催
 系列メディアとしては、基本的には朝日新聞主催だが、日本テレビと読売新聞も主催者側に名を連ねる「異例」(澤木専務理事)の形になる。
 これまで横浜で開催されてきた横浜国際女子駅伝は来年2月の27回大会が最後となり、女子マラソンに統合される形になる。そのため、横浜国際女子駅伝を主催してきた日本テレビが隔年で放映し、読売新聞社も特別後援という形になる。

■横浜に決定した理由
 東京からの撤退が決定し、全国から6都市が開催誘致を申し込んできたという。そのなかで横浜に決まったのは「メディアが系列を越えた協力体制を敷いていただいたことが大きい」(澤木専務理事)という。警察庁からロードレースの数を増やさないよう言われているため、現行大会を発展解消させる方法に落ち着いたようだ。

■開催時期とコース
 開催時期は東京国際女子マラソンと同じ11月の第3週が有力。「実業団女子駅伝との兼ね合いから、ベターではないか」(澤木専務理事)
 コースについては「今の駅伝コースが下敷きとなるが、駅伝と違った見方もしないといけない。来年2月の女子駅伝までには決めたい」と言うが、現行の駅伝コースでは風の強い個所もあるため、配慮が求められるところだ。


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